CAMPINGCAR LIFE

2023.07.07

【5年で激変】高評価のリチウムイオンバッテリーを導入して変わったこと

最終更新日: 2023.07.07

このたびキャンピングカーに、ついに長年憧れだったリチウムイオンバッテリーを搭載して1年が経過しました!リチウムを搭載してキャンピングカーライフが激変しただけでなく、なんと自分でも驚きの、意識も変化しました。

今回は注意喚起も含めて、リチウムイオンバッテリーについてご紹介します。

噂のリチウムイオンバッテリーを導入したら、キャンピングカー生活は激変!

評価が低かった、2017年のリチウム

ここ数年前から注目されているリチウムイオンバッテリー(以下「リチウム」)ですが、最初からキャンピングカー業界の評価が高かった訳ではありません。 少なくとも6年前はビルダーさんによって「リチウム最強」と唱える人もいれば「まだ様子を見た方がいい」とアドバイスくれる人もいて、面白いくらいに反応は両極端でした。 

ショーでのビルダーさんの反応の変化から、私たちもリチウムの変化を間近に見てきた気分でした。我が家がずっとリチウムイオンバッテリーに注目してきたのは、長期の旅暮らしなので、自炊や電気製品のことを加味し、電気の心配はしたくなかったからです。

しかし、現在はうって変わって、各社「リチウム推し」の時代になっていると感じています。 実際に展示会のブースでリチウムの質問をすると、比較的どのビルダーさんでも「リチウム」の単語をよく耳にします。 ただし、リチウムと一言で言っても、リン酸鉄系と三元系があり、どちらを採用しているかはビルダーによって異なります。

そして我が家も2022年、ついに鉛の交換に合わせてリチウムのサブバッテリーを導入しました! まだ丸1年しか使っていませんが、控えめにいって「リチウム最高」です。 たった1年ですが、私が声を大にしてお伝えできることは「リチウムで旅の選択肢が増えて、車中泊生活のストレスがグッと減る」です。 

※なお、この記事で使用しているリチウムは「リン酸鉄系リチウムイオンバッテリー」となります。

電気に苦手意識があっても大丈夫

正直、私には電気系統の話は難しくて100%は理解していません。
それでも家電を多く使う台所を守る身として、必要最低限、電気残量を「残量パネル」で把握しています。

こんな電気系統苦手な私ですが、キャンピングカー初心者のかた、これからリチウムを購入されるかたの参考になればと思いますので、表現を分かりやすくしてご紹介します。

購入当時、鉛バッテリーの説明を「鉛バッテリーの場合は残量パネル60%で、電池の残量はほぼ0%」と教えられました。
この説明が、私が電気に苦手意識をもった要因です。「60%なのに0%ってどういうこと?」と、謎すぎませんか?が、ここは一旦「そういうもの」と受け止めました。
サブバッテリーが鉛からリチウムに変わっても、車内で使う家電は変わりません。これを前提に、鉛は「残量パネル60%」になると、車内のほとんどの家電が使えなくなります。

しかし、リチウムの場合「残量パネル60%」でも、余裕で家電を使えます。なんならリチウムは残量7%まで稼働したため、リチウムの強さが分かります。
この部分だけ切り取っても、リチウムの最強さが伝わっていることと思います。

ここで実験してみました。お題は「外気温が同じ日に、同じ時間エアコンを稼働したら、残量何%になるか」です。
果、4時間稼働して鉛は48%まで稼働したところでサブバッテリーが落ち、リチウムは4時間で87%の残量となりました。つまり、リチウムは、あと80%分の電気量を使えます!すごいですよね!!

400Ahになって変わったこと

200Ahリチウムから400Ahリチウムへ変更して

この度、リチウム専門店のオンリースタイルさん協力のもと、リチウム200Ahから400Ahへ載せ替えて実験してみました。
すると生活様式の変化がとんでもないことになりました。結論からいうと「ストレス1/300」です。
(※あくまでも、毎日キャンピングカーで生活する私の主観です。)

それもそのはず、充電だけでいうと、鉛時代は2日に1回、リチウム200Ahでも2〜3日に1回は外部原電がある車旅を施設するか、目的地を越えて走って走行充電をしていました。
しかし400Ahになった今は、同じ使い方で5日間は外部充電の心配をしなくて大丈夫です。

ただし使用電源量は、車内で常に稼働している後付けの冷凍冷蔵庫やFFヒーターの稼働時間、設定温度にも左右されます。また、エアコンは外気温によって使用電力に差があるので、一概には言えないので、あくまでも参考にしてください。

