2026.10.05
インフレーターマットの選び方|キャンプ・車中泊におすすめのタイプを解説

最終更新日: 2026.10.03
監修:渡辺圭史(編集者・アウトドアライター)
キャンプや車中泊では、地面やシートの凹凸、底冷えが睡眠を妨げることがあります。寝心地を整えたい人に適しているのが、クッション性と断熱性を兼ね備えたインフレーターマットです。
バルブを開けると内部のウレタンフォームが空気を取り込み、自動で膨らむタイプもあり、設営にも手間がかかりません。この記事では、使用シーンに合った厚さやサイズの選び方、キャンプ・車中泊におすすめのタイプ、使い方と手入れの方法を紹介します。
インフレーターマットのメリット

インフレーターマットは、寝心地と断熱性を確保しながら、収納時には空気を抜いてコンパクトにできるアウトドア用マットです。
| マットの種類 | クッション性 | 断熱性 | 収納サイズ | 設営の手間 |
| インフレーターマット | 非常に高い | 非常に高い | 普通 | 少ない |
| ウレタンマット | 普通 | 普通 | 大きい | なし |
| エアーマット | 高い | 低い | 小さい | 多い |
| 銀マット | 低い | 普通 | 大きい | なし |
バルブを開けるだけで自動的に膨らむ
インフレーターマットは、内部にウレタンフォームが入っていて、圧縮された状態で保管されます。使用時はバルブを開けるだけで、内部のウレタンフォームが膨らみます。
自然に膨らませたあと、必要に応じて空気を加えれば、好みの硬さに調整できるのもポイント。息を吹き込むことによって、内部に湿気が入るのを抑えたい場合は、ポンプなどを利用します。
ウレタンと空気層が凹凸や冷気を抑える
内部のウレタンフォームが身体を支え、地面や車内の凹凸を吸収します。さらに、ウレタンと空気層が地面から伝わる冷気を遮るため、底冷えや遮熱対策にも有効です。
断熱性能を比較する際は、R値というものを確認します。底冷えの厳しい冬季に使用するのであれば、R値の高いモデルが向いています。
空気を抜けばコンパクトに収納できる
使用後は空気を抜き、丸めて収納できます。厚みのあるモデルでも車に積みやすく、軽量タイプなら常にクルマに常備するのもいいでしょう。ウレタンマットなどに比べ、保管スペースを抑えやすい点もメリットです。
インフレーターマット選びで確認したいポイント

寝心地だけを基準にすると、収納時の大きさや、車内空間とサイズが合わないことがあります。
厚さ、展開サイズ、バルブ、表面素材を順番に確認しましょう。
| マットの厚さ | 特徴 | おすすめの使用シーン |
| 3〜5cm | 軽量でコンパクトに収納できる | フラットなフロアが確保できる状態 |
| 5〜8cm | 寝心地と収納性のバランスが良い | バンなどの荷室の小さな凹凸がある時 |
| 8〜10cm | クッション性が高く、段差を吸収しやすい | フラットにしても、シートの形状による段差がある場合 |
使用シーンに合った厚さを選ぶ
携帯性を優先するなら3〜5cm、寝心地と収納性の両方を求めるなら5〜8cmが目安です。初めて購入する場合も、用途の広い5〜8cmが選択肢になります。
車中泊では、シートに残る段差を考慮する必要があります。凹凸を抑えたい場合は8cm以上のモデルが適しています。
展開サイズと収納サイズを確認する
展開時の長さや幅は、使用者の身長や体格だけでなく、車内に収まるかも確認します。人数分を用意する場合は、収納後のサイズと車の積載スペースも判断材料です。
ファミリーでは、マット同士をつなげられる連結タイプを選ぶと、人数やレイアウトに合わせて使えます。
バルブの構造で設営・撤収のしやすさが変わる
大型バルブや逆止弁付きのモデルは、空気を出し入れしやすく、撤収作業も進めやすくなります。面積の広いマットでは、空気の排出がスムーズなダブルバルブ仕様も便利です。
表面素材と滑り止め加工もチェックする
表面の肌触りに加え、寝袋が滑りにくいかも確認したいポイントです。裏面に滑り止め加工が施されていれば、テント内や車内でマットがずれにくくなります。
スタイル別おすすめインフレーターマット

インフレーターマットはキャンプ用に開発されたものや車中泊用のものがあります。人数や移動手段、使用する季節によって適した仕様が異なるので、仕様をチェックしておきましょう。
| スタイル | 重視するポイント | おすすめの仕様 |
| ファミリー | 快適性と広さ | 厚さ8cm以上で連結できるモデル |
| ソロ | 軽さと携帯性 | 厚さ3〜5cmのコンパクトモデル |
| 冬季 | 断熱性と保温性 | R値5以上の高断熱モデル |
ファミリーは連結できる大型タイプ
家族で使う場合は、厚さ8cm以上で連結できるモデルが候補です。シングルサイズを複数枚組み合わせれば、参加人数に応じて就寝スペースを変更できます。
一枚ずつ分けられるため、ファミリーだけでなく、ソロ車中泊にも流用できます。
ソロは軽量なタイプを
ソロでは、厚さ3〜5cm程度のコンパクトなモデルが適しています。ショートタイプやマミー型など、就寝に必要な範囲へ形状を絞っているモデルもあり、収納サイズを抑えやすく、持ち運びの負担も軽減できます。
冬季はR値5以上を目安にする
冬季は厚さだけで判断せず、断熱性能を示すR値も確認します。目安となるのはR値5以上の高断熱モデルです。底冷えが気になる環境では、コットと組み合わせる方法もあります。
車種タイプ別おすすめインフレーターマット

