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2025.05.20

ハザードランプのつけっぱなしでバッテリーは上がる?その場でできる対処法も解説!

最終更新日: 2025.05.20

ハザードランプをうっかりつけっぱなしにした経験はありませんか?

ハザードランプは周囲に異常を知らせる際に欠かせない機能ですが、使い方を間違えるとバッテリーが上がって車が動かなくなる原因となります。

この記事では、ハザードランプのつけっぱなしでバッテリーが上がるのか、何時間くらいで上がるのか、その際の対処法はどうしたらいいかを解説します。

そもそもハザードランプとは?

ハザードランプを押している

ハザードランプは、正式名称を「非常点滅表示灯」といいます。

車のダッシュボードやハンドル付近にある赤い三角マークのスイッチを押すと、前後左右のウインカーランプが同時に点滅する仕組みです。

ハザードランプの主な役割は、緊急時や一時的な停車時に周囲に対して自車の存在や危険な状況を知らせることです。

「ハザード(hazard)」は英語で「危険」や「障害物」を意味するように、事故を未然に防ぐための重要な安全装置として位置づけられています。

しかし、エンジン停止中にハザードランプをつけっぱなしにすると、バッテリー上がりの原因になるため注意が必要です。

何時間ハザードランプをつけっぱなしにするとバッテリーは上がる?

点滅するハザードランプ

バッテリー自体が古くなって性能が低下していたり、気温が低い冬場などでバッテリー効率が落ちていたりする場合、短時間のハザードランプ使用でもエンジンを始動できなくなるおそれがあります。

ハザードランプが消費する電力は、車種やハザードランプの種類(LEDか電球か)によって異なりますが、一般的には4A(アンペア)から8A程度です。

例えば、一般的な乗用車に搭載されているバッテリー容量が36Ah(アンペアアワー)だと仮定しましょう。

理論上は、消費電流が4Aなら約9時間(36Ah ÷ 4A = 9h)、8Aなら約4.5時間(36Ah ÷ 8A = 4.5h)でバッテリーが完全に空になります。

実際には、バッテリーの劣化具合や、エンジン停止前の充電状況、外気温などの要因でさらに短い時間でバッテリーが空になる可能性があります。

そのため、安全を考慮すると、エンジン停止状態で2〜3時間程度ハザードランプをつけっぱなしにすると、バッテリー上がりのリスクがあると考えておくのが現実的です。

エンジン停止中のハザードランプ使用は必要最低限の短時間にとどめ、日頃からバッテリーの状態を点検したり、定期的なメンテナンスを行ったりしましょう。

ハザードランプのつけっぱなしでバッテリーが上がったときの対処法

自動車のバッテリー

万が一、ハザードランプのつけっぱなしなどでバッテリーが上がってしまった場合でも、対処法を知っておけば、その場で解決できる可能性が十分あります。

出先でバッテリーが上がった際に使える3つの対処法を解説します。

ジャンプスターターを使う

ジャンプスターターは、車のバッテリー上がり専用に設計されたコンパクトなポータブル電源です。

ジャンプスターターがあれば、他の車の助けを借りることなく、自分だけでエンジンを再始動できます。

使用方法は比較的簡単ですが、安全のため以下の手順を守りましょう。

  1. ジャンプスターターの赤いケーブルをバッテリーのプラス端子に接続
  2. 次に黒いケーブルをマイナス端子に接続
  3. 表示灯で接続が正しいことを確認
  4. ジャンプスターターの電源をオンにし、車のエンジンを始動
  5. エンジンがかかったらジャンプスターターを取り外し、そのまま15分以上走行してバッテリーを充電

使用後のジャンプスターターは、バッテリー残量が減っているため、次回のトラブルに備えて家庭用コンセントなどで再充電しておくことが大切です。

ブースターケーブルを使う

もしジャンプスターターを持っていなくても、ブースターケーブルがあれば、近くにいる他の車(救援車)から電力を分けてもらい、エンジンを始動させられます。

ただし、接続する順番や箇所を誤ると、車のコンピューターや電気系統に深刻なダメージを与えたり、ショートして火花が散ったりする危険性があるため、以下の手順を正確に守りましょう。

  1. 故障車のプラス端子に赤いケーブルをつなぐ
  2. 救援車のプラス端子に赤いケーブルをつなぐ
  3. 救援車のマイナス端子に黒いケーブルをつなぐ
  4. 故障車のマイナス端子ではなく金属部分に黒いケーブルをつなぐ

ブースターケーブルを接続したら、救援する車のエンジンを始動させて5分ほど待機し、故障車のエンジンを始動します。

エンジンがかかったら、以下の手順でケーブルを外します。

  1. 故障車から黒いケーブルを外す
  2. 救援車の黒いケーブルを外す
  3. 救援車の赤いケーブルを外す
  4. 故障車の赤いケーブルを外す

エンジン始動後はジャンプスターターの場合と同様に、すぐにエンジンを切らずに15分から30分以上走行し、バッテリーを十分に充電させましょう。

ハイブリッド車や電気自動車は救援車になれない場合が多いので、ブースターケーブルを使用する際に注意が必要です。

JAFに連絡する

ジャンプスターターもブースターケーブルも持っていない場合や、自分で作業を行うことに不安がある場合は、無理をせずJAF(日本自動車連盟)に連絡しましょう。

JAFの場合、会員になるとバッテリー上がり時のジャンピングスタート作業は無料(※作業内容によっては部品代や消耗品代がかかる場合あり)または会員価格で受けられます。

