2025.11.30
レクビィと神奈川県大和市が「災害時キャンピングカー貸与協定」を締結
最終更新日: 2025.11.30
能登半島地震以降、自治体と民間企業が連携した新たな防災の取り組みが注目されています。そうした中、キャンピングカービルダーである株式会社レクビィは、神奈川県大和市と「災害時におけるキャンピングカーの貸与に関する協定」を締結しました。
この協定により、災害発生時には市職員や応援自治体職員の移動・宿泊拠点として、キャンピングカーが無償で貸与される体制が整います。キャンピングカーがレジャー用途にとどまらず、地域防災を支える実働車両として正式に位置付けられた取り組みとして、大きな注目を集めています。
市と民間ビルダーが連携する「実働型防災モデル」

今回の協定は、単なる協力関係にとどまらず、実際の災害現場で即座に機能する“実働型”の防災モデルである点が大きな特徴です。
協定に基づき、レクビィが大和市内に構える直営拠点「レクビィ オスト・ベネヴェント」に常設されているキャンピングカーが、災害発生時には速やかに被災地へ貸与されます。
被災地では、職員や応援部隊の宿泊拠点や作業拠点の確保が大きな課題になります。避難所は被災者で満員になりやすく、上下水道や電力といったライフラインも不安定になりがちです。
その点、キャンピングカーは電源・空調・ベッド・水回り設備を備えた自立型の移動拠点として、場所を選ばずに使用できます。今回の協定は、こうした特性を防災体制の中に正式に組み込む取り組みです。
災害支援専用モデル「プロンテVVDR」が果たす役割

今回の貸与車両として想定されているのが、レクビィが開発した災害支援仕様のキャンピングカー「プロンテVVDR」です。
本車両は、一般的なレジャー仕様とは異なり、災害対応や支援活動に必要な機能を重視して設計されています。
単なる移動手段ではなく、「休む・作業する・待機する」という被災地活動に欠かせない役割を一台で担える車両です。
なぜ今、キャンピングカーが防災車両として注目されているのか

近年、地震・豪雨・台風などの自然災害が全国で相次ぎ、自治体だけで災害対応を完結させることが難しくなっています。その中で注目されているのが、民間設備を防災に活用する「官民連携」モデルです。
キャンピングカーは、
- 移動と宿泊を同時に確保できる
- 電源・空調・給排水を独立して運用できる
- 被災状況に応じて柔軟に配置を変えられる
といった特性を持っています。そのため、災害発生直後の初動対応から、中長期の復旧フェーズまで幅広く活用できます。
実際に、過去の大規模災害でも、キャンピングカーは支援スタッフの宿泊施設や臨時拠点として活躍してきました。
今回の大和市との協定は、そうした実績を制度として取り入れ、非常時に確実に使われる防災車両としての位置付けを明確にした点に大きな意義があります。
今回の協定が持つ社会的意義

今回に限らず、日本RV協会をはじめとしたキャンピングカービルダーが協定が持つ意味は、業界にとっても非常に大きなものです。
一つ目は、キャンピングカーがレジャー用品から「社会インフラの一部」へと評価の幅を広げた点です。自治体との正式な防災協定は、その公共性を示す分かりやすい事例となりました。
二つ目は、キャンピングカーの購入を検討しているユーザーにとって、「防災」という新たな価値基準が加わった点です。
アウトドアや旅行用途だけでなく、非常時の避難や生活拠点としても役立つという視点は、今後の購入動機にも大きく影響すると考えられます。
民間ビルダーと自治体が協定を結び、常設車両を防災に活用する動きが広がれば、地域の防災力そのものの底上げにつながります。
レジャーと防災を両立する“次世代モビリティ”へ

キャンピングカーは、
平常時には「旅やアウトドアを楽しむ移動空間」、非常時には「命と生活を守る生活拠点」
という二つの役割をあわせ持つ存在です。
こうした取り組みが広がることで、より実効性のある防災体制が全国に広がっていくことが期待されます。
まとめ|走る防災拠点が、地域の安心を支える時代へ
キャンピングカーは、単なる趣味の乗り物ではなく、日常と非常時の両方を支える「走る防災拠点」として、新たな役割を担い始めています。今回の取り組みは、その可能性を分かりやすく示した事例といえます。