2025.11.06
車のエアコンのぬるい風は自分で直せる?冷えないときの5つの原因と対処法
最終更新日: 2025.11.06
エアコンをつけたのにぬるい風しか出てこない、車内を暖めたいのに全然暖かくならない——そんな経験をした方も多いのではないでしょうか?
そんな状況下ではストレスはもちろんのこと健康への被害も心配されます。
エアコンが効かない原因は、部品の故障からちょっとした設定まで様々です。
この記事では、ぬるい風が出る主な原因と、自分でできる原因の調べ方・対処方法をわかりやすく解説します。
車のエアコンからぬるい風しか出ない5つの原因

エアコンからぬるい風しか出ない場合、エアコンのガス漏れをはじめ、いくつかの原因が疑われます。
ここでは、エアコンの風がぬるくなる代表的な原因を5つ紹介します
エアコンガスの不足・漏れ
エアコンの冷房機能は、冷媒ガス(エアコンガス)が循環して冷たい風を送る仕組みです。
このガスが不足したり漏れていたりすると、冷媒がうまく圧縮・膨張せず、ぬるい風しか出なくなります。
走行中の振動や長年の使用で配管から微量のガスが漏れるケースも多く、気付かないうちに冷却力が落ちていくのが特徴です。
ガス補充で改善するケースも多いですが、配管に痛みがある場合は修理が必要になります。
コンプレッサー(圧縮機)の故障
コンプレッサーは、エアコンガスを圧縮して冷却サイクルを生み出す重要な部品です。
この部品が動作不良を起こすと、エアコンの仕組みそのものが成り立たず、冷たい風が出ません。
原因としては、内部のモーターの焼き付きや電磁クラッチの故障が多く見られます。
特に長期間A/Cボタンを使わず放置すると、潤滑油が回らず故障しやすくなるため、定期的に作動させることも大切です。
フィルターやエバポレーターの汚れ
フィルターやエバポレーターが汚れていると、空気の流れが悪くなり冷却効果が大きく低下します。特に花粉やホコリが溜まったままのフィルターでは、風量が減ってぬるく感じることも。
また、エバポレーター(空気を冷やす部分)にカビや汚れがこびりつくと、冷たい空気が作られにくくなります。
定期的にフィルター交換などをすることが重要ですが、一時的な対応としてエバポレーターの洗浄スプレーを使うことで改善するケースもあります。
エアコン設定ミス・切り替え忘れ
意外に多いのが、設定やスイッチの操作ミスです。
「A/CボタンがOFF」「外気導入のまま」「温度設定が高い」といった状態では、正常でも冷えません。
特に内気循環モードを選ばず外気を取り込む設定にしていると、冷気がたまらず冷え切らない状態になります。
電装系・センサーのトラブル
エアコンの温度制御は、車内外の温度センサーや電子制御ユニット(ECU)が管理しています。
これらが誤作動すると、冷却指示がうまく伝わらず、コンプレッサーが正常に作動しません。
また、ヒューズの断線やリレーの故障も冷えない原因になります。
電気系統の問題は自力での修理が難しいため、異常を感じたら整備工場で点検してもらうのが安全です。
自分でできる応急処置と確認ポイント4つ
ぬるい風が出ると「修理しかない」と思いがちですが、原因によっては自分で対応できる場合もあります。
設定や汚れなど、ちょっとした原因で冷えが悪くなることもあるので、以下のポイントを順にチェックしてみましょう。
A/Cボタンと風量・温度設定は正しいか

冷たい風が出ないとき、最初に確認すべきはA/Cボタンの点灯状態です。
A/Cがオフのままでは、コンプレッサーが作動せず冷風は出ません。また、風量が弱すぎたり温度設定が高いと、体感的にぬるく感じることもあります。
ボタンが点灯しているか、風量が「中」以上になっているか、温度設定が低くなっているかを一度確かめてみましょう。
内気・外気モードの切り替えはおこなえているか