車中泊では、就寝スペースの広さだけでなく、シートの段差やタイヤハウスの張り出しも考慮します。
| 車種タイプ | 車内の特徴 | おすすめの選び方 |
| ミニバン | 室内は広いがシートの段差が大きい | 厚さ10cm前後の極厚モデル |
| 軽自動車 | 就寝スペースが限られる | サイズ調整しやすい分割モデル |
| SUV | 荷室はフラットでもタイヤハウスが張り出す | 幅が狭く、隙間に収まるモデル |
ミニバンは車内寸法に合うモデルを選ぶ
ミニバンはフルフラットにしても、シート間に段差や隙間が残ることがあります。車中泊用や車種専用サイズのインフレーターマットなら、車内へ収めやすく、就寝時の違和感を抑えられます。
家族で使用する場合は、必要な幅を確保できる連結タイプも選択肢です。
大きな段差には厚さ10cm前後の極厚タイプ
シートの凹凸が大きい車では、厚さ10cm前後のモデルが適しています。厚みのあるマットが段差を吸収し、身体にかかる圧力を分散します。
一方、厚くなるほど収納サイズも大きくなります。積載スペースを確認したうえで、携帯性より寝心地を優先したい場合に選びましょう。
軽自動車やコンパクトカーは分割タイプ
スペースが限られる車内では、必要な場所だけに敷ける分割タイプが便利です。荷物を残したままでもレイアウトを調整しやすく、モデルによっては分割したマットをクッションや枕として使えます。
インフレーターマットの使い方と手入れ

設営や撤収の方法を誤ると、生地や内部のウレタンを傷める原因になります。使用後は汚れや湿気を残さず、保管方法にも注意が必要です。
| タイミング | メンテナンスのポイント | 注意点 |
| 設営時 | バルブを開けて自然に膨らむのを待つ | 湿気対策のため、口で直接息を吹き込むことを控える |
| 撤収時 | 体重をかけながらゆっくり空気を抜く | 無理に丸めると生地を傷める原因になる |
| 帰宅後 | 膨らませてから、表面の汚れを拭き取り、陰干しする | 直射日光はウレタンの劣化につながる |
設営と撤収の基本手順
設営時はマットのバルブを開いて広げ、自然に膨らむのを待ちます。膨らみ方や硬さが足りなければ、最後に空気を追加してください。
撤収時は端から体重をかけ、内部の空気を押し出しながらゆっくり丸めます。一度に完全に空気を出すのではなく、数回に分けるのがコツです。収納袋へ無理に押し込まず、十分に空気を抜いてから収めましょう。
汚れは布で拭き取って陰干しする
表面が汚れた場合は、中性洗剤を含ませた布で拭き、その後に水拭きします。洗濯機での丸洗いはできません。バルブ周辺の汚れも定期的に取り除きましょう。
使用時にシーツなどを敷いておくと、汗や汚れが直接付着するのを抑えられます。
圧縮したまま長期間保管しない
収納袋へ入れたまま長期間圧縮すると、内部のウレタンがへたり、膨らみにくくなることがあります。帰宅後は十分に乾燥させ、可能であればバルブを開けて広げた状態で保管します。高温多湿や直射日光の当たる場所は避けてください。
インフレーターマットのよくあるトラブルと対処法

| トラブル | 主な原因 | 対処法 |
| 穴が開いて空気が抜ける | ビスや車内の突起物、挟み込んだ石などによる刺し傷 | リペアキットや補修パッチで修理する |
| 自動で膨らまない | 長期間の圧縮保管によるウレタンフォームのへたり | ポンプで空気を入れ、陰干しする |
| 底冷えを感じる | マットの断熱性不足 | 銀マットやコットと組み合わせる |
穴が開いた場合は石鹸水で場所を探す
空気漏れの位置が分からないときは、石鹸水を使うと穴を見つけやすくなります。場所を特定したらマットを十分に乾燥させ、付属のリペアキットや補修パッチで塞ぎます。
パンクを防ぐには、設営前に設置場所の突起物を確認し、ゴミを取り除いておくことも有効です。
膨らみが悪いときは空気を入れて復元させる
長期間圧縮していたマットは、バルブを開けても十分に膨らまない場合があります。そのときはポンプで空気を入れ、膨らませた状態で数時間から1日ほど置くと、復元するケースがあります。
冬季はほかのマットと重ねて使う
寒さが厳しい環境では、銀マットやウレタンマットを重ねることで断熱性を補えます。インフレーターマットを地面の突起から保護する役割もあるため、寒冷地や雪中キャンプにも適した使い方です。
インフレーターマット選びのまとめ
- 携帯性を優先するなら厚さ3〜5cm、寝心地とのバランスを求めるなら5〜8cmを選ぶ
- 車中泊で段差を抑えたい場合は、8〜10cm程度を目安にする
- 冬季キャンプではR値を確認し、必要に応じて銀マットやコットを組み合わせる
- 車内の寸法、収納後のサイズ、バルブの構造まで確認する
- 使用後は汚れと湿気を取り除き、長期間の圧縮保管を避ける
厚さや断熱性能だけでなく、持ち運び方や就寝スペースまで考えて選ぶことが、失敗を防ぐポイントです。車中泊でどのように使うのかを明確にし、自分のスタイルに合うインフレーターマットを選びましょう。
この記事の監修者
渡辺圭史(わたなべ・けいし)|編集者・アウトドアライター
キャンピングカー専門誌の編集長を経て、現在はキャンピングカー、車中泊、クルマ旅を中心に、専門誌やウェブメディアの記事制作に携わる。取材・執筆に加え、企画立案、構成、編集、校正、コンテンツ監修まで幅広く手がけている。自身も車中泊仕様の軽バンで各地を巡り、現場で得た経験と編集者としての視点を生かして情報を発信。本記事では、専門分野の知見に基づいて内容と表現を確認している。
