2025.12.26
車の一年点検は必要?車検との違いと受けない場合の影響
最終更新日: 2025.12.25
車の一年点検は、車検とは別に行われる定期点検のひとつです。
ただ、「車検があるなら一年点検は不要では?」「受けなかったら何か問題があるの?」と疑問に感じている人も多いでしょう。
一年点検は法定点検に含まれる一方で、受けなくてもただちに罰則があるわけではありません。そのため、必要性や受けるべきかどうかの判断が分かりにくい点検でもあります。
この記事では、一年点検と車検の違いを整理したうえで、受けなかった場合に考えられる影響や、点検内容・費用の目安を分かりやすく解説します。
車の一年点検とは何か?|車検との違いは

車の一年点検は、正式には「12ヵ月定期点検整備」と呼ばれる点検です。
車検とは別に車の状態を確認することを目的としており、安全性のチェックや不具合の早期発見に重きが置かれています。
一年点検は、法律で定められた「法定点検」のひとつですが、車検のように受けなければ運転できなくなる制度ではありません。前回の点検や車検からおおむね1年を目安に行われ、結果として車検と交互に実施されるケースが多い点検です。
半年点検と比べると確認項目は多く、ブレーキまわりなど重要な部位も点検対象になります。
受けなくても直ちに運転できなくなるわけではありませんが、安全に走り続けるための定期点検と考えると理解しやすいでしょう。
一年点検はいつ受ける?流れと内容をまとめて確認

一年点検について調べると「いつ受ければよいのか」「どこで受けられるのか」「実際に何を点検するのか」といった疑問が次々に出てきます。
点検の案内が届いても、流れが分からないままでは判断しづらいものです。
ここでは、一年点検を受けられる時期や期間の考え方から、申し込み方法、点検内容、不具合が見つかった場合の対応までを一連の流れとしてご紹介します。
全体像を把握しておくことで、一年点検を受けるかどうか、どこで受けるかを判断しやすくなるはずです。
一年点検を受けるタイミング
一年点検は、前回の点検や車検からおおむね1年を目安に受ける点検です。
新車の場合は、初回登録から1年ほど経ったタイミングで、ディーラーなどから案内が届くケースも多く、それを基準に考えて問題ありません。
実施時期は厳密に決められているわけではなく、多少前後しても直ちに問題になることはありません。
ただし、時期が大きくずれてしまうと、半年点検や次回の車検と間隔が近くなり、一年点検としての意味が薄れてしまいます。
そのため、購入時や前回の点検・車検から11〜13ヵ月前後を目安に受けると、点検の効果を活かしやすいでしょう。
点検が受けられる場所と申し込みの流れ
一年点検は、購入したディーラーだけでなく、整備工場やカー用品店、ガソリンスタンドなどでも受けることができます。
受ける場所の決まりはないため、立地や費用、付き合いのある店舗を基準に選んで問題ありません。
申し込みの流れはシンプルで、電話やWeb予約で点検日を決めるのが一般的。ディーラーから案内が届いた場合は、そのまま案内に沿って予約すればスムーズに進みます。
ディーラー以外を利用する場合も「一年点検(12ヵ月点検)を受けたい」と伝えればスムーズに進められるでしょう。
点検は大きな整備が無ければ、数時間から半日で完了しますが、代車を希望する場合は事前に相談をしておくと確実です。
一年点検の主な確認項目
一年点検では、日常点検では見落としやすい部分を中心に、次のような項目が確認されます。
主なチェック項目の例
- ブレーキ装置(ブレーキパッドの摩耗、ブレーキの利き具合)
- ハンドル・足まわり(がたつき、異音の有無)
- エンジンルーム内(ベルト類の劣化、オイル漏れの有無)
- バッテリーの状態
- 冷却水・エンジンオイルなど各種液量
- タイヤの摩耗や空気圧
- 灯火類(ヘッドライト、ウインカーなど)の点灯状態
これらは、表面の見た目だけでは判断しにくい項目が多く、リフトアップや分解をともなって確認をおこなうのが一年点検の特徴です。
車検ほど細かな検査はおこないませんが「このまま安心して乗り続けられるか」を判断するには十分な内容といえるでしょう。
不具合が見つかった場合の対応と判断目安
一年点検で不具合や消耗が見つかった場合でも、その場ですぐに修理が必要になるとは限りません。
多くの場合は、現状の説明を受けたうえで、依頼者が判断する流れになります。
例えば、ブレーキパッドやベルト類などの消耗部品は、「すぐに交換が必要な状態」なのか「次の点検まで様子を見られる状態」なのかを分けて説明されるのが一般的です。
その場で作業を勧められることもありますが、費用や修理内容に不安がある場合は、見積もりだけ受け取って持ち帰ることもできます。
ただし、点検とあわせて修理をおこなったほうが工賃が安くなるケースも少なくありません。あらかじめ「この程度の費用までならその場で対応する」といった目安を決めておくと、点検時の判断がしやすくなります。
一年点検はどこで受けるか|費用と特徴の整理

一年点検は、受ける場所によって費用や対応のしかたに違いがあります。
「ディーラーが無難なのか」「安い店でも問題ないのか」と迷いやすい点検ですが、どれが正解というよりも、自分の考え方に合った選択をすることが大切です。
まずは、受けられる場所ごとの費用感や特徴を整理してみましょう。

※地域、車種によっても変動あり
ディーラーは費用が高めになる傾向がありますが、点検内容が分かりやすく、保証との関係も把握しやすい点がメリットです。
カー用品店は全国チェーンが多く、価格も明確。立地も比較的よいので、安く手軽に点検を済ませたい人には非常に魅力的な選択肢です。
なお、整備工場は親身に対応してくれる場所が多い一方で、品質の悪い工場などもあります。知人からの情報やインターネットの口コミなどを参考にして選ぶのが安心です。
価格だけでなく、どこまで見てもらいたいのか、今後も同じ店で整備を任せたいのかといった点を踏まえて選ぶと、納得感のある判断につながります。
まとめ|一年点検は安全・安心のための中継地点

車の一年点検は、車検のような強制力はないものの、車の状態を把握するための重要な節目です。受ける時期や場所にはある程度の幅があり、費用や点検内容も選択肢によって異なります。
とはいえ、一年点検の価値は「義務かどうか」では測れません。
日常点検では見えにくい部分を定期的に確認しておくことで、トラブルの予兆に早く気付ける可能性があります。
結果的に、大きな故障や余計な出費を防ぐことにつながるケースも少なくありません。
走行距離や使い方、今後どれくらいその車に乗り続けるのかを踏まえたうえで、一年点検を「安全・安心のための中継地点」として取り入れておく。
その意識を持っておくだけでも、車との付き合い方は変わってきます。