CAMPINGCAR LIFE

2024.09.10

キャンピングカーショーで孤高のソロキャンパーを探す

最終更新日: 2024.10.11

誰と一緒にキャンピングカーを使いますか?家族、夫婦、その使い方に合わせて、様々なキャンピングカーがあります。もちろん、ソロで使うのもありです。

「ひとりは寂しい!」なんてことはありません。自由気ままに行動できる、キャンピングカーらしさを満喫できるのは、もしかしたらソロがぴったりかもしれません。

キャンピングカービルダーのなかには、ソロユースにターゲットを絞ったモデルを製造しているところもあります。

そこで、ソロで使ってみたいキャンピングカーを7月に開催された東京キャンピングカーショー2024の会場でピックアップしてみました。定番モデルから憧れのスタイルまで、いろいろなバリエーションをお楽しみください。

リンエイ
コンパクトバカンチェス ひとり旅
431万5300円〜

撮影:渡辺圭史

その名も「ひとり旅」というモデルがリンエイにあります。ソロユースをいち早く提案して、モデル化していた老舗といっていいでしょう。スペック表を見ると就寝定員は1名。割り切ったレイアウトで、ひとり旅仕様の本気度を感じます。

展示されていたモデルはベース車両がNV200。ミニバンライクなスタイルで運転しやすいのが特徴です。外観からはキャンピングカーであることが分からないので、気軽に旅をするにはちょうどいいかもしれません。

大きなサイドキャビネットが設置されていて、その対面にベンチがレイアウトされています。ベンチ部分がベッドになり、大人1人がゆったりと過ごすには十分のスペースが確保されています。冷蔵庫、電子レンジ、インバーター、カーテンが標準装備されていて、すぐに旅に出かけることができます。

天板や曲がっている支柱が回転するので、いろいろな場所でテーブルが利用ができるように工夫されています。助手席を倒して、完全に一人で使うレイアウトにしたり、ちょっとテレビを観るためにくつろいだり、ぜいたくなひとり旅をサポートしてくれます。

MDF EQUIPMENT
OUTLANDER PHEV23型 E:POP
627万1100円〜

なるべく普通車のようなクルマに乗りたい、という人も多いはず。この三菱のアウトランダーPHEVであれば、アウトドアテイストあふれるSUVで、アクティブなソロにはぴったり。力強いフロントマスクは、キャンピングカーとしては珍しいスタイルです。

そのルーフ部分に取り付けられたのがポップアップテント。エクステリアデザインのシルエットを崩すことのない、シャープな印象のデザインフィニッシュが目を引きます。フロント側に取り付けられた、LEDライトもハードな印象を高めてくれます。

室内にはオプションのベッドマットが敷き詰められていました。ポップアップテントもありますが、車体の室内で十分に就寝できるスペースが広がっています。テントを組み合わせることで就寝定員は4名。このスペースを一人で使うのはぜいたくですね。

PHEVなので車内にACコンセントがあります。その電源コンセントに電子レンジなどの家電を接続して、いつでもどこでも調理が可能になっています。ちょっとした休憩などで、コーヒーが飲めたり、温かい食事が摂れるのはありがたいです。

岡モータース
ミニチュアクルーズ オリーブ
231万1500円〜

軽キャンピングカーもソロにはちょうどいいサイズ。最近では女性のソロユースも増えているようで、そんなソロ女子キャンパーに人気なのが軽キャンピングカーです。運転しやすいサイズに加えて、鍵があることで安心感が高まる、とテントキャンプから乗り換える人もいるそうです。

岡モータースのミニチュアクルーズはいろいろなシリーズがあって、使う人の趣味や趣向に合わせたセレクトができるのが特徴的なラインアップです。このオリーブは柔らかい優しいカラーリングが特徴のパッケージで、女性にも人気のモデルです。

室内はシンプルですが、室内空間を広く確保しながらも、シャワーなどの設備もしっかりと搭載しています。全体的に落ち着いた雰囲気が漂っていて、車内に入るとリラックスできる空気感に包み込まれます。

