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2025.08.18

車の冷房が効かない!原因と対策まとめ

最終更新日: 2025.08.18

猛暑の日、車に乗り込んだのに冷房が効かないと車内は一気にサウナ状態です。熱中症のリスクが高まり、運転への集中力も奪われかねません。

エアコンの冷えが悪くなる原因の多くは下記の3つです。

  • フィルターの詰まり
  • 冷媒ガス不足
  • 電気系統

もちろんその他の原因も考えられますが、温度設定や内気循環の切り替え、風量調整といった基本的なチェックをすれば、高確率で原因を絞り込めます。

本記事では、運転前に試せる簡単なチェックから、修理が必要なケースまで幅広く解説するため、車の冷房が効かないと感じる方は必見です。

まず確認!冷房が効かないときの基本チェック

専門業者に依頼する前に、自分で点検できる項目がいくつかあります。温度設定や風量、内気循環の切り替えなど、ちょっとした見落としが原因になることも少なくありません。

まずは慌てず、基本的な操作や車の状態を順にチェックしてみましょう。

設定やスイッチの確認(A/Cボタン、内気循環、風量)

冷えが悪いと感じたら、まず操作パネルをチェックしましょう。意外に単純な設定ミスが原因の場合もあります。温度は一番低く、風量は最大に設定してください。内気循環モードに切り替えると、車内の冷えが早まります。次にA/Cボタンがオンになっているかチェックしてください。オフだと送風になり冷えません。ランプが点灯していれば、冷房と除湿機能が作動しています。

3つを見直すだけで解決するケースもあります。

よくある原因と対策

基本チェックで改善しない場合は、エアコンの部品に不具合があるかもしれません。

ここからは、冷房が効かなくなる代表的な原因と、対処方法を紹介します。判断が難しいときや作業が複雑な場合は、迷わず整備工場に相談しましょう。

冷媒ガス不足・漏れ(補充・漏れ止め・配管修理)

エアコンが冷えないとき、最初に疑われるのが冷媒ガス(エアコンガス)の不足です。
冷媒ガスは気化するときに熱を奪い、冷風を作る役割があります。不足すると冷却サイクルが正常に回らず、エアコンの性能が落ちます。

本来ガスは、密閉回路を循環しているため自然に減りませんが、長年の使用で配管のOリングが劣化したり、コンプレッサーやコンデンサーから少しずつ漏れたりするケースもあります。

【おもな対処法と目安費用】

  • ガス補充
    もっとも手軽な方法で、ガソリンスタンドなどで対応でき、数千円〜10,000円以下で可能です。ただし再発する可能性もあります。
  • ガスクリーニング
    内部の水分や不純物を除去し、新しいガスとオイルを充填します。20,000円以下が目安です。
  • 漏れ止め剤
    軽微な漏れなら症状が改善する場合もあります。費用を抑えたいときは選択肢のひとつです。
  • 漏れ修理
    漏れ箇所を特定して修理します。Oリング交換は10,000円程度〜です。コンデンサーやエバポレーター交換になると10万円超になるケースもあります。

フィルター詰まり(交換・清掃)

風が弱い、カビやホコリのような臭いがする場合は、エアコンフィルターの詰まりが原因かもしれません。
フィルターは外気や車内の空気からホコリや花粉、排気ガスなどを取り除く役割がありますが、目詰まりすると風の通り道が狭くなり、送風量が低下します。ブロアファンが正常でも、冷えが悪くなるのです。

【対処法と費用目安】

新品に交換するのが基本です。1年または走行1万kmごとの交換を目安にしましょう。
フィルターは2,000円前後で、業者に依頼しても工賃込みで5,000円前後が目安です。
車種によっては自分でも交換可能なので、節約したい方は挑戦してみても良いかもしれません。

電気系トラブル(ヒューズ・リレー・センサー確認)

エアコンは多くの電子部品で制御されているため、電気系統の不具合でも冷房が効かなくなるケースがあります。

【おもなトラブルと対処の目安】

  • ヒューズ切れ
    過電流が流れると保護のためにヒューズが切れます。交換費用は数百円〜2,000円程度ですが、交換後すぐに再び切れる場合は別の故障が原因になっている可能性があります。
  • リレー故障
    コンプレッサーを作動させるスイッチとして機能します。部品代は約1,000円ですが、修理を依頼すると10,000〜20,000円ほどかかります。
  • 温度センサー故障
    車内温度を検知してエアコンを制御します。故障すると冷えない、あるいは冷えすぎるといった症状が出ます。交換費用の目安は10,000円前後です。
  • サーボモーター故障
    温風と冷風を混ぜ合わせ、設定温度の風を作り出します。異音や温度調節不能の原因となり、交換は10,000〜20,000円ほどかかります。

主要部品の故障(コンプレッサー・ブロアファンなど)

エアコンの主要部品が故障すると、修理費用は高額になる傾向があります。

  • コンプレッサー故障
    エンジンの力で冷媒ガスを圧縮し、高温・高圧にする役割を持っています。故障すると冷たい風が出なくなり、エンジンルームから異音がする時は注意が必要です。寿命は約10年で、リビルト品を使っても交換費用は60,000〜150,000円ほどかかります。
  • エバポレーター不調
    冷媒ガスを気化させて周囲の熱を奪う熱交換器です。汚れやカビの蓄積は異臭の原因になります。洗浄は6,000〜25,000円程度、凍結時のセンサー交換は約10,000円、重度の故障では交換費用が10万円前後になるケースも。
  • 配管の汚れや詰まり
    オイルファウリングや金属片の詰まりが冷却を妨げます。エアコンガスクリーニングと添加剤注入、または部品交換で対応可能です。配管交換は10,000〜70,000円程度かかります。
  • ブロアファンモーター故障
    車内に風を送る部品で、故障すると送風が止まるか異音が発生します。フィルター詰まりやエバポレーター汚れが原因で負荷がかかることもあり、修理は20,000〜40,000円程度です。
  • 暖房不調
    暖房はエンジンの排熱を利用します。サーモスタット故障(約10,000円)、冷却水不足(補充2,000円程度)、ラジエーター交換(20,000円〜80,000円程度)などが原因です。

DIYでできる簡単メンテナンス

専門的な知識や工具がなくても、自分で取り組めるメンテナンスがあります。費用を抑えながら愛車のコンディションを整えるために、ぜひ試してみてください。

  • フィルター交換
    エアコンフィルターは比較的簡単に交換できます。国産車の多くは助手席前のグローブボックス奥に設置されており、ボックスを取り外すだけで可能です。取扱説明書を見ながら作業すれば難しくありません。汚れが目立ったら交換しましょう。
  • ヒューズ・リレー点検
    ヒューズボックスの位置は取扱説明書で確認できます。蓋を開ければエアコン用のヒューズも特定でき、切れているかは目視で判断可能です。リレーも場所をチェックし、抜き差しすることで接触不良が改善する場合もあります。

まとめ

車のエアコンが冷えないときは、設定やスイッチの確認、車内の換気や遮光といった基本的な対策から始めましょう。単純な見落としや、車内温度の上昇が原因というケースもあります。

改善しない場合は主要部品の故障が考えられます。フィルター交換やヒューズ点検などは自分でも可能ですが、ガスの補充や漏れ箇所の特定、内部部品の交換は専門的な知識と工具が必要です。無理に作業せず、整備士に依頼する方が安全で確実です。

修理費用が高額になることもあるため、日頃からのメンテナンスでトラブルを防ぎましょう。中古車を購入する際は、故障に備えて保証へ加入しておくと安心です。

CAM-CAR | キャンカー編集部