「内気循環」と「外気導入」の設定も冷え方に大きく関係します。内気循環にすると車内の空気を繰り返し冷やすため、効率的に温度が下がります。
一方、外気導入のままだと外の熱い空気を取り込み続けてしまい、ぬるい風が出やすくなります。
冷えが悪いと感じたら、まずは「内気循環」に切り替え、しばらく様子を見てみるのがおすすめです。
ヒューズの断線やフィルターの汚れはないか

エアコンがまったく効かない場合、ヒューズの断線が原因のこともあります。取扱説明書を確認し、エアコン用ヒューズの位置を特定して見てみましょう。
また、フィルターが汚れていると風量が低下し、冷却効果が落ちます。
フィルターはグローブボックスの奥にある場合が多く、工具不要で交換できる車もあります。
個人でおこなえる範囲の作業ですが、電気系統のミスは別のトラブルにつながる場合もあるため、不安な方はカーショップなどに相談するようにしましょう。
アイドリング時の冷え方はどうか

走行中は冷えるのに停車中はぬるい風になる場合、コンデンサーの冷却不足が考えられます。
アイドリング状態では風が通らず、エンジン熱で冷媒がうまく冷やされないことが原因です。この場合、走行風や電動ファンが冷却を補っているため、ファンモーターの不具合も疑われます。
エンジン停止後、電動ファンが回っていないようなら点検が必要です。
修理を依頼するならどこがいい?3つの選択肢と費用目安

エアコンの効きが悪い場合、原因によっては自分で対処するのが難しいこともあります。
そんなときは、専門の設備と知識を持つ業者に修理を依頼するのが確実です。
ここではディーラー、整備工場、カー用品店、それぞれの特徴と費用の目安をご紹介します。
ディーラーに依頼する場合
ディーラーは車種専用の整備設備と、メーカー認定の整備士がそろっているのが特徴です。
純正部品を使った修理が基本で、品質面や保証の安心感が大きなメリットといえます。
費用はやや高めですが、特に新車購入から数年以内であれば保証修理になることも。
A/Cボタンを押しても冷えない、コンプレッサーが動かないなどの不具合は、まずディーラーに相談するのがおすすめです。
整備工場に依頼する場合
コストを抑えたい場合は、街の整備工場が頼りになります。
ディーラーよりも柔軟な対応ができ、リビルト部品(再生部品)を使った修理など、予算に合わせて提案してもらえるのが強みです。
また、整備士と直接話しながら症状を伝えられるため、安心感もあります。
ただし、設備や技術レベルは工場ごとに差があるため、事前に口コミや実績を確認しておくとよいでしょう。
カー用品店に依頼する場合
オートバックスやイエローハットなどのカー用品店は、軽度なトラブルへの対応がおすすめ。エアコンガスの補充やフィルター交換、簡易的な漏れチェックなど、突発的なトラブルにも対応が可能で料金も手頃です。
ただし、コンプレッサー交換や電装系の故障など、複雑な修理は対応外になる場合があります。
「ぬるい風が出るけど走行中は多少冷える」程度なら、まずはカー用品店で点検してもらうのも一つの方法です。
主な修理内容と費用の目安

修理費は車種や故障の度合いによって変わりますが、軽度のガス補充なら1万円以下で済むことも多く、放置するよりも早めの点検が結果的に安くなるケースがほとんどです。
特に夏場は修理依頼が集中するため、気になる症状が出たら早めの予約を心がけましょう。
まとめ|まずは設定・汚れを確認し、早めの点検を

エアコンの風がぬるく感じたら、まずはA/Cボタンや風量、内気循環の設定を見直し、フィルターの汚れをチェックしてみましょう。
意外に、これだけで改善するケースも少なくありません。
それでも直らない場合は、ガス漏れやコンプレッサーの不具合など、専門的な修理が必要なこともあるので、プロへの早めの相談が賢明です。
近年の酷暑は快適性を損なうだけでなく、健康への危険もあります。
この記事を参考に日頃の点検と素早い対応を心がけていきましょう。