2026.02.26
ドアパンチの正しい初期対応は?注意点から修理費・保険の判断まで徹底解説
最終更新日: 2026.02.26
駐車場でドアを開けた瞬間の「コツン」という嫌な音——ドアパンチの瞬間、多くの人が強い不安に襲われるはずです。
相手にどう声をかけるべきか、警察は呼ぶのか、傷の修理費はいくらになるのか。さまざまな疑問が頭を駆け巡るなかで、正しい初期対応が求められます。
この記事では、ドアパンチをしてしまった側が取るべき対応から、修理費の目安、保険利用の判断基準まで分かりやすく解説します。
ドアパンチをしてしまった場合の正しい初期対応

ドアパンチをしてしまったときに最も重要なのは、冷静な初期対応です。
焦ってその場を離れたり、自己判断で済ませたりすると、後になって大きなトラブルへ発展するおそれがあります。
ここでは、状況別に取るべき行動と、当て逃げと判断されるリスクについて整理します。
相手がいる場合にするべき4つの行動
ドアパンチをしてしまった場合、最優先すべきは誠実な対応です。
小さな傷に見えても、相手にとっては大切な車。
まずは次の4つを確実におこないましょう。
1.相手の確認と声かけ
相手が車内や近くにいる場合は、すぐに声をかけ、状況の説明と謝罪をおこないましょう。
2.警察と保険会社への連絡
被害者と話ができたら、速やかに警察へ連絡しましょう。ドアパンチは物損事故にあたり、原則として報告義務があります。示談で解決する場合でも、届け出は必要です。
あわせて、保険の利用有無に関わらず保険会社にも連絡しておくと、その後の対応がスムーズに進みます。
3.連絡先の交換
示談や保険手続きのために、連絡先の交換は必須です。警察立ち会いのもとでおこなえば、双方にとって安心材料になります。
4.傷や状況の写真を撮る
被害者の同意を得たうえで、傷の状態や車の位置関係、駐車場全体の様子を撮影します。写真は後日のトラブル防止に役立ちます。
軽い傷だからと簡単に済ませてしまうと、後からもめごとに発展することがあります。誠意を示しつつ、必要な情報の取得と警察・保険会社への連絡は必ずおこないましょう。
相手がいない場合の正しい初期対応
相手がその場にいない場合は、まず警察へ連絡しましょう。ドアパンチは物損事故にあたるため、発生時点での報告が基本です。
連絡を入れたら、周囲に車の所有者がいないか確認します。商業施設などであれば、館内放送を依頼できる場合もあります。
警察が到着したら、指示に従って対応を進めましょう。
その際、可能であれば被害車両のナンバーや車種、傷の状態を写真で残しておきます。車同士の位置関係や駐車場全体の様子も撮影しておくと安心です。
相手がいないと「これぐらいなら」と考えてしまいがちです。しかし、速やかに誠実な行動を取ることが、のちの大きなトラブルを防ぐことにつながります。
ドアパンチは当て逃げになる?
警察へ連絡せずにそのまま立ち去った場合、程度に関係なく「当て逃げ」と判断されるおそれがあります。
道路交通法第72条第1項では、事故を起こした運転者に「危険防止措置義務」と「事故報告義務」が定められており、ドアパンチも例外ではありません。
これらに違反した場合、次の罰則が科されます。
- 危険防止措置義務違反:1年以下の懲役または10万円以下の罰金
- 事故報告義務違反 :3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金
さらに、状況によっては相手から損害賠償を請求されるケースもあります。
近年はドライブレコーダーや駐車場の防犯カメラが普及しており、当て逃げは発覚しやすい状況です。自己判断をせず、事故を起こした時点での速やかな報告が最も安全な対応といえるでしょう。
ドアパンチの傷の修理費はいくら?相場と費用負担

ドアパンチをしてしまった場合、最も気になるのが「いくら支払うことになるのか」という点ではないでしょうか。
傷が小さく見えても、修理内容によっては想像以上の費用になることもあります。
ここでは、修理費の目安や過失割合の考え方、保険を使うべきかどうかの判断基準まで詳しく解説します。
ドアパンチの修理費の目安と相場
ドアパンチの修理費は、傷の状態によって大きく変わります。見た目が小さくても、へこみや塗装の剥がれがあると費用は高くなります。
板金業者での修理費用の目安は次のとおりです。

