2023.05.19
ヨーロピアンホテルを彷彿させるトイファクトリーのフィアットデュカトキャンピングカー「ダヴィンチ」
最終更新日: 2023.05.19
2023年のキャンピングカーシーンで話題になっているのがフィアット・デュカト。ジャパンキャンピングカーショーでは、各社からたくさんのモデルが展示されました。
フィアットプロフェッショナル正規ディーラーとして認められたトイファクトリーでも、フィアット・デュカトベースのキャンピングカーが4台も並んでいたのです。
そのなかで、フラッグシップモデルともいえるのが、この「ダヴィンチ6.0コンセプト」。美しいインテリアデザインで人気のあるトイファクトリーが作った、ヨーロピアンスタイルのキャンピングカーです。
目次
ハイマーのメインデザイナーとのコラボレーション
今回のモデルを開発するにあたって、トイファクトリーではドイツのキャンピングカーメーカー最大手ハイマーでメインデザイナーを務めたフランク・ヴェンダー氏とのコラボレーションを実現しました。
各社が国内独自のフィアットデュカトキャンピングカーを制作しようとするなか、トイファクトリーはヨーロッパらしさも取り入れようとしているようです。
同社では2023年に輸入車販売も強化され、専門店のオープンや新たなブランドの輸入などを控えていることから、新たな展開が期待されます。その1つとして、今回のダヴィンチも注目されていました。
これまで、フィアットデュカトベースのキャンピングカーは、右エントランスのモデルがほとんどでした。でも、このダヴィンチのエントランスは日本仕様で左側にあります。地味ですが、左側通行の国内仕様というのが結構使いやすいのはいうまでもありません。
室内に入ってみると、目に飛び込んでくるのがリビング。フロントシートを回転させて、リビングレイアウトを作ることができるようになっています。テーブルトップは使う人数などによって、サイズを変更できるよう、天板が回転して収納できるタイプ。
シートはトイファクトリーが国内の総代理店契約をした「aguti(アグチ)」が採用されました。
ヨーロッパのキャンピングカーで広く使われているシートで、疲れにくく、高い安全性を誇ります。
質感も高く、実際に触ってみると、手に馴染むレザーの感覚が、高級感を感じさせます。
ベース車両となるフィアットデュカトは、運転席とリア荷室の組み合わせになります。このリアとの境目をどのように処理するのかがポイント。
トイファクトリーでは家具を使ってスムースに処理されていました。ピラー部分もダウンライトが埋め込まれ、きれいに処理されているのが分かります。
キャンピングカーの域を超える上質な室内空間
レイアウトはフロントエントランスを入ってすぐにリビングがあって、リアへ向かって、キッチン、バスルームがあり、通路を抜けるとベッドエリア、という配置です。
エントランスから後方を眺めると、モダンデザインのインテリアが奥まで広がり、まるで、ホテルのような雰囲気。キャンピングカーであることを忘れてしまいます。
リビングエリアにあるagutiのシートは専用設計され、高い安全基準もクリアしています。さらに、このようなベンチシートであっても、サイドサポートがしっかりと施されていて、どのシートに座っていても、疲労を軽減するように設計されているのです。
エントランスドア部分にあるのが大きなキッチン。2口コンロとシンクがセットになっていて、ガラス天板を閉じることで、大きなカウンターテーブルとして利用できます。
キッチンの奥には冷蔵庫がセットされていて、車内のどこからでもアプローチしやすい位置。使いやすさも十分に考慮されたレイアウトです。
バスルームにはシャワーとトイレがセットされています。シンクやシャワーヘッドなど、既存のキャンピングカーではあまり見かけることのないアイテムばかり。使われている調度品もホテルライクで落ち着きます。
フィアットデュカトの広さを活かした、バンコンの室内レイアウト
リアセクションにはベッドルームが広がっています。室内高が高く、スクエアに広がるフィアットデュカトらしい、広々とした空間です。
天井の中央に見えるのは、オプションのルーフトップエアコン。寝苦しい夜などにあると、快適に過ごせるのではないでしょうか。
左右に吊り下げ棚が設置され、収納も十分に確保されています。寝具などを収納するのにも便利そうです。
ベッド下は大きな収納スペースとして利用可能。ベッドマットを取り外せば、リア全体がラゲッジスペースにもなるので、背の高い荷物なども余裕で収納できます。
両サイド下部には大きなキャビネットを設置。こちらも収納スペースとして有効に利用できます。
トイファクトリーのこだわりを感じるキャンピングカーの作り込み
トイファクトリーが作ったダヴィンチ。インテリアの美しさばかりでなく、設備の充実も目を引きます。
見えない個所では、トイファクトリーがこだわり続けた高断熱処理が、このフィアットデュカトにも施されていること。しっかりと、日本の四季に適した作りになっています。
シンプルでみやすいディスプレイは、トイファクトリーオリジナルのコントロールパネル。メイン電源のオンオフや、充実した電源設備などを一目でチェックできます。
フロアには特徴的なテクスチャの素材が採用されていました。各所に間接照明が埋め込まれていて、幻想的な空間を演出していました。
インテリア全体の光の使い方も秀逸で、車内で快適にくつろげる環境が、全体的にコーディネイトされているのがよく分かります。
今回、トイファクトリーでは、ヨーロッパトップブランド「ハイマー」の元メインデザイナーを迎え入れたことで、これまでのトイファクトリーらしい美しさに加え、ヨーロピアンテイストが色濃く反映されたクルマが完成しました。
既存モデルも高い評価を受けているだけに、ヨーロッパテイストとデザインセンス、国内生産の質の高さ、その両方を手に入れたい人にとってはピッタリのモデルといえるのではないでしょうか。
車両データ
価格 | 13,970,000円(税込み)〜 |
ベース車両 | フィアットデュカト |
車両サイズ | L5995×W2050×H2525㎜ |
エンジン | 2200ディーゼル |
ミッション | 9AT |
駆動方式 | 2WD FF |
乗車定員 | 4名 |
就寝定員 | 2人 |