2025.08.04
キャンピングカーの税金はいくら?ナンバー別の違いと賢い選択方法

最終更新日: 2025.08.04
キャンピングカーの購入を考えたとき、税金がどのくらいかかるのか気になる方は多いのではないでしょうか。
維持費が高そうなイメージを持たれがちですが、実際には税金を抑えられるケースもあります。
そこで本記事では、キャンピングカーにかかる税金の種類や8ナンバーと呼ばれる特殊用途車両への登録が本当に税制面でお得なのか、メリット・デメリットや注意点をお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
※お住まいの地域によって違う場合もありますので、詳しくは各自治体にお問い合わせください。
キャンピングカーにかかる税金の基礎知識
キャンピングカーにも、一般の自動車と同じく税金や保険料がかかります。基本となるのは「自動車税」「自動車重量税」「自賠責保険料」の3つです。
費用と支払いタイミングを理解し、維持費の全体像をつかみましょう。
税金の種類と支払い時期
キャンピングカーにかかる税金や保険料は、おもに3つあります。それぞれの特徴と支払いタイミングを押さえておきましょう。
・自動車税・軽自動車税
毎年かかる地方税で、排気量によって金額が決まります。4月1日時点の所有者に納税義務があり、5月末までに支払います。
2019年10月以降に新車登録された車両は最大4,500円ほど減額されますが、登録から13年以上経過した車は増額される点に注意が必要です。
・自動車重量税
車両の重さに応じて課される国税です。新車購入時や車検時に次回車検までの分をまとめて納付します。
車種によって車検の間隔が異なり、例えば8ナンバーのキャンピングカーは2年ごと、貨物車は初回2年で以降1年ごとです。
・自賠責保険料
法律で義務付けられた「自動車損害賠償責任保険」です。自動車重量税と同じく、車検時に次回満了までの分を支払うのが一般的です。
税金の算出基準(排気量・重量・ナンバーによる違い)
キャンピングカーの税金は、「排気量」「重量」「ナンバー」の3つで決まります。基準を理解しておきましょう。
・自動車税・軽自動車税の基準
自動車税は排気量で決まりますが、キャンピングカーの多くが登録する「8ナンバー」は、同じ排気量の乗用車(3・5ナンバー)より税額が低めです。
例えば排気量1.5L超〜2.0L以下なら、乗用車(5ナンバー)は36,000円ですが、8ナンバーは28,800円となり、年間約7,200円の差があります。
・自動車重量税の基準
重量税は、乗用車(3・5ナンバー)が「車両重量」で決まるのに対し、8ナンバーや貨物車は「車両総重量」で算出されます。
例として、2.5tの車両では、乗用車は41,000円(2年)ですが、8ナンバーだと24,600円(2年)と大幅に抑えられます。
・自賠責保険料の基準
自賠責保険料も区分によって差があります。軽キャンピングカー(8ナンバー)は24ヶ月で11,290円と安めですが、普通車クラスでは19,980円となり、乗用車(17,650円)より高くなるケースに注意してください。
ナンバー別で変わるキャンピングカーの税金
キャンピングカーは、ベース車両や構造によって取得するナンバープレートが異なり、税金にも影響します。
ここでは、代表的なナンバーごとの特徴と違いを見ていきましょう。
3ナンバー・4ナンバー・8ナンバーなどの違い
キャンピングカーの税金や条件は、取得するナンバーによって異なります。特徴をチェックしておきましょう。
・8ナンバー(特殊用途自動車)
キャンピングカーの代名詞ともいえるナンバーで、警察車両や消防車など特殊な車両にも使われます。取得するには法律で定められた構造要件を満たさなければなりません。
8ナンバーのおもな構造要件(2022年4月改正後)
・水道設備:10L以上の給排水タンク付きシンク
・炊事設備:調理用コンロなど
・就寝設備:定員の3分の1以上が就寝可能なスペース
・室内高:設備の前で1,200mm以上(以前は1,600mm) など
2022年の要件緩和で、軽自動車や小型バンでも取得しやすくなっています。
・3ナンバー(普通乗用自動車)/ 5ナンバー(小型乗用自動車)
人を乗せることが目的の車両です。以下の基準を1つでも超えると3ナンバー、すべて下回れば5ナンバーに分類されます。
・全長4.7m
・全幅1.7m
・全高2.0m
・排気量2,000cc
税金は乗用車と同じ基準で、車検は2年ごと(新車は3年)です。
・1ナンバー(普通貨物自動車)/ 4ナンバー(小型貨物自動車)
荷物を運ぶことが目的の車両です。「乗車スペースより荷室が広い」ことが条件です。税金は安いものの、車検は毎年(新車は2年)実施のため、維持費が高くなるケースもあります。
キャンピングカーだからといって必ず8ナンバーにする必要はありません。なお、横向き座席は法改正により、8ナンバー車でしか認められていない点には注意が必要です。
8ナンバーのメリット・デメリットと注意点
8ナンバーは税金面で優遇される一方で、デメリットもあります。メリットとリスクを理解したうえで、自分のライフスタイルに合うかどうかが大切です。
8ナンバーのメリット(税金、設備、車検の柔軟性)
8ナンバーには、税制面だけでなく設備や使い勝手でも多くのメリットがあります。
・税金の安さ
自動車税・自動車重量税が同クラスの乗用車より低く、長期的に維持費を抑えられます。
・充実した車内設備
8ナンバーの要件を満たすため、シンクやコンロ、ベッドなどが備わり、快適に車中泊やアウトドアを楽しめます。
・車検期間と構造の柔軟性
貨物車は1年車検ですが、8ナンバーは乗用車と同じ2年ごとです。「横向きシート」も認められており、室内レイアウトの自由度が高いといえます。
・タイヤ選択の自由度
貨物車に義務付けられるLT(ライトトラック)タイヤではなく、乗用車用タイヤを装着できるため、乗り心地や燃費に合わせて選べます。
8ナンバーのデメリット(保険、初回車検など)
8ナンバーには税金面のメリットがある一方で、デメリットもあります。事前にチェックしておくと安心です。
・任意保険の選択肢と保険料
8ナンバーは「特殊用途自動車」としてリスク算定が難しく、加入を断られたり、保険料が割高になる場合があります。特にネット型保険では取り扱いがないケースもあるでしょう。
・初回車検までの期間
新車の場合、乗用車の初回車検は3年後ですが、8ナンバーは2年後に車検費用が発生する点に注意しましょう。
・整備費用が割高になる可能性
キャンピングカー特有の設備や架装は、一般の整備工場で対応できないケースもあります。そのため専門業者に依頼する必要があり、費用が高くなるケースも見られます。
8ナンバー化するかの判断基準
最終的にどのナンバーを選ぶかは、一概に決められません。あなたのライフスタイルや維持費を総合的に見て判断しましょう。
まとめ
キャンピングカーの税金は、排気量・重量・ナンバーによって決まります。なかでも8ナンバーは、特殊用途自動車として税制面で優遇され、乗用車より維持費を抑えやすいのがメリットです。
ただし、任意保険の加入や保険料で不利になる場合もあり、必ずしも最適とは限りません。バンコンや軽キャンパーなら貨物ナンバーの方が安いケースもあります。
迷ったときは、販売店など専門家に相談し、自分に合った1台を見つけてください。