2026.02.02
車のバースト(タイヤ破裂)とは?原因・前兆・対策・起きた時の対処法を解説
最終更新日: 2026.02.02
車を運転する上で絶対に知っておきたい言葉の一つが「バースト」です。バーストは重大な交通事故につながる危険性があるため、日常的な車のメンテナンスや運転時の心構えとして知識を身につけておくことが非常に重要です。本記事では、バーストの意味、発生する原因、前兆、予防策、万が一発生した際の対処法を解説します。
車のタイヤバーストとは?基本の意味

まずは車のタイヤバーストの意味とパンクとの違いを解説します。
バーストとは
バースト(burst)とは、英語で「破裂」や「爆発」という意味を持つ言葉です。自動車関連の用語として使われる場合は、タイヤバーストを指すのが一般的です。つまり、走行中や駐車中にタイヤが突然破裂し、空気が一気に抜けてしまう現象のことをバーストと呼びます。
バーストは、高速道路や長距離ドライブ中に発生すると、車両がコントロールを失い、大きな事故につながるリスクが高くなります。そのため、バーストに関する正しい知識を持つことは、安全運転の基本とも言えるでしょう。
バーストとパンクの違い
バーストとパンクの違いは、空気の抜け方と、発生後の走行継続可否にあります。パンクは釘が刺さるなどの要因で徐々に空気が漏れていく現象で、異変を感じてから安全な場所へ停車する猶予があるケースが一般的です。
一方、バーストは一瞬でタイヤが破裂するため、回避の余地がほとんどなく、即座に操縦不能になります。また、パンクは修理剤やパッチでの補修が可能な場合がありますが、バーストしたタイヤは修理は不可能で、ホイールを含めた交換が必要になります。
バーストが多いタイミング
実はバーストには発生しやすいタイミングがあります。
- 夏(路面温度上昇)
- 連休前後(高速走行+積載増加)
- 5年以上経過したタイヤ
- 車検直前(整備を怠りやすい時期)
上記に該当する場合、念入りにチェックするかプロの診断を受けることをおすすめします。
タイヤがバーストする原因とは

タイヤバーストは、偶然や突発的に起こるものではなく、必ずと言っていいほど「予兆」や「原因」が存在します。ここでは、実際にバースト事故の多くで確認される原因を詳しく紹介します。
空気圧不足(低圧)
タイヤ内部には規定量の空気が充填され、適正な形状を維持することで安全に走行できます。しかし、空気圧が不足するとタイヤはたわみ(変形)が大きくなり、内部構造(カーカスコード、ベルト層)に無理な力が集中します。これが内部損傷や異常発熱を引き起こし、最終的に破裂します。
空気圧が下がる理由には、以下のようなものがあります。
- 通常でも1ヶ月に5〜10%は自然に減少
- 釘や異物の微細な刺さり
- ホイールやバルブの劣化
- 季節変化(気温低下で圧力も低下)
定期的に空気圧をチェックし、空気圧不足を予防しましょう。
空気圧過多(高圧)
逆に空気を入れすぎた場合もバーストの原因になります。空気圧過多により接地面が減少し、タイヤ中心部だけが摩耗するためです(センター摩耗)。
また、跳ねやすくなり、段差や衝撃を受けた時に内部コードが切れる危険性が高まります。
タイヤの経年劣化・摩耗
タイヤのゴムは紫外線、酸素、オゾン、温度変化などで徐々に劣化します。これにより、ゴムの弾力性が低下し、ひび割れや硬化が発生します。ひび割れが進行するとタイヤのバーストにつながるため注意しましょう。
具体的には、スリップサイン(残溝1.6mm)を超えた摩耗状態では、ゴム層が薄くなり、内部のコード層が損傷しやすくなります。
過積載(オーバーロード)
車両の積載量を超える荷物や人を乗せると、タイヤは本来想定していない荷重を受けます。想定外の重量はタイヤの消耗を早めたり、バーストの原因になります。特に商用車・SUV・ミニバンは荷物や人数が増える傾向があるため注意が必要です。
外的要因(異物踏み、縁石・ガードレール接触)
バーストは、以下のような外的要因が引き起こすこともあります。
- 釘やボルトのような鋭利な異物
- ガラス片、金属片
- 縁石や道路の段差によるサイドウォール(側面)の損傷
タイヤのサイドウォールはトレッド面より薄く、衝撃に弱いため、縁石にこすっただけでもバーストに至るケースもあります。
高速走行中のオーバーヒート
長時間、高速道路を走行することでタイヤは発熱します。空気圧不足・過積載・高温路面(夏場)などが重なるとタイヤ温度はさらに上昇し、耐熱限界を超えてバーストに至るケースが多発しています。長距離走行する際は、一定時間ごとに休憩を挟んでタイヤを冷却しましょう。
車のタイヤがバーストする前兆

