CAMPINGCAR LIFE

2023.07.03

キャンピングカーの燃費はどのくらい?ベース車の違いで変わる?

最終更新日: 2023.06.30

多くの人がキャンピングカーで旅行するという夢を抱いています。自由気ままに行動し、通常よりも少し遠くの街を訪れることができる魅力があります。しかし、そこで疑問が生じます。「キャンピングカーの燃費は実際にどの程度なのだろう?」という点です。

キャンピングカーの燃費の基礎知識

キャンピングカーの燃費を気にする人は多いようです。でも、「キャンピングカー・燃費」とインターネットで検索しても、メーカーの公式なデータが出てきません。おそらく、今見ているようなページが検索結果に出てきたのではないでしょうか。

そもそも、キャンピングカービルダーからは、正式な燃費データが発表されていません。実車のクルマに乗って、燃費を出しているメーカーもあるかもしれませんが、製品としての正式なデータとしては、公表されていないのです。

キャンピングカーのサイズ・形状によって燃費は異なる

なぜなら、クルマの仕様が1台ずつ違っているからです。キャンピングカーはオーナーの使い方に合わせて、オプションなどを追加したり、設備をカスタマイズするのが一般的。

よって、完成したキャンピングカー1台1台はそれぞれ違ったクルマになります。クルマの重量も違うし、荷物を載せるスペースの大きさも変わってきます。また、乗る人の人数や荷物の多さも違うので、燃費を公表できないのは当然です。

キャンピングカーの燃費を探る方法

では、キャンピングカーの燃費は迷宮入りになってしまうのか? そんなことはありません。軽自動車、バン、バスなど、ベースの車両から、ある程度の燃費が予測できる場合もあります。

ベース車両の自動車メーカー発表数値を見てみよう

キャンピングカーのベース車両となるクルマのカタログから、自動車メーカーが発表している燃費を見てみると、以下のような数値が出てきます。いろいろなグレードがあるなか、ランダムに数値をピックアップしました。燃費は四捨五入しているので、さらに概算的な数値になっています。

車種(車名)エンジンエンジン型式駆動ミッション燃費(km/L)重量(kg)
軽バン(エブリイ)ガソリン0.6LR06A2WD4AT15890
軽トラ(キャリー)ガソリン0.6LR06A2WD4AT15810
ミニバン(タウンエース)ガソリン1.5L2NR-VE2WD4AT121280
ミニトラック(タウンエーストラック)ガソリン1.5L2NR-VE2WD4AT121170
バン・ガソリン(ハイエースDXスーパーロングワイドハイルーフガソリン2.7L2TR-FE2WD6AT91860
バン・ディーゼル(ハイエースDXスーパーロングワイドハイルーフ)ディーゼル2.81GD-FTV2WD6AT122020
トラック(カムロード)ディーゼル2.81GD-FTV2WD6AT111880
バス(コースター)ディーゼル2.81GD-FTV2WD6AT123320
自動車メーカー発表のキャンピングカーベース車両燃費

上の表を見てみると、それほど、クルマによる燃費の違いがありません。よく聞く、◯◯◯車は燃費3km/Lだった、なんて話は、ここにはないんです。国内メーカーであるし、キャンピングカービルダーも、わざわざ、燃費の悪いクルマを選ぶこともありません。

キャンピングカーカテゴリごとの燃費を計算

上の表から、キャンピングカーそれぞれの燃費概算を予測してみるのです。最近の燃費計測方法はWLTCという方法が取られていますが、コースターはJH25という測定方法になっているので、データベースから基準が違っていることも理解しておいてください。

まず、カタログ値は実走行した時の燃費よりも良い結果が出ていることが多い、といえるでしょう。そこで、実際のクルマの実燃費を考えると、大体、カタログ数値の9〜8割程度と考えることもできます。自分のクルマの数値で比べてみてください。

