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2025.10.19

保安基準適合標章は捨てても大丈夫?処分の注意点と間違って捨てた時の対応策

最終更新日: 2025.10.19

車検合格と同時にフロントガラスに貼られるのが「保安基準適合標章」です。

これは、正式な車検シール(検査標章)が届くまでのあいだ、車検に合格した車であることを示す仮の証明となります。数年に一度しか触れる機会が無いため、 有効期限が過ぎた後の扱いや、誤って捨てた場合の対応に迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、保安基準適合標章の役割や有効期限、正しい処理方法から再交付の手順まで、わかりやすく解説します。

保安基準適合標章の基本情報

保安基準適合標

保安基準適合標章(ほあんきじゅんてきごうひょうしょう)は、車検に合格したことを示す重要な証明書です。

ここでは、標章の意味や交付の仕組み、法律改正による変更点をわかりやすく解説します。

保安基準適合標章とは?|車検シールとの違い

保安基準適合標章とは、車検合格の直後に発行される仮の標章(仮シール)です。

正式な車検シール(検査標章)が届くまでの繋ぎの証明書となっており、これを掲示することで公道を走行できるようになります。

保安基準適合標章の有効期間は通常15日間。特別な事情がある場合には延長が認められることもありますが、車検シール到着後は速やかに貼り替えを行ってください。

なお、標章を貼らずに走行すると、たとえ車検に合格していても違反とみなされるおそれがあります。

車検シールが届くまでの短い期間でも、ルールに沿った対応を行いましょう。

交付の流れと貼付位置の変化|法律改正で何が変わった?

保安基準適合標章は、 ディーラーや整備工場で車検を受けた場合、検査完了後すぐにフロントガラスの内側へ貼り付けが行われます。 ユーザー車検の場合は、運輸支局での検査合格時に交付され、運転者自身で貼付を行う流れです。

車検シールが届いたら、保安基準適合標章を剥がして貼り替える流れとなりますが、2023年7月の道路運送車両法施行規則の改正により、貼付位置が変更されました。

保安基準適合標 貼り付け 位置

従来は「前方から見やすい位置(おおむね中央)」とされていましたが、現在は運転席側上部へ貼り付けるよう定められています。

これは、運転者が車内からも確認しやすく、外からも視認しやすい位置として見直されたものです。

誤って中央に貼り付けを行わないよう、正しい知識を持っておきましょう。

参考:自動車検査登録ポータルサイト

保安基準適合標章は捨てても大丈夫?

保安基準適合標 捨てる

保安基準適合標章は正式な車検シール(検査標章)貼り付け後、捨てて問題ありません。これは、車検シールの貼り付けにより、同じ内容の保安基準適合標章は不要になるためです。

むしろ、残しておくことで警察官等の誤解を生む可能性があるので、速やかな処分を心がけましょう。

なお、保安基準適合標章に個人情報は記載されていないため、家庭のごみ箱に捨てても問題ありません。心配な方は、ハサミなどで細かくしてから廃棄すると安心です。

保安基準適合標章を間違って捨てた場合のリスクと対処法

保安基準適合標章は、車検に合格した証として一時的に交付される仮のシールです。

正式な車検シールの到着後に処分するのが正しい手順ですが、「車検シールが来る前にうっかり捨ててしまった」場合はどうなるのでしょうか。

ここでは、誤って標章を捨ててしまったときの法的なリスクと正しい対応方法を解説します。

貼付していないと違反になる?法的なリスク

保安基準適合標章の掲示は法令で義務付けられていますので、紛失した場合、基本的に走行してはいけません。

掲示しない状態で警察に止められた場合、道路運送車両法第66条違反となり、道路運送車両法第109条に基づいて50万円以下の罰金となる可能性があります。

ネットやSNSの情報では「車検証を見せたら罰金にならなかった」という声もみられますが、紛失に気付いた時点で走行は控え、再交付の手続きを速やかに進めるのが正しい方法です。

再交付の可否と手続きの方法

保安基準適合標章を誤って捨ててしまった場合でも、再交付の申請ができます。

標章は陸運支局ではなく、車検を実施した指定整備事業者を通して交付されるため、紛失した場合は「車検を受けた事業者(ディーラー・整備工場など)」へ再発行の依頼をしてください。

再交付には、

  • 車検証
  • 運転免許証などの本人確認書類
  • 再発行手数料(数百円程度)

 が必要になります。

なお再発行には申請後数日かかることもあるため、あらかじめご注意ください。

保安基準適合標章に関するよくある質問

車検のたびに発行される保安基準適合標章ですが、意外と知られていないことや共通の困りごとがあります。

ここでは特に多くの方が感じる疑問を6つピックアップ。実際の運用や注意点とあわせてわかりやすく解説します。

保安基準適合標章の有効期限はどのくらい?

標章の有効期限は原則15日間です。正式な車検シールが届くまでの間に使用する「仮の証明書」の役割を持っています。

車検シール(正式な標章)が15日以内に届かない場合は?

郵送の遅延や事務処理の混雑等で遅れるケースがあります。15日経過した状態で運転を続けると車検切れと誤解されることがあるため、整備工場に連絡して再交付や期限延長の確認を行いましょう。

7日程度たって届かない場合は、一度配送状況の確認をしておくと安全です。

保安基準適合標章が破れたり汚れた場合はどうすればいい?

破損や汚損があると車検済みの確認ができないことがあります。

損傷の程度にもよりますが、安易に手を加えず車検を受けた事業者に相談するようにしてください

仮の標章(保安基準適合標章)で遠出しても大丈夫?

移動の制限はありませんので、国内の自由な移動が可能です。

ただし「旅先でトラブルが起きて、有効期間内が切れてしまった」などのケースでは、その後の対応に時間も手間もかかります。

急ぎの事情がなければ、正式な車検シールが届いた後の遠出が安心です。

他人に保安基準適合標章を見られるとまずい?

標章には車検の有効期限などの情報が記載されていますが、個人を特定できる内容は含まれていません。

そのため、家庭ごみとして処分してかまいませんが、心配な方は細かく破るなど手を加えると安心です。

まとめ|保安基準適合標章の正しい知識を持とう

保安基準適合標章は、正式な車検シールが届くまでの証明として重要な役割を持っています。車検シールが届き役割を終えた後は、誤解を招かないよう速やかに廃棄するのが正しい運用です。

保安基準適合標章に関して覚えておきたいポイントを、あらためて整理しました。

  • 有効期限は原則15日間。車検シールが届いたら破棄をする
  • 紛失・破損・届かない場合は速やかに整備工場へ連絡
  • 掲示しないで運転した場合、50万円以下の罰金になる可能性あり
  • 捨てるのは家庭の燃えるゴミでOK。個人情報保護が心配なら細かく切断を

これまで、保安基準適合標章について興味の薄かった方も多いのではないでしょうか。しかし、正しい知識を持つことで、トラブル時にも落ち着いて正しい対応ができるようになります。

あなたの周りで、これから車検を受ける方がいたら、大切な豆知識としてこの記事の内容を教えてあげてください。

CAM-CAR | キャンカー編集部