2022.10.26
冬のキャンピングカー旅の必須アイテム『FFヒーター』のトラブル対処法と定期メンテナンス
最終更新日: 2022.10.26
みなさんはキャンピングカーにFFヒーターを搭載していますか?私たちは、愛車兼家である中古キャンピングカーにFFヒーターを搭載して、冬の車旅を満喫しています!
しかし毎年、冬になると「FFヒーターの調子が悪い」「FFヒーターが壊れた」という声を一定数耳にします。
そこで今回は、毎日キャンピングカーに住んでいるからこそ分かる、FFヒーターのトラブル対処法と定期メンテナンスをご紹介します。万が一「FFヒーターが壊れた?!」と思った時にこそ読んで欲しいので、ぜひブックマークして、今年の冬をお迎えください。
目次
FFヒーターとは?
FFヒーターは、車部分のエンジンを稼働しなくても使えるヒーターです。
FFヒーターの特徴は以下の通りです。
- エアコンとは異なり「燃焼式」なので、暖かさが桁違い(外気温−10度でも、車内はTシャツ1枚で過ごせます!)
- 車の燃料タンクと共用できるので、FFヒーター用の専用タンクが要らない
- スイッチ1つで操作とメンテナンスが非常に簡単
- 燃料1Lでおおよそ8時間稼働する省エネ具合
- 排気(一酸化炭素)が強制的に外部に排出されるので、一酸化炭素中毒になる危険がない
- 後付けもできる
つまり、FFヒーターを一言で説明すると「効率よく車内を暖めてくれる暖房機器」です。そして手軽さゆえに、 まさに車旅と相性バッチリの、理想的な暖房機器です。キャンピングカーに戻れば暖かいと分かっているので、車外で体力MAXまで冬を満喫できますね。
代表的なFFヒーターのメーカーは、べバスト社、エバス社の2社があります。いずれもドイツの会社で、日本での展開はエバス社の方が早かったのですが、現在多くのキャンピングカービルダーさんで べバスト社のFFヒーターを導入しています。
他にも海外の安いFFヒーターもあるようですが、燃料を使い燃やして燃焼させるものなので、安心度の高い信頼できるメーカーの物を導入されるのをお勧めします。
FFヒーターを長く使うにはメンテナンスが重要!
肌寒くなり始めた秋口に「FFヒーターを使おうと思ったら動かない」というトラブルに見舞われるキャンピングカー乗りさんが一定数いますが、 このほとんどがメンテナンス不足です。
「メンテナンス」と聞くと難しい知識や技術が必要と感じられる方が多いです。しかし定期メンテナンスは、知識の有無に関係なくひと手間でできるので、ぜひオフシーズンこそメンテナンスをしてくださいね。
なぜメンテナンスが必要なのか
まず、学生時代の理科を思い出しましょう。燃焼の3要素は「可燃物(燃料)」、「点火源(スイッチ)」、「酸素供給(酸素)」です。
燃焼をするFFヒーターは、基本的に寒い時期にしか使いません。オフシーズンは稼働させないのですが、この期間に燃料タンクからFFヒーターまでのホース内に溜まった燃料が使われないことで燃料が劣化します。
燃料が劣化するとススが発生しやすくなり、そのススが溜まると酸素が供給がされず不完全燃焼に陥り、FFヒーターが稼働しないという仕組みです。
これが、いざ使いたい時にFFヒーターが動かなくなる原因となる「メンテナンス不足」に繋がります。
誰でも簡単にできる!メンテナンス方法はコチラ
実際のメンテナンス方法は実に簡単で、オフシーズンでもFFヒーターを「月に1回20分フル稼働させるだけ」です。
ただし夏の暑い時期も、定期的に稼働させる必要があります。我が家は毎月1日をFFヒーター稼働日に決めています。
うちのキャンピングカーは手動でつまみを回すタイプですが、パネル操作ができるタイプのものは、稼働開始・稼働終了時刻の予約をできる物もあります。買い物中やお休みの日に、タイミングを合わせてメンテナンスをおこないましょう。
月に1回30分「完全燃焼」させる
まずは毎月1回30分、暑い夏も同様にFFヒーターを稼働させましょう。
ここからは、メンテナンス時の稼働方法をご紹介いたします!
- FFヒーターのダイヤルを最大限に設定する
- しばらくすると送風口から冷たい風が吹き出すので、燃焼が落ち着くまで待つ
徐々に暖かい風に切り替わり、燃焼が安定すると一定の送風量になります。 - 5分以上経ったら、徐々に温度を下げる
この時、一気に温度を下げたり、最初から低い温度設定をすると不完全燃焼の原因になるので、正しく燃焼させましょう。約10分ほど経過すれば燃焼は安定します。
注意点は、送風口がかなり高温になり吹き出す温風もかなり熱いので、火傷に気をつけましょう。また、送風口に荷物を置かないようにしましょう。特にポータブル電源は発火の恐れがあるので、十分注意が必要です。
ちなみに我が家の場合、冬はもちろん使用しますが、全く使用しない夏でもメンテナンスとして月に1回、30分フル稼働させています。おかげで、今まで故障した経験はありません。
空気の取り入れ口を掃除する
また熱風の吹き出し口の反対側に注目です。いわゆるFFヒーター本体の空気取り入れ口です。ここは空気を吸い込んだ時にホコリが溜まりやすいので、掃除機で溜まったホコリを吸うか、タオルで拭き取りましょう。
それは故障じゃないかも?FFヒーターが動作しないときに確認したいポイント
FFヒーターを使おうとしたときに上手く動作せず、故障かな?と思っても、実は故障ではないパターンも存在します。FFヒーターの故障を疑ったら、まず最初に確認したいポイントを紹介いたします。
燃焼が不足してないか確認する
ダイヤル式の場合、つまみを目一杯フルで回し稼働させます。少なくとも5分くらいはしっかりと燃焼させましょう。そして2〜3段階に分けて、徐々につまみをゆるめて温度を下げます。
電力が不足してないか確認する
省エネなFFヒーターですが、燃料の他に点火のための電力が必要です。特に稼働をし始めてから安定するまでの間は、それなりに電気を使用します。そのため、サブバッテリーが適正な電圧になっている必要があります。電力不足ではFFヒーターも稼働しないため、バッテリー残量計を確認しましょう。
排気口周りに物がないか確認する
まれですが、スキー場など雪深いエリアでの車旅で聞くトラブルです。そもそもFFヒーターの排気口は車外に出ています。この排気口が積雪で埋もれてしまう、という物です。これは普通車のマフラーの排気口を封鎖するのと同じ原理です。
万が一雪深いエリアでの車旅を楽しむ場合は注意が必要です。
FFヒーターのエラーコードの見方も覚えておこう!
いざというときのために、エラーコードの見方も覚えておくと便利です。各エラーコードの内容と対処法は以下の通りです。
エラーコード1、2、3、10以外は取付店や専門店に問い合わせてくださいね。
おわりに
キャンピングカーで欲しい装備NO.1とも言われるFFヒーターですが、私たちも「あってよかった装備3選」に入ります。
後付けの場合は車両によって積載できる場所が異なるでしょう。しかし安全の観点からみても、ケチらず信頼度の高いメーカーの物をビルダーさんで取付してもらうことをおすすめします。
たまに「とはいえ冬しか使わない装備だし、値段が高いから」という声も聞きます。しかし、FFヒーターがある冬の車旅は、間違いなく旅の選択・可能性が広がります。
心強い冬のアイテムはオフシーズンにも定期メンテナンスをして、長く故障なく使い楽しいキャンピングカーライフを過ごしましょう。
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