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2026.08.17

青函トンネルは車で通れる?|北海道へ車と渡るフェリーの選び方

最終更新日: 2026.08.17

本州と北海道をつなぐ青函トンネル——ここを車で渡れるのか疑問に感じる方もいるのではないでしょうか?

2026年現在、新幹線は開通していますが、車で通ることはできず、海を渡るためにはフェリーの利用が必要です。

この記事では、青函トンネルの基本的な情報とフェリーで海を渡る上で知っておきたいことについて詳しくご紹介。さらに「将来的に車で通れるようになるとか」という疑問にもお答えします。

青函トンネルの基礎知識と車で通れない理由

北海道での車旅を楽しむために、本州から車で渡りたい方も少なくないでしょう。しかし、青函トンネルには車道や車が通るための設備が備わっていません。

ここでは、青函トンネルの基礎知識から車道が作れない理由について詳しく見ていきます。

全長約54キロメートルの海底鉄道トンネル

青函トンネルは、青森県と北海道を津軽海峡の海底でつないでいます。全長は約54キロメートル、うち約23キロメートルが海底部です。1988年に津軽海峡線として開業し、貨物列車や特急・寝台列車の通り道として使われてきました。

2016年には北海道新幹線が新青森〜新函館北斗間で開業。東京から約4時間で北海道に訪れることが可能になりました。

新幹線用につくられたトンネル設計

青函トンネルができた当初は在来線と貨物線の運航がメインでしたが、設計は新幹線の運航を前提に作られました。そのため、トンネルの断面は新幹線が上下線ですれ違える、幅は約9.7メートル、高さは約7.85メートルです。この大きさは、線路と架線の設置にくわえ、走行時の風圧を逃がす役割まで計算されて作られています。

線路脇の通路も保守作業をする人が歩くための幅しかなく、車道を作るほどの余裕は残っていないのが実態です。

換気と安全対策の問題

仮に青函トンネルに車道を通す場合、2つのクリアしなければならない問題があります。

一つは換気です。トンネルには、車からの排出ガスを換気する仕組みが欠かせません。換気にはジェットファンでの送風やダクトを使った空気循環の仕組みが用いられます。

しかし、海底にある約54キロメートルのトンネルに十分な換気機能を取り付ける場合、技術的にもコスト的にも非常にハードルが高いのが現実です。

もう一つは、災害時の安全確保です。海底部の中央付近で火災や事故が起きた場合、どちらの出口までも20キロメートル以上あります。脱出経路の確保や発生した有毒ガスへの対応は、設備的な対応も必要なため、すぐに対応できるものではありません。

こうした事情から、現在の青函トンネルに車用の道を作るのは難しいのです。

車と津軽海峡を渡る3つの航路

車を運転して津軽海峡を渡ることはできませんが、船ならば可能です。2026年7月時点で函館港に到着するカーフェリーの定期航路は3つあります。

ここではそれぞれの特徴や選ぶ際のポイントを見ていきましょう。

航路運航会社所要時間1日の往復数
青森港〜函館港津軽海峡フェリー約3時間40分6往復
青森港〜函館港青函フェリー約3時間50分8往復
大間港〜函館港津軽海峡フェリー約90分2往復(通常ダイヤ)