※損傷部位や範囲、車種、カラーによっても変動があります
輸入車や特殊な塗装色、アルミパネル採用車の場合は、さらに費用がかかることもあります。また、ディーラーでの修理も一般的な板金業者より高額になりがちです。
基本的には被害者側が選んだ修理工場で見積もりを取ることになります。
真摯に対応する姿勢は重要ですが、内容を確認せずにそのまま支払いを約束するのは避けましょう。修理内容と金額の内訳を確認したうえで、気になることは質問をしておくことが重要です。
過失割合と費用負担の考え方
ドアパンチでは、ドアを開けた側の過失が9割から10割程度とされるケースが一般的です。車のドアを開閉する際には、周囲の安全を確認する義務があると考えられているためです。
相手が駐車枠を大きくはみ出していたり、明らかに異常な駐車をしていた場合、過失割合が修正されることもありますが、基本的に加害者負担が大きいことには変わりはありません。
修理費に保険は使うべきか
修理費が分かったら、次に悩むのが「自腹で払うか、保険を使うか」という点でしょう。
ポイントは、修理費と保険使用による等級ダウンの影響を比較することです。
対物賠償保険を使うと、一般的に等級が下がり、翌年以降の保険料が上がります。増額分の合計が修理費を上回るのであれば、自腹で支払ったほうが結果的に安く済むケースもあります。
事故直後から保険会社と連絡を取り、等級ダウン後の保険料がどの程度上がるのかを確認したうえでの判断が大切です。
保険を使う場合の流れ
保険の利用有無に関わらず、事故直後、遅くとも当日中には保険会社へ連絡しておきましょう。ここでは、事故の日時や場所、相手の連絡先、警察への届け出状況などを共有します。
連絡が遅れると、場合によっては保険金の減額や、支払い対象外となるおそれもあるため注意が必要です。
保険を利用する場合は、担当者にその意思を伝え、追加で求められた情報や見積もり金額などを提出します。この段階で、修理内容や見積もりの妥当性も確認してもらえます。
なお、示談交渉サービスが付いていれば、基本的な交渉は保険会社に任せることができます。ただし、示談が成立後のやり直しは難しいため、任せきりにせず内容を把握しながら進める姿勢が大切です。
示談の進め方と注意点

ドアパンチは物損事故である以上、多くの場合は示談によって解決します。
小さな傷でも、認識の違いや感情のもつれからトラブルに発展するケースは少なくありません。冷静に話し合いを進めることが、余計な問題を防ぐ鍵になります。
ここでは、示談をスムーズに進めるために押さえておきたいポイントを整理します。
示談の基本的な流れ
ドアパンチの示談は、次のような流れで進むのが一般的です。
1.保険会社へ報告し、示談の方向性を確認する
2.被害者側が修理見積もりを取得する
3.示談案の作成と交渉
4.合意後、示談書に署名・捺印
5.支払いの実行
保険を利用する場合、示談案は保険会社が作成し、被害者との交渉も担当します。修理見積もりの妥当性も含めて確認してくれるため、加害者が直接やり取りする場面は多くありません。
一方で、保険を使わない場合は当事者同士で示談案をまとめることになります。見積書の内容や支払い方法を確認し、合意できる条件を整理することが必要です。
示談書は必要?口約束は避けるべき理由
ドアパンチが軽微な傷だった場合、「口約束だけで十分」と考える人もいるかもしれません。しかし、後日のトラブルを防ぐためには、示談書を取り交わしておくほうが安心です。
示談書には、事故の概要、修理費の金額、支払い方法、支払い期日などを明記します。特に重要なのは「これ以上お互いに請求しない」という清算条項です。
この条項がないと、後から追加請求を受ける余地が残ってしまいます。
保険会社を通す場合は、示談書作成のサポートを受けられることもあります。一人で抱え込まず、まずは相談してみるとよいでしょう。
大切なのは、口約束で終わらせず、書面として合意内容を残すことです。
まとめ|ドアパンチをしてしまったら冷静に対応を

ドアパンチをしてしまったときに求められるのは、慌てず誠実な対応です。
事故直後は動揺しがちですが、警察への連絡や連絡先の交換、証拠の記録を確実におこなえば、大きなトラブルは防げます。
修理費は傷の程度や車種によって大きく異なります。そのため、過失割合や保険利用の影響も踏まえながら、落ち着いて判断することが重要です。
示談に進む場合も、口約束で済ませず、書面で合意を残すことを意識しましょう。
そして再発防止のためには、日頃からドアをゆっくり開ける、風の強い日は特に注意する、子どもや高齢者が乗り降りする際はスペースを広めに確保するなど、小さな配慮を積み重ねることが大切です。
一つひとつ丁寧に対応すれば、必要以上に不安になることはありません。万が一のときも、落ち着いて正しい手順を踏むことを心がけましょう。