CAMPINGCAR LIFE

2025.10.20

VANTECH新体制キックオフ——キーワードは「継承と進化」。酒井新社長が語った“王道であり孤高”なブランド戦略

最終更新日: 2025.10.20

1986年創業、国内最大級のキャンピングカーメーカーであるVANTECHが、新代表取締役社長の就任会見を10月15日に行いました。組織・ブランド・商品・販売のすべてを横断する方針が明かされ、キーフレーズ「継承と進化」のもとで「王道であり孤高」というブランド定義を再解釈しながら、現場起点での刷新を段階的に進めていくことが宣言されました。本記事では、当日のスピーチとQ&A、さらに酒井新社長へのインタビュー内容をCAM-CAR視点で整理し、バンテックの「これから」を読み解きます。

「会社の“現在地”」——数字で見るVANTECH

広報部長の露木氏

発表によれば、バンテックは1986年創業で今年39年目を迎え、グループ全体の従業員は約300名、製造は山形(第1・第2工場)とタイ(FRP成形・家具製造)の2拠点体制をとり、年間生産は約600台に到達しています。全国20拠点のうち直営店は6店舗に拡大しており、販売・中古・レンタカー・パーツ・アフターを一体で設計した「買ってからも続く安心」の提供を中核価値として位置づけています。年商は約66億円、グループの売上は約86億円と示され、堅実な成長の裏づけとして顧客からの信頼を挙げました。

「王道であり孤高」——VANTECHのブランド定義と方針

代表取締役社長の酒井 裕二郎氏

酒井社長が提示したVANTECHブランドの定義は「王道であり孤高」。ZiL/CORDEに代表されるように、「キャブコンと言えばVANTECH」のイメージを今もなおユーザーに認知されるような“王道”の強さを礎にしながら、VANTECHにしかできない“孤高”の価値を次世代にどう埋め込むか——ここに刷新の焦点が置かれます。

また、VANTECHはこのこのようなブランドイメージを持ちながら「ASTRARE」、「ちょいCam」のような2つの全く違ったブランドも展開しています。それぞれの役割や今後の展開について次のように話しています。

3ブランドの役割整理

  • VANTECH(既存):「王道であり孤高」。このイメージを継続しながら、次世代モデルへの継承と刷新が最重要課題。
  • ASTRALE(アストラーレ):2025年2月のジャパンキャンピングカーショーでデビュー。遊び心と新エッセンスを担う“チャレンジング”なブランドとしてキャンピングカー市場を超えた展開を目指していく。
  • ちょいCam:2026年の2月から本格的な展開を視野に、“未開拓のコンパクト領域”でブランド拡張を図る計画。既存仕様に“VANTECHカラー”を注入し、軽・小型層の需要を拡大していく。

「継承と進化」——VANTECHを更に進化させるためのキーワード

新体制が掲げる「7つの戦略」として「既存ブランドの育成」「新規製品の開拓」「営業手法の開発」「社員の育成」「組織改革」「中核ビジョンと成長戦略」「経営効率化」が挙げられました。

この戦略を進めるにあたり、酒井社長自身で、全国にあるVANTECHの店舗を回り、「まずは聞く」姿勢で現場の温度感と本音を吸い上げているとのことです。

「内部の把握と是正には約半年、外部から一目で“変わった”と感じられるプロダクト・ブランドのアウトプットにはおよそ3年かかるかもしれない。」——酒井社長はそう率直に語ります。短距離走ではなく中距離走として、「継承と進化」を積み上げる計画です。

最後に、酒井社長は「これからVANTECHの製品を持っている人が周りに自慢できるようなところまでブランドを進化させていきたいと思っている。目に見えて感じられるまでには少し時間がかかってしまうかもしれないが、気長にVANTECHの進化を楽しんで見守ってほしい。」と語りました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。キャンピングカー業界のトップ集団を走るVANTECHがこれからどのような進化を見せるのか、酒井社長の手腕とともに今後の展開が非常に楽しみです。

会社概要

会社名:VANTECH株式会社
所在地:〒359-0015 埼玉県所沢市日比田95-1
公式HP:https://www.vantech.jp/
公式YouTube:https://www.youtube.com/user/vantechTV

CAM-CAR | キャンカー編集部