非会員でも、所定の料金(2024年4月に料金改定、昼間一般道でのバッテリー上がりで21,700円)を支払えば対応してもらえます。

連絡する際は、以下の情報を伝えましょう。

  • 現在地の詳細(住所、道路名、目印になる建物など)
  • 車の情報(車種、色、ナンバープレート)
  • トラブルの状況(バッテリーが上がった経緯、ハザードランプのつけっぱなし時間など)
  • JAF会員か非会員か

高速道路上では車内に留まらず、三角表示板を設置し、JAFが来るまでガードレールの外側など、安全な場所へ避難しましょう。

JAFが到着後、ジャンプスタートなど必要な処置を実施してくれます。

ハザードランプのつけっぱなしは事故のリスクを高める

交通事故現場

ハザードランプの使用後は、スイッチを押して消灯したかを確認する習慣をつけましょう。

ハザードランプを点灯させたまま走行してしまうと、他のドライバーに意図しないメッセージを与え、混乱や誤解を招くおそれがあります。

例えば、ハザードランプを点滅させながら通常の速度で走行している車を見かけたら、周囲のドライバーは「故障しているのかもしれない」「何かトラブルがあって停車しようとしているのかも」と勘違いし、不必要に車間距離を詰めたり、逆に急な減速や予期せぬ進路変更を行ったりする可能性があります。

特に高速道路など、速度域が高い状況では、このような誤解が追突事故や接触事故などの重大なトラブルにつながりかねません。

運転前や運転中に、メーターパネル内の表示灯を時々確認する癖をつけることも、消し忘れ防止に役立ちます。

ハザードランプを使う場面

停車中のトラック

ハザードランプは緊急時以外にも、交通を円滑に進めたり、周囲とのコミュニケーションを図ったりするために使われる場面があります。

どのような状況でハザードランプを使うのが適切か、具体的な場面をいくつか紹介します。

車を停車するとき

道路脇に一時的に車を停車させる際、後続車や周囲の交通に対して「ここに車が停まっています」「これから停まります」と意思表示するためにハザードランプを点灯させます。

特に、交通量が多い道路の路肩や、見通しの悪いカーブ、狭い道などで短時間だけ停車する場合、ハザードランプをつけると後続車に追突されるリスクを低減できます。

また、荷物の積み下ろしや人の乗降のために停車するときも同様です。

追突事故を防ぐために、すみやかにハザードランプを点灯させ、場合によっては停止表示器材(三角表示板)も設置して注意喚起しましょう。

高速道路で渋滞が発生したとき

高速道路を走行中に、前方に渋滞を発見した場合、ハザードランプを点灯させて後続車に減速や停止を促す必要があります。

特に、カーブの先やトンネルの出口、上り坂の頂上付近など、見通しが悪い場所で突然渋滞が発生すると、発見が遅れて追突事故につながる危険性が高まります。

自分が渋滞の最後尾になった、あるいはなりそうな状況を認識したら、速やかにハザードランプを点灯させましょう。

自分の後ろに後続車がつき、その車もハザードランプを点灯させるなどして、安全に減速・停止したことが確認できてからハザードランプを消灯するのが一般的です。

駐車場でバック駐車するとき(リバースハザード)

駐車場内でバック駐車する際にハザードランプをつける行為を「リバースハザード」や「バックハザード」と呼びます。

これは道路交通法で定められた正式な使い方ではありませんが、慣習として広く行われているマナーの1つです。

リバースハザードの主な目的は、周囲の車や歩行者に対して「これからバックしますよ」「駐車のために後退しますよ」と合図を送ることです。

特に、混雑しているショッピングモールの駐車場や、通路が狭い駐車場、視界が悪い場所などでは、後続車が不用意に接近してきたり、通路を横切ろうとする歩行者が出てきたりするのを防ぐ効果が期待できます。

リバースハザードしている車を見かけたら、「バックしてくるかもしれない」と注意を払うようにしましょう。

緊急地震速報が出たとき

車を運転中に、スマートフォンから緊急地震速報の警報音(エリアメールや緊急速報メールのアラーム音)が鳴ったり、カーナビゲーションシステムが地震情報を表示したりした場合、周囲の状況を確認しながらハザードランプを点灯させることが推奨されています。

これは、後続車や周囲のドライバーに対して「緊急事態が発生している可能性がある」「これから予期せぬ減速や停止をするかもしれない」と知らせるための合図です。

ハザードランプをつけながら、慌てずにゆっくりと速度を落とし、可能であれば道路の左側に寄せて停車しましょう。

濃霧や雪で視界が悪いとき

濃い霧が発生しているときや、吹雪などで視界が極端に悪い状況下での運転は危険です。

このような悪天候時は、ハザードランプをつけて自分の車の存在を他のドライバーに認識してもらうことが事故防止につながります。

ただし、長時間ハザードランプを点灯させていると、故障車と誤解される可能性もゼロではありません。

ライトを常時点灯するなどの基本対策をしたうえで、必要に応じてハザードランプをつけるようにしましょう。

【まとめ】ハザードランプをつけっぱなしにせず安全運転を心がけよう!

エンジン停止中のハザードランプ使用は、バッテリーの状態にもよりますが、2〜3時間程度でバッテリー上がりを引き起こす可能性があります。

万が一バッテリーが上がってしまった場合は、ジャンプスターターやブースターケーブル、JAFなどのロードサービスを利用して対処しましょう。

また、ハザードランプは緊急時や一時停車、渋滞通知、悪天候時など、特定の場面で周囲に注意を促すための重要な安全装備です。

ハザードランプの役割を正しく使用するため、日頃からのバッテリー点検を心がけ、安全運転に努めましょう。

CAM-CAR | キャンカー編集部

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