我が家は自炊、リモートワークスタイルなので、家電とデバイスの充電をしまくります。
こんな生活スタイルなので「明日は急遽車旅施設に停泊して、満充電にしないと。だからここまで進むために、取材の時間を前倒ししないと。」というストレスがありました。

いまはこのストレスがないので、本当の意味で「時間に囚われず」生活できています。
サブバッテリーが変わって電気残量を気にしなくていいだけで、こんなに生活が変わるとは。正直導入前には予想していませんでした。

価値観の変化

キャンピングカー購入前は「サブバッテリーもソーラーパネル(ソーラー)もないとダメだ!」、鉛時代・リチウム200Ah時代は「追加でソーラーが欲しい」と常々考えていました。しかし、リチウム400Ahになってからは「どうせソーラーも劣化するだろうし、数年に一度の載せ替えを考えたら、要らなくない?」という考えに変わりました。

ただ、この考えは一概にソーラーを否定するものではありません。私たちは旅がお仕事なので、日常的に走行をするため、走行充電で充電ができます。週末にキャンピングカーでお出かけする人の場合は、平日の晴れ間を活用してソーラーで満充電にしておくのがよいでしょう。

これはソーラーに限ったことではありませんが、言って欲しくないのが「●●は高い」です。もし、あなたが「リチウムは高い」と言っているなら、それは勿体ないです。たとえば、ソーラーとリチウムを比べてメリットとデメリット、設置費用と交換頻度までを考えて「高い高くない」をトータルで判断してもらいたいと思います。そして「どれだけの頻度で使用するか」で実際に割って、計算してみてください。

初期投資にはどれも高いキャンピングカーのアイテムですが、1年に何回使うか、何年使う見込みか。ぜひ将来のビジョンまで考えてから導入を決めることで、購入後に「こんなハズじゃなかった」、「思っていたのと違う」という後悔がないようにしてもらいたいです。

三元系とリン酸鉄系の違い

さいごに、キャンピングカー乗りのライターとしての使命と思い、簡単にご紹介します。

一時期「キャンピングカーに搭載していたリチウムから発火した」という情報がSNSで出て、みなさん不安に思ったことと思います。リチウムと一言でいっても、実は8種類あります。

  • コバルト系リチウムイオン電池
  • ニッケル系リチウムイオン電池
  • NCA系リチウムイオン電池
  • マンガン系リチウムイオン電池
  • リン酸鉄系リチウムイオン電池
  • 三元系リチウムイオン電池
  • チタン酸系リチウムイオン電池
  • リチウムポリマー系リチウムイオン電池

キャンピングカーや車中泊、アウトドアを楽しむユーザーさんは耳にしたことがあるのは「三元系リチウムイオンバッテリー」と「リン酸鉄系リチウムイオンバッテリー」だと思います。

三元系はNMC(ニッケル・マンガン・コバルト)を正極に使用する電池で、コバルト系の安全性を高めることで、車載向けに改良されました。高エネルギー密度化されていながら発熱量が少なく、低温時の放電特性にも優れています。リン酸鉄系は熱暴走が起こりづらく、安全性が高いことが大きなメリットです。リチウムイオン電池化する製造コストは高い反面、エネルギー密度が低いのがメリットです。

キャンピングカービルダーさんは車両を作るプロですが、もし不安があるのなら、電気のことは電気のプロに聞くのも選択肢だと思います。

そして何事にも何物にも、メリットとデメリットはあります。容易に「なにが良くてなにが悪い」ではなく、特性を理解したうえで選択するのが消費者の私たちの一番の使命だと思います。スマホのポータブル充電器、アウトドアの場に持ち出しやすいポータブル電源など、コンパクトサイズの生活に密着しているアイテムは、世の中にたくさん溢れています。カバンの中に乱雑に充電器を入れていませんか?そのポタ電、キャンプ場で片手で持って落としたことはありませんか?

資料も公開されているので、もし少しでも思い当たることやリチウムの安全性に興味があるかたは以下リンクを参考にしてみてください。

東京消防庁:「リチウムイオン電池からの火災にご注意を」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-kouhouka/pdf/281222.pdf

リチウムイオン電池の安全性評価試験
https://www.ntsel.go.jp/Portals/0/resources/forum/2012files/pt_21.pdf

ガタガタGOGO【キャンピングカーライフ】

YouTubeやキャンプカーマガジンでおなじみのやまがた夫婦。
キャンピングカーに住んで日本一周を満喫中。
YouTubeチャンネルにて、キャンピングカーの魅力や日本一周の様子を発信中。

https://www.youtube.com/c/gatagataGOGO