床下はラゲッジスペースとして利用できて、たくさんの荷物を積み込むことが可能。フロント側のベッドマットが迫り上がって、リクライニングベンチのようなセッティングも可能です。また、排水タンクが車外に取り付けられていて、排水処理も簡単など、機能性も満載です。

インディアナRV
Indiana300L
300万3000円〜

ソロでキャンピングトレーラーを利用するのもいいでしょう。このモデルはけん引免許がいらないので、ヒッチメンバーが付いているクルマであれば、誰でも利用できるキャンピングトレーラーです。いつも使っている仕事車にトレーラーをつなげて、旅に出かけることができるのです。

全長は4.5mなので、一般的な駐車場に余裕で停められます。トレーラーは保管場所を心配する人も多いのですが、このサイズであれば問題ありません。トレーラー用の月極駐車場を借りて、普段使いのクルマは自宅のガレージに、というスタイルでOKです。

キャンピングトレーラーは動力となる機関がないので、室内は広々としています。そのおかげで、しっかりとキャンピングカーとしての設備を装備しているのが特徴です。このモデルも広々としたリビング以外に、キッチン、マルチルームまであります。

クーラーを取り付けることも可能で、旅に行かなくても、ちょっとしたプライベートスペースとして利用できます。まさにソロにはぴったり。趣味の部屋や仕事部屋が欲しい、という人にもキャンピングトレーラーはおすすめです。

HYMER
ERIBA Touring 310 Tango Red
669万9000円

コンパクトなキャンピングトレーラーをもう一台紹介します。こちらはヨーロッパの高級キャンピングカーブランド「ハイマー」のエリバツーリング310です。全長約5mのサイズでコンパクトなのですが、重量が約830kgあるので、けん引免許が必要です。

それでも、このスタイルに憧れてオーナーとなる事を夢見る人は多いようです。このクラシカルなデザインは、発売当初のスタイリングを継承していて、ビンテージスタイルとしても世界中にファンがいます。こんなモデルをソロで使えたら最高です。

ルーフがポップアップすることで、車内が一気に広くなります。立ち上がったルーフ部分にはメッシュスクリーンが取り付けられていて、シェードを開けることで、室内を明るく照らしてくれます。

インテリアの家具は、最高級ブランドのハイマーらしく、上質な質感を味わえます。エクステリアのビンテージなスタイリングとは違って、車内はモダンな雰囲気。最新のヨーロピアンスタイルのキャンピングカーを楽しむことができるのです。

ホワイトハウス
JIMNYポップアップルーフ仕様
参考展示

最後はこちらのジムニーです。ソロで行動する人のなかには、ソロキャンプを楽しむ人もいることでしょう。そんな趣向の方にぴったりなのが、このジムニーポップアップルーフ仕様。

ベースとなっているのはジムニーの5ドアモデル。まだ、国内では販売されていないモデルですが、バランスのとれたスタイリングからは、その高い走破性が想像できます。荒野を進んで、誰もいない場所でキャンプ。そんなスタイルに憧れてしまいます。

ホワイトハウスでは数々のポップアップを製造してきました。その最新技術を投入して開発されたのが今回のモデル。なんと、電動でポップアップする仕様でした。テント部分の開き方にも特徴があり、テントの低い側もポップアップして、スペースを広げているのが分かります。

閉じた状態での全高は1880㎜。このサイズであれば、高さを気にすることなく、いろいろな場所へ行くことができます。立ち上げたテントは1190㎜の高さがあるので、車内で立ち上がることも可能です。テントレスの最小限装備でアウトドアを楽しむ、新しいキャンプスタイルがソロユーザーにはぴったりなのではないでしょうか。

今回はソロキャンパーにぴったりのモデルを集めてみました。ソロで使える機能性はもちろんのこと、そのこだわりのスタイリングも満足させてくれるモデルがたくさんありました。みなさんも、ソロキャンパーに挑戦したくなったのではないでしょうか。

渡辺圭史

1971年生まれ。アウトドアメーカー、クルマ系出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。その後、フリーランスとなり、アウトドア、クルマ系の媒体で執筆。日々のカーライフを@keishi1971で発信中。