2026.08.03
ルーフテントは後悔する?|買う前に知るべき弱点と対策を解説
最終更新日: 2026.08.03
屋根の上で特別な車中泊体験ができるルーフテント。しかし、インターネットでは後悔の声を目にすることも少なくありません。
後悔の原因は駐車場の高さ制限や設営の手間など、いくつかのポイントに集中しています。決して安い買い物ではないだけに、マイナスの声を見て迷うのは自然なこと。ただ、原因が絞られているぶん、買う前に弱点を知っておけば多くの後悔は対策で防げます。
この記事では、後悔につながりやすい4つのポイントと失敗しない選び方を、家族や夫婦で長く楽しむための判断材料としてまとめました。
ルーフテントで後悔しやすい4つのポイント

SNSで見るルーフテントに憧れる一方で、「買って失敗したくない」気持ちから購入をためらっている方も多いでしょう。まずは高さ制限から、風の影響、設営の手間、燃費と屋根への負担まで、後悔の声が集まりやすいポイントを具体的に確認していきます。
立体駐車場に入れない高さ制限
後悔の声で特に目立つのが、駐車場に関するものです。装着後の全高は、車両にラックと収納時のテントを重ねた合計の高さで決まります。テントは畳んだ状態で20センチメートル台〜30センチメートルが目安。車体が1.8メートル〜1.9メートルある場合の車高は合計2.1メートルとなり、よく見かける「高さ制限2.1メートルの立体駐車場」には入れなくなります。
旅先のホテルで案内された駐車場が立体式で、平面の駐車場を求めて夜の街を走り回ることになりかねません。ショッピングモールでは屋内区画に入れず、離れた屋外の枠まで歩く場面もあります。装着したまま日常使いする限り、こうした場面は繰り返し起こるものです。
自宅の駐車場が機械式の場合は、そもそも入庫できない可能性もでてくるでしょう。都心部など駐車エリアが限られた場所で生活する方ほど、影響を強く感じる部分です。
風による揺れと走行への影響
地上より高い位置で寝るため、風の強い夜はテントの揺れを感じやすくなります。地面に張るテントと違って周囲に風を遮る物がなく、ダイレクトに影響を受けるからです。
走行中の影響も無視できません。屋根の上の箱が横風を受けやすく、高速道路では風切り音が大きくなります。重い物を屋根に載せることで重心が上がり、カーブでの車体の傾きも大きくなります。特に、ジムニーのような軽くて背の高い車では、この影響が特に出やすい点に注意が必要です。
設営と荷物の上げ下ろしの手間
「開くだけですぐ寝られる」というイメージを持っている方は注意が必要です。
布を折り畳むテント型では、カバーを外して本体を展開し、ラダー(はしご)を固定するまでが設営の一連の流れになります。シェル型であれば、短時間で開閉できる製品や、寝具を入れたまま畳める製品もありますが、テント内で使うポータブル電源などは、はしごを登って運ばなければなりません。
撤収はさらに手間がかかります。朝露で濡れた生地を拭き、空気を抜きながら畳み、カバーをかけ直すところまでが撤収です。雨の朝や連泊の移動日には、思いのほか負担になります。
燃費の悪化と屋根への負担
本体の重さは50〜80キログラム程度あり、載せたまま走ると燃費が悪化します。重さに加えて空気抵抗も増えるため、高速道路での影響も大きくなりがちです。
また、乗せっぱなしは屋根や取り付け部に負荷がかかり続けます。雨風や紫外線でカバーや固定部が傷むと、雨漏りや緩みの原因にもなりかねません。利用後に毎回降ろすことも選択肢の1つですが、手間に加えて「保管場所の確保」を考える必要がでてきます。
ルーフテントは車検に通る?積載ルールも確認

