2025.12.18
駐車場での当て逃げ被害|旅先で慌てないための対応と予防策
最終更新日: 2025.12.18
休憩や車中泊をしている最中に突然当て逃げにあったらどうしますか?
大抵の場合とっさのことで驚いてしまい、スムーズな対応がとれないと思います。
本記事では休憩や車中泊時に起こりがちな、当て逃げ被害への対処法とトラブルを防ぐためのポイントを解説します。
最後まで読むことで駐車場事故の正しい対応が理解でき、安心して車中泊を楽しめるようになるので参考にしてください。
駐車場で事故トラブルが多い理由

車中泊旅をしていると観光地や道の駅、RVパークなどさまざまな場所で休憩をとる機会があると思いますが、駐車中に気を付けたいのが当て逃げトラブルです。
一見、安全そうに感じる駐車場ですが、実は交通事故の約3割は駐車場などの私有地内で発生しています。
しかもぶつけた相手は、そのまま逃げてしまうケースが多いです。
逃げてしまうのは、無人の駐車場が多く目撃者が少ないために「誰にも見られていないだろう」と、自分勝手な心理が働いてしまうからです。
特に車中泊仕様の車の場合、以下のような条件が重なるため接触してしまうリスクがどうしても高くなります。
- 車体が大きく隣車との間隔が狭くなりやすい
- 死角が多く軽い接触だけだと気付きにくい
- 敷地の狭い駐車場だと出入りが窮屈になりやすい
さらに、旅先では土地勘がないので狭い駐車場や傾斜のある場所など、リスクの高い環境につい停めてしまいがちです。
楽しい旅行中に車を当て逃げされると気分も台無しになります。
だからこそ万が一に備えて、冷静に動けるよう準備しておくことが大切です。
当て逃げされたときの正しい対処ステップ

当て逃げを発見したときは、まず誰に何を伝えるかを把握しておきましょう。
決して慌てずに、次の順番で対処していきます。
警察へ通報して交通事故証明書を発行してもらう
たとえ駐車中の軽い接触だったとしても、警察に届け出て交通事故証明書を取得します。
証明書がなければ保険金請求ができないので、早々に警察に当て逃げされたことを伝え現場検証を依頼しましょう。
駐車場管理者・施設スタッフに連絡する
ショッピングモールや観光地、道の駅などの駐車場には、防犯カメラが設置してある可能性が高いです。
管理室に連絡して映像の確認や保存を依頼しましょう。
防犯カメラの映像は、一定期間でデータを上書きされる可能性があるので早めの対応が大切です。
証拠を確保する
スマートフォンのカメラ機能などを使い、事故現場で以下のポイントを撮影しましょう。
- 車体の傷やへこみの位置
- 周囲に落ちている破片(塗装片やレンズ片など)
- 停車位置やタイヤ跡
あとで加害者の特定につながったり、示談交渉で加害者が当て逃げを否認するのを防ぐための材料になります。
また、駐車監視機能付きドライブレコーダーを備えている場合は、ぶつけた瞬間を記録してくれている可能性があるので確認してみましょう。
保険会社へ連絡
車両保険に当て逃げ補償が含まれているかを確認します。
当て逃げの場合、加害者を特定できれば相手の保険を使い保障を受けることが可能ですが、ぶつけた相手が分からなければ相手の任意保険が使えません。
その場合、自身の車両保険で修理費を負担する形になります。
駐車場でぶつけてしまったときの正しい対応

今度は加害者になった場合の対応です。
「軽い接触だから大丈夫」と思って立ち去ってしまうと、道路交通法違反となり刑事事件に発展する可能性があるので注意しましょう。
道路交通法では、事故を起こした者に対して危険防止措置義務と警察への報告義務があると定めています。
たとえ物損事故であっても、ぶつけて逃げれば当て逃げとしての処罰対象です。
違反点数は合計7点となり、累積点数がない人でも免停になってしまいます。
刑事罰としては、1年以下の懲役または10万円以下の罰金などに処される可能性があるので気をつけましょう。
キャンピングカーなど車体が大きい車の場合、後方の接触に気付かないまま走り出してしまうケースが起こりやすいです。
「気付かなかったんです」といくら主張しても、現場状況や映像で判断されれば罪を免れることはできません。
そのためぶつけた可能性を少しでも感じたら、すぐにその場に戻り相手や警察に連絡しましょう。
誠実に対応すれば、処分が軽減されて罰則が軽く済む可能性もあります。
また、レンタカーやカーシェアを利用している場合は、当て逃げしてしまうとレンタル会社から高額な修理費や修理期間中の営業補償金を請求されるので注意が必要です。
被害・トラブルを未然に防ぐための駐車テクニック

駐車時のトラブルを防ぐには、車の停め方や備えが大切です。
意識しておきたいポイントを5つ紹介します。
広めの駐車スペースを選ぶ
混雑している駐車スペースに入るより、少し目的地から離れたとしても空いている場所を選んだほうがトラブルが起こりにくいです。
また、狭いスペースや車の切り返しが必要になる駐車場は、接触するリスクが高いので避けるようにしましょう。
壁際・端のスペースを選ぶ
そもそも隣り合う車が少なければ接触事故は起こりにくいです。
片側が壁になっている場所など、駐車場の端に車を停めれば他車との接触リスクを減らせます。
監視カメラ・照明のある場所に停める
駐車スペース付近に防犯カメラが設置されていれば、当て逃げの証拠映像が残るので加害者を探す手がかりを見つけやすいです。
監視カメラや照明のある場所を選ぶことは、当て逃げの抑止力として期待できます。
駐車監視機能付きドライブレコーダーを選ぶ
駐車場の監視カメラが、必ず証拠を残してくれるとは限りません。
加害者を特定する意味でも、衝撃を検知すると録画されて証拠が残る駐車監視機能付きドライブレコーダーを取り付けておくと安心です。
風の強い日はドアパンチに注意
駐車場では、風でドアが勢いよく開き隣の車にぶつかるドアパンチ事故も多発しています。
特に風の強い日は、不可抗力でドアをぶつけてしまうことがあるため、隣に車がいないスペースに停めるようにしましょう。
ほんの少し意識するだけで、当て逃げの被害も加害も減らすことができます。
まとめ:当て逃げへの予備知識が大切

車中泊を楽しめる車は車体が大きく視界も限られるため、駐車トラブルのリスクが高いのが現実です。
当て逃げは他人事ではなく、自分が被害者にも加害者にもなり得ます。
起こってしまった時に大切なのは、
- 逃げずに警察へ通報する。
- 証拠を確保し、保険で補償を受けられるようにする。
- 普段から駐車環境とドラレコ・保険を整えておく。
事前に意識しておくだけで、突然のトラブルにもスムーズに対応できます。