車のタイヤがバーストする前には、いくつか前兆があります。外出時のトラブルを防ぐために、バーストの前兆を紹介します。
タイヤの表面に傷やひび割れができる
タイヤの表面に現れる深い傷やひび割れは、バーストの予兆です。ゴムの経年劣化や紫外線によって生じるひび割れが内部のコード層(補強材)にまで達すると、そこから一気に空気が漏れたり、強度が不足して破裂に至るリスクが高まります。
また、縁石との接触などで生じた切り傷や、タイヤの側面に「こぶ」のような膨らみができる「ピンチカット」も、内部構造が破壊されている証拠であり極めて危険な状態です。これらの症状は目視による日常点検で発見可能なため、深刻なトラブルを招く前に早期のタイヤ交換を検討する必要があります。
走行中に車体が揺れる(スタンディングウェーブ現象)
走行中にハンドルや車体へ伝わる不自然な振動は、スタンディングウェーブ現象が発生している可能性を示唆しています。この現象は、空気圧が不足したタイヤで高速走行した際、路面との接地で生じたタイヤのたわみが復元せず、波打つような変形が連続して起こるものです。この状態に陥ると、タイヤ内部で急激な摩擦熱が発生し、短時間でバーストへと至ります。
高速道路の走行中に、これまでにない微振動や車体の揺れを感じた場合は、タイヤが物理的な限界を迎えているサインです。直ちに速度を落とし、最寄りのサービスエリアや安全な路肩へ退避して点検するなど、危機回避行動をとりましょう。
タイヤから焦げ臭い臭いがする
車外からゴムが焼けるような焦げ臭い臭いが漂ってきた場合、それはバースト直前のサインです。この異臭は、前述のスタンディングウェーブ現象でタイヤが激しく変形し、内部摩擦によってゴムや補強材が耐熱限界を超えて熱分解を起こすことで発生します。
窓を開けた際に異臭を感知したり、停車時にホイール付近から熱気を感じたりする場合は、いつタイヤがバーストしてもおかしくない状態です。臭いはバーストの警告と考え、タイヤが十分に冷却されるまで走行を控えるとともにプロによる緊急点検を受けてください。
バーストの予防方法