「屋根に大きな箱を載せて車検に通るのか」という疑問は、購入前に必ず出てくるところです。結論からいえば、ルーフテントは条件を満たせば車検に対応できます。
ポイントになるのが「指定部品」という区分です。ユーザーの好みで取り付けられる部品として国が扱うもので、説明書どおりにボルトで固定すれば、車の高さが変わっても構造変更の手続きはいりません。ルーフテントもこの扱いで案内されることが多いものの、部品の一覧にあるのは「キャンパー・シェル」で、ルーフテントの明記はありません。購入予定の製品が指定部品にあたるかは、運輸支局や自動車技術総合機構で確認しておくと確実です。手続きが不要な場合でも、装着した状態で保安基準を満たしていることが前提になります。
高さのルールも押さえておきましょう。車体そのものの高さは、道路運送車両の保安基準で3.8メートル以下と決められています。屋根の積載物として扱う場合は道路交通法施行令の制限がかかり、上限は一般の自動車で3.8メートル、軽自動車で2.5メートルです。ただ、実際に先に壁になるのは、こうした法規よりも前述した立体駐車場の2.1メートルのほうです。
実務面では、取り付けが緩んでいると車検時に指摘を受ける場合があります。増し締めなどの点検を習慣にし、車検の際は装着したままでよいか整備工場へ事前に伝えておくと安心です。制度の細部は見直されることもあるため、最新の内容は次の公的ページで確認できます。
後悔しないルーフテントの選び方
ルーフテントの注意点が問題ないのであれば、次は製品選びです。車との適合、タイプごとの違い、サイズという3つの視点で順に見ていきます。
車種との適合と耐荷重の確認
最初に確認したいのは、テント本体ではなく車側の基準です。走行中は、ラックとテント、載せる荷物の合計を、車両側の動的耐荷重(走行中に支えられる重さ)の範囲に収める必要があります。あわせて、テント側の静的耐荷重(停止中に支えられる重さ)と就寝人数を確認します。
この2つは安全面でも重要です。説明書か公式サイトの一次情報をもとに確認し、不明な場合はメーカーに問い合わせましょう。
なお、ジムニーなどの軽自動車は、SUVに比べて上限が小さい場合があります。車格に合わない大型モデルを選ぶと、取り付けできずに手放す失敗につながります。テントメーカーやキャリアメーカーが公開している適合情報は購入前に確認必須です。
シェル型とテント型の特徴比較
ルーフテントは大きくシェル型とテント型に分かれます。それぞれの特徴は次のとおりです。
| 項目 | シェル型 | テント型 |
|---|---|---|
| 展開・収納 | 短時間で完了しやすい | 手順が多く時間がかかりやすい |
| 居住空間 | 天井が低めでコンパクト | 広めで家族向き |
| 価格帯 | 高めの傾向 | 手頃な傾向 |
| 走行中の形状 | ボックス状で空気抵抗が少なめ | 折り畳み形状で製品差が大きい |


展開の手軽さを最優先するならシェル型、家族で過ごす広さを重視するならテント型が向いています。到着後すぐ寝たい車中泊が主体か、拠点を構えるキャンプが主体かで考えると迷いにくくなるでしょう。
使用人数に合ったサイズと製品の選び方
カタログの就寝定員は、あくまで横になれる最大人数です。大人2人と子供2人の家族なら、荷物の置き場所まで考えると、定員ぴったりでは窮屈に感じる場面が出てきます。ひと回り余裕を見るか、荷物は車内に残す前提で選ぶのがおすすめです。
また、極端に安い海外製品には、生地や防水処理の品質、交換部品の供給、購入後のサポートに不安が残る場合があります。長く使う道具のため、国内に販売窓口のある製品を選ぶと、購入後も相談しやすくなります。
地上に張るテントも含めた選び方の基本は、こちらの記事でも紹介しています。
ルーフテントを快適に使うコツ

ルーフテントを快適に使うためには、購入後のポイントも押さえておく必要があります。出発前の準備、冬の寒さ対策、使わない時期の保管という3つの場面ですぐ実践できる工夫を紹介します。
出発前の駐車場と経路の確認
高さ制限のトラブルは、出発前の下調べでほぼ避けられます。目的地だけでなく、立ち寄る飲食店やホテルについても、施設サイトや地図アプリで平面の駐車場があるかを確認しておきます。
経路上に高さ制限のあるガード下がないかも、あわせて確認しておきましょう。高さのトラブルは大きな事故につながる可能性もあるため、出発前の準備の1つと考えてください。
冬の寒さ対策は電気毛布とシュラフで
テント内の暖房は、火を使わない道具が基本です。ガスや灯油のストーブは、一酸化炭素による中毒や火災の危険があるため使えません。
現実的な組み合わせは、ポータブル電源と電気毛布、そして冬用シュラフ(寝袋)です。シュラフは対応温度の表記を確認し、想定より低い気温にも耐えられるものを選びます。床からの冷えには厚手のマットを敷くと効果的です。
使わない時期の保管方法
オフシーズンに降ろしておけば、燃費の悪化や屋根への負荷を抑えられます。悩ましいのは、50〜80キログラム程度ある本体をどう降ろし、どこに置くかです。
作業は必ず2人以上でおこないます。ガレージがあるなら、滑車や電動ウインチで天井に吊り上げる方法が定番です。吊り上げ装置の許容荷重がテントの重さを上回ることを確かめ、固定方法は装置とテントの説明書に従うのが安全です。車を真下に停められる配置にしておけば、シーズン初めの載せ直しも楽になります。床置きする場合は、直置きを避けてすのこや台の上に置き、湿気によるカバーの劣化を防ぎます。
まとめ|ルーフテントは後悔ポイントを知って選ぶ

目的地に着いたらすぐ、屋根の上の寝床でゆったり眠れるのがルーフテントの魅力です。
高さ制限や風の影響、設営の手間といった弱点も、事前に知っておけば十分に対策できます。選ぶときは車の耐荷重を確認したうえで、手軽さ重視ならシェル型、家族での広さ重視ならテント型を目安にすると迷いにくくなります。
まずは、よく使う駐車場の高さと自宅の保管場所を調べるところから始めましょう。
注意点を理解したうえで購入すれば、後悔する可能性は大きく減らせます。ルーフテントを手に入れたら、屋根の上ならではの特別な夜を楽しんでみてください。