※2026年7月時点の通常ダイヤ。大間港〜函館港は夏期の特別ダイヤで往復数が増加します。

青森〜函館を1日6往復|津軽海峡フェリー

青森港は東北自動車道からアクセスがよい港です。高速道路を降りてから港まで近く、旅の計画にも組み込みやすい立地にあります。

青森港発着で船旅も楽しみたいなら、津軽海峡フェリーがおすすめ。豊富な船室の種類に加え、ドッグルームや売店、ゲームルームなど移動中も楽しめる設備が充実しています。

船室の選択肢も豊富なことから、船旅をゆったり楽しみたい方に向いています。

青森〜函館を1日8往復|青函フェリー

同じ青森港発着でコストを重視するなら青函フェリーの船がおすすめです。売店もなく、設備は最低限ですが、船を移動のためのツールと考えるのであれば申し分ないでしょう。

深夜・早朝便も含め1日8往復あるため、旅の選択肢が増えるのも見逃せないポイントです。

大間〜函館を90分|津軽海峡フェリー

下北半島の最北部にある大間港からも船で北海道に渡ることができます。

北海道との距離も近いため、乗船時間は約90分と他の船の半分以下です。ただし大間港は青森市内から車で約3時間と陸路が長くなります。

下北半島の観光から北海道を目指す場合や、船酔いが心配で乗船時間を短縮したい方に向いている選択肢といえるでしょう。

なお、便数やダイヤは季節や改正で変わるため、行程を固める前に公式サイトで最新の時刻表を確認してください。

船の航路に重要な天候のワンポイント

冬に渡るなら天候の確認も欠かせません。北西の風が強まる時期で、荒天による欠航や遅れが出ることもあります。筆者もカーフェリーを利用した際に、「陸地の天気はよいのに、荒波で欠航」という経験をしました。ホテルのキャンセルや日程の変更など、大慌てで対応した記憶が今でも残っています。

しかし、天候はどうすることもできないのもまた事実。 天候の荒れやすい時期は、日程に余裕を持っておくことにくわえ、港へ早めに到着をすることがおすすめです。早めに到着しておけば、万が一欠航になっても振替など別の選択肢を見つけられる可能性があります。

なので、時期的に荒れやすい冬などは特に「海上の天候」が注意すべき大きなポイントになります。

車をフェリーに積み込むときの料金目安

車をフェリーで運ぶ場合、大きさによって決められた料金が発生します。ここでは料金の仕組みと知っておきたい注意点を紹介します。

長さで決まる車の料金

車を船に積むための料金は自動車航送運賃と呼ばれ、運転者1名分の乗船料が含まれています。同乗者がいる場合は、人数分の乗船料が別途必要です。

区分の切り方は運航会社で違います。青函フェリーは全長だけで、4メートル未満・5メートル未満・6メートル未満の3区分です。

津軽海峡フェリーには軽自動車という独立した区分があり、車検証の自動車種別に「軽自動車」と記載された車だけが入ります。 実際の車でいえば、ハイエースのロングボディや、それをベースに架装したキャンピングカーは6メートル未満が多く、運転席の後ろに箱型の居住空間を載せたキャブコンは6メートルを超えることがあります。

表は片道・運転者1名分を含む金額の目安です。

車の区分青森港〜函館港(津軽海峡フェリー)青森港〜函館港(青函フェリー)大間港〜函館港(津軽海峡フェリー)
軽自動車17,900〜23,770円17,200〜21,100円13,650〜18,050円
4メートル未満の普通車21,260〜28,600円17,200〜21,100円17,000〜22,870円
5メートル未満21,260〜28,600円19,100〜23,100円17,000〜22,870円
6メートル未満21,260〜28,600円20,700〜25,300円17,000〜22,870円
6メートル以上7メートル未満公式サイトの一覧で確認公式サイトの一覧で確認37,540円
7メートル以上8メートル未満公式サイトの一覧で確認公式サイトの一覧で確認42,480円

※2026年4月1日改定・2026年7月時点の片道運賃。大間港〜函館港の6メートル以上は、2026年7月18日〜9月30日に適用される調整金込みの金額です。8メートル以上の区分は公式サイトの一覧で確認できます。

6メートル以上にかかる追加料金

全長が6メートル以上になると、基本の運賃とは別枠の加算が出てきます。燃料価格に連動して上下する追加料金で、燃料油価格変動調整金といいます。基準より燃料が高い期間に、期ごとの率で上乗せされる仕組みです。

津軽海峡フェリーの加算率は、2026年7月18日〜9月30日が基本運賃の32パーセント。対象は全航路の6メートル以上の車で、6メートル未満なら基本運賃だけで乗れます。

大間港〜函館港の6メートル以上7メートル未満なら、この期間の支払額は基本運賃28,440円に調整金9,100円を加えた37,540円です。

青函フェリーも6メートル以上の車に同じ仕組みの調整金があり、2026年7〜9月期の加算率は32パーセントです。

繁忙期と閑散期で変わる料金

同じ車で同じ航路でも、出発する時期で金額は異なります。津軽海峡フェリーは1年をA・B・Cの3期間に分けており、利用者が増える夏休み時期が最も高い設定です。 青函フェリーは6〜9月を繁忙期、10〜5月を通常期とする2区分になっています。