バーストは決して避けられない事故ではありません。適切な点検・運転を心がければ、十分予防ができます。
タイヤの空気圧管理
タイヤの空気圧チェックは、以下のタイミングで実施しましょう。
- 月に1回
- 長距離走行前
- 季節の変わり目(特に冬⇔夏)
特に高速道路を走行する前にチェックすると、大事故を予防できます。毎月の定期チェックだけでなく、高速道路を走行する前に空気圧を確認する習慣をつけましょう。
空気圧の管理で重要なポイントは、以下のとおりです。
- 車両指定の空気圧を必ず守る
- 前輪・後輪・スペアタイヤもチェック
- 高速走行時や積載時は「高め推奨値」を採用する車種もあり
エアゲージ(空気圧計)を車載しておくと便利です。
タイヤの残溝・劣化確認
タイヤは空気圧だけでなく、残溝と劣化のチェックも欠かせません。以下の状態のタイヤはバーストするリスクが高くなるので注意しましょう。
- スリップサイン(残溝1.6mm)を超えていないか
- サイドウォールにひび割れ・膨らみがないか
- 製造から5年以上経過していないか(推奨は4年以内)
万が一上記のような状態が見られたら、早めにタイヤ交換するとバーストを予防できます。
適正積載
積載量を守ることはタイヤ保護に直結します。過積載は以下の危険を招きます。
- タイヤの負担増加
- 制動距離の悪化
- コーナリング性能の低下
特にキャンプ、引っ越しなどで、業務用車両や専用車両を使用する際は、積載前に一度「積載重量」を確認しましょう。
安全運転の実践
タイヤのバーストリスクは、運転の仕方でも変わります。以下のような運転を避け、タイヤにも同乗者にも配慮しましょう。
- 急ブレーキ、急ハンドル、急発進を避ける
- 道路の継ぎ目や段差は減速して通過
- 縁石に乗り上げない、サイドウォールをこすらない
- 高速道路は長距離走行前に必ずタイヤ点検
日頃から安全運転を心がけることも、タイヤのバースト予防になります。
定期点検・プロの診断
年1回、ディーラーや整備工場でタイヤ点検を受けましょう。表面的に見えない内部損傷や、プロだから気づける危険なサインもあります。長く使うものだからこそ、定期的に診断を受けてタイヤの状態を確認する必要があります。
バーストに備えた装備
以下のアイテムは最低限車に備えておくと安心です。
| 装飾品 | 用途 |
|---|---|
| エアゲージ | 空気圧管理 |
| パンク修理キット | 応急処置 |
| 応急用スペアタイヤ | 仮走行用 |
| 車載ジャッキ | タイヤ交換 |
| 発炎筒 | 停止時の安全確保 |
| ロードサービスカード | 緊急時の連絡先 |
日頃の予防策にくわえて、万が一の事態に備えて処置できる環境を整えましょう。
万が一走行中にタイヤがバーストが発生したら

もしも走行中にバーストが発生した場合、冷静に対処することが最も重要です。
絶対に急ブレーキを踏まない
バースト直後に急ブレーキをかけると、ハンドル操作を失いやすく、スピンや横転の原因になります。タイヤの空気圧がゼロになった状態で強い制動力をかけると、左右のタイヤの回転数や摩擦抵抗の差が極端になり、制御不能な挙動を引き起こします。エンジンブレーキやアクセルオフによって徐々に減速してください。
ハンドルをしっかり握る
バーストした直後は車体が不安定になりますが、ハンドルをしっかり保持し、進行方向を保つように心がけましょう。片側のタイヤが破裂すると、車体は破損した側へ急激に逸れようとする強い力が働きます。腕に力を込め、車体が左右に振られないよう抑え込む意識でハンドルを固定しましょう。
徐々に路肩へ移動
車の速度が落ちてきたら、ハザードランプを点灯させて後続車に注意を促しつつ、路肩へゆっくりと停車します。バーストしたタイヤはホイールから外れかけている場合が多く、無理な進路変更はホイールへのダメージを広げるだけでなく、さらなる挙動の乱れを招きます。周囲の交通状況をミラーで冷静に確認し、後続車との距離を保ちながら、可能な限り広いスペースを確保して停車させてください。
安全確保と救援要請
停車後は、安全な場所で停車したことを確認し、後続車から見えやすい位置に停止表示板や発炎筒を設置します。その後、ロードサービスやJAF、警察に連絡します。バーストしたタイヤの交換は、不安定な路肩ですると事故の危険がともなうため、必ずプロに救助を依頼するようにしてください。
高速道路でのバーストは特に危険

バーストが最も危険なのは高速道路です。高速走行中は車体の挙動が急激に乱れ、ドライバーが冷静に操作をしないと大事故に繋がります。また、高速道路上での停止は二次災害のリスクもあるため、必ず以下のことを守りましょう。
- 無理にタイヤ交換をしない(本線や路肩での作業は危険)
- ガードレールの外や安全な場所に避難する
- 可能であれば非常電話から救援要請をする
タイヤがバーストしても慌てず、身の安全を最優先してから対応するのを忘れないでください。
まとめ
バーストは、正しい知識と日常的なメンテナンスで予防できます。特にタイヤの空気圧点検、適正な積載量、適切なタイヤ交換時期の把握が重要です。また、万が一バーストが起きた際にも、冷静に対応することで事故を最小限に抑えることが可能です。安全運転を続けるためにも、ぜひこの記事で学んだポイントを日々のカーライフに役立ててください。