最終更新日: 2026.10.17
一般社団法人日本RV協会(JRVA)は、2026年10月14日に茨城県と「災害時におけるキャンピングカーの提供に関する協定」を締結したと発表しました。災害が起きたとき、または起きるおそれがあるときに、協会がキャンピングカーを貸与し、県と連携して緊急対応にあたるための取り決めです。
寝る・休む・着替えるといった生活の機能をひとまとめに運べるのが、キャンピングカーの強み。旅の道具として親しまれてきたこのクルマが、地域の防災体制のなかでどんな役割を担うのか。協定の中身と、これまでの災害での活用事例をあわせて整理します。
この記事のポイント
- 日本RV協会と茨城県が2026年10月14日に災害協定を締結
- 災害の発生時だけでなく、発生のおそれがある段階も対象。協会がキャンピングカーを貸与する
- 提供台数や車種、貸与期間などは今回の発表では示されていない
日本RV協会と茨城県が結んだ協定の内容
日本RV協会の発表によると、協定の目的は、災害が発生した場合や発生するおそれがある場合に、協会と茨城県が相互に連携して円滑な災害緊急対応を行うこと。そのための手段として、協会がキャンピングカーを貸与します。協定の枠組みを図にまとめると、次のとおりです。
災害時におけるキャンピングカーの提供に関する協定2026年10月14日締結
茨城県災害対応にあたる自治体
⇄相互に連携
日本RV協会キャンピングカーを貸与
いつ災害が発生したとき、または発生するおそれがあるとき
なにを協会がキャンピングカーを貸与
なんのために円滑な災害緊急対応
提供台数・車種・貸与期間・配置先は、今回の発表には記載されていません。
日本RV協会の発表(2026年10月14日)をもとに編集部作成
「発生のおそれ」がある段階から連携の対象に
今回の協定は、被害が出た後だけでなく、災害が発生するおそれがある段階も対象に含めています。日本RV協会は、レジャーだけでなく災害時にも活用できるキャンピングカーを広めることで、復旧・復興支援に貢献していく考えを示しています。
台数や車種は今回の発表では示されていない
今回の発表には、提供台数・車種・貸与期間・配置先の記載はありません。
キャンピングカーが被災地で担ってきた役割
キャンピングカーを使った災害支援は、今回が初めてではありません。日本RV協会の災害対策のページでは、過去の活用事例が紹介されています。今回の協定とは別の、これまでの事例として見ていきましょう。
能登半島地震では応援職員の宿泊所として60台
2024年の能登半島地震では、石川県の珠洲市と輪島市へキャンピングカー60台を派遣。全国から応援に入った職員の宿泊所として使われました。協会によると、この活動をきっかけに、キャンピングカーは内閣府から「災害対応車両」として認められたといいます。
被災地では、宿泊施設そのものが被害を受けたり、避難者の受け入れで埋まったりすることも少なくありません。寝床と照明、電源を備えたクルマごと現地に入れることは、長期にわたる支援活動を続けるうえで心強い選択肢です。
東日本大震災では休憩・一時宿泊の場にも
東日本大震災では、NPOを通じて被災地を支援。現地スタッフの宿泊や休憩に使われたほか、自宅の復旧に時間がかかる被災者の一時的な宿泊場所としても利用されました。
| 事例 | 提供先・台数 | 主な使われ方 |
| 東日本大震災 | NPOを通じて支援(台数の記載なし) | スタッフの宿泊・休憩、被災者の一時宿泊 |
| 能登半島地震(2024年) | 珠洲市・輪島市へ60台 | 応援職員の宿泊所 |
| 茨城県との協定(2026年10月) | 今回の発表に記載なし | 災害時・災害のおそれがある場合の緊急対応 |
日本RV協会の発表・災害対策の紹介ページをもとに編集部作成。上2段は過去の支援事例で、今回の協定での提供内容ではありません。
防災訓練やハンドブックで「平時の備え」も
日本RV協会は、協定を結んだ自治体の防災訓練に参加し、有事の際のキャンピングカーの使い方を説明しています。また、車中泊避難に役立つ「くるまの防災ハンドブック」を住民に配布する啓発活動も行っています。ハンドブックは協会のウェブサイトからPDFでダウンロードできます。
キャンピングカーオーナーにとっても、車中泊避難の基本を知っておくことは無駄になりません。サブバッテリーの残量や水の積載量、換気の方法など、普段の旅で使っている装備を「もしも」の視点で見直すきっかけにしてみてください。
編集部の注目ポイント
注目したいのは、災害が「起きるおそれがある」段階から連携の対象にしている点です。協定を平時に結んでおくことは、災害時の連携を考えるうえで注目したい点です。
能登半島地震では、応援職員の宿泊所としての活用が大きな役割を果たしました。茨城県でも、平時から築かれた連携が災害時の備えとして生かされることが期待されます。
まとめ
日本RV協会と茨城県の協定により、災害への備えにキャンピングカーを活用する連携がまたひとつ加わりました。具体的な提供台数などはまだ示されていないものの、過去の災害で宿泊や休憩の場を支えてきた実績があります。旅のクルマが地域の防災にどう役立つのか、身近な自治体の取り組みとあわせて目を向けてみてはいかがでしょうか。
出典・参考
図解・表:編集部作成(日本RV協会の公表情報をもとに作成)
※記事内の情報は2026年10月15日時点のものです。