金額はいずれも2026年7月時点のものです。運賃は改定される場合があるため、申し込み前に公式サイトで最新の金額を確認してください。

大きい車・キャンピングカーで乗船する前の注意点

車が大きくなるほど、予約から乗船までの段取りは変わってきます。申し込み方法と、事前に測る寸法の2点を押さえると当日の流れが読めます。

6メートル以上の車とけん引車の予約・受付

津軽海峡フェリーでキャンピングカーをインターネット予約できるのは、全長6メートル未満で、けん引部分のない自走式に限られます。6メートル以上の車と、キャンピングトレーラーをけん引する場合は電話での申し込みです。

電話で伝えるのは、車の全長・全幅・全高とけん引の有無です。繁忙期の枠は早い時期に埋まるため、夏休みや連休に大きい車で渡るなら、宿泊先の予約などと並行して進めていくのが間違いありません。

大きい車は乗車時に時間がかかる場合もあるため、早めの到着を心がけましょう。

乗船前に測っておきたい長さと高さ

申告した寸法と実際がずれると、当日に差額を求められたり、積み込みを断られたりすることがあります。

車検証の数値と後付け装備の実測値をもとに、以下の4点を確認しておきましょう。

  • 全長:車検証の記載値+リアキャリア・はしご・自転車などの張り出し分
  • 全高:ルーフボックス・アンテナ・ソーラーパネルを含め、地面から最も高い位置
  • 全幅:ドアミラーやオーニングの張り出しを含めた最大幅
  • けん引の有無:トレーラーを連結したときの全長

トラブル防止のためのポイント|愛車をよく知っておく

筆者もハイエースのカスタムをしていますが、後付けパーツのなかには「カタログ値と実測値が大きく違う」ものも少なくありません。 現地でのトラブルを減らすためにも、手間を惜しまずメジャーなどで取り付け後の実測値を測っておくことが重要です。

なお、船と岸をつなぐ渡り板には傾斜があり、角度の変わる地点で車の前後が接地しやすくなります。車高を下げている車などは、高さの調整やエアロパーツを事前に外しておくとよいでしょう。

船を降りてからの長旅に備え、出発前に全体を点検しておくとより安心です。

現地での旅がスムーズに進むようにしましょう!

第二青函トンネル構想と自動運転車専用道路

車で北海道へ渡れる海底トンネルをつくる構想は、以前から議論されています。

日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の津軽海峡トンネルプロジェクトでは、上を道路、下を貨物列車の線路とする2層トンネルをもう1本掘るアイデアが示されています。

上層の道路は自動運転車専用道路がメインで構想されており、自動運転に対応していない車は自動運転のパレット台車に載せて運ぶ案です。

実現に向けて、青函トンネルの本州側入り口にあたる今別町は、地元の機運を高める推進会議を設けました。こうした動きは第二青函トンネルの実現を後押しするもので、どの構想を採るかも含め、盛り上がっています。

実現性はまだ読めない段階ではありますが、自分の運転で北海道へ渡る楽しみがいつか現実のものになるかもしれません。

まとめ:愛車と一緒に北海道を楽しもう

青函トンネルは青森県と北海道を約54キロメートルの道でつないでいます。しかし、列車専用で設計されており、現在は貨物列車と新幹線のみが通るトンネルです。

車ごと渡る手段は船で、函館港へ向かう3航路が中心になります。

選び分けの基本は出発地と行程、船での過ごし方です。本州での旅の工程や函館到着後のスケジュールなどに合わせて、楽しみながら選ぶとよいでしょう。

なお、料金は車のサイズによって異なります。事前の料金確認はもちろんのこと、愛車の正確なサイズも測っておくことも欠かせません。

たくさんの車旅をしてきた筆者も、フェリーから見る夕焼けは特別な体験として残っています。いつか、自分の運転で北海道に渡れる日を楽しみに待ちつつ、今できる旅の形を最大限に楽しんでください。

souharu

キャンピングカーを所有者し、豊富なビジネス経験をベースに、年間100本以上執筆。
法律・ビジネス・AI・車・介護など幅広いジャンルに精通している敏腕ライター。

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