普通の乗用車に比べると燃費が悪い傾向に

キャンピングカーの場合、上の表にあるようなベース車両に家具などを載せて、総重量が重くなる傾向があります。

もちろん、オプションや家具の作りによっても、重量は大きく変わってきます。また、クルマの形状が変わることによって、空気抵抗も増えるかもしれません。

このようなことから、キャンピングカーの燃費は、そのベース車両を乗用車として乗った時よりも、数値が悪くなる傾向にあることはすぐに分かると思います。

軽キャンピングカー・バンコン・キャブコン・バスコンの燃費は

これまで説明してきた理由で、ベース車両のカタログ数値の燃費>実際の燃費>キャンピングカー架装後の燃費、という関係性が生まれることが分かります。

そして、実際の燃費で話した通り、元の燃費データに係数を掛けて、ある程度の概算を導き出せるのではないか? という考え方を、キャンピングカー架装の時にも当てはめてみて、燃費を考えてみるのも可能なのではないかと仮説します。

あくまで、係数をかけた結果なので、キャンピングカーの仕様を全く考えていない事を念頭に置いておいてください。

そこで、こんな仮説を立ててみました。

自動車メーカー発表の燃費×90%=実際の燃費

実際の燃費×係数A=キャンピングカー架装後の燃費

この係数Aをどの程度にするか? が大問題ですが、ここでは90%という数値で仮定してみます。

もう一度いいますが、あくまで仮説なので、各車両のベース車両による、燃費の関連性のみを確認してください。

仮説の計算結果をみてみると

仮説燃費(km/L)
軽バン(エブリイ)12.15
軽トラ(キャリー)12.15
ミニバン(タウンエース)9.72
ミニトラック(タウンエーストラック)9.72
バン・ガソリン(ハイエースDXスーパーロングワイドハイルーフ7.29
バン・ディーゼル(ハイエースDXスーパーロングワイドハイルーフ)9.72
トラック(カムロード)8.91
バス(コースター)9.72
仮説の係数から計算したキャンピングカー架装後の燃費予想

という結果になりました。「あれ、それほど変わらない」と思った人も多いのではないでしょうか。でも、カテゴリーごとになんとなく数値が似ているのも分かります。

実際にキャンピングカーに乗っている人の話を聞いてみて、キャンピングカー架装後の燃費を計算し、係数Aをいろいろと変えて、自分なりに概算を考えてみるのもいいでしょう。

エンジン形式や燃料によっても左右される

上の表でバンだけは、2つのエンジン種類をチョイスしてみました。車格はまったく同じですが、エンジンだけが違う条件になっています。この場合、ディーゼルの燃費がよくなっています。その理由は各エンジンの特徴によるものなのです。

ガソリンエンジンの特徴

ガソリンエンジンの特徴は一般乗用車で多用されていること、といえるかもしれません。レギュラーガソリンに慣れているので、乗用車からの乗り換えでも、不安を感じることはありません。

これまで通り、一般乗用車で行ってきたメンテナンスをすれば、大きな問題も起こらない、という安心感があります。

機械的な側面からみてみると、軽量化がしやすく、高回転までスムーズに回る、そして、振動が少ないことが特徴です。

ディーゼルエンジンの特徴

一方のディーゼルエンジンは、エンジンが重たくなる傾向があり、レギュラーガソリンエンジンに比べて振動が大きい、ということです。

それほど取り柄が無いのかと思いきや、ガソリンエンジンに比べて、低回転域からトルクを発揮できるのが、大きな特徴になります。

トルクが大きいことで、重たいキャンピングカーの車体でも、アクセルを強く踏み込むことなく、クルマが走り出すので、結果として、ガソリン消費量が少なくなる傾向があります。

おわりに

今回はキャンピングカーの燃費について、大まかな考え方を紹介してきました。実際、ベース車両の性能も向上しているので、車種ごとに大きな違いを感じることはないでしょう。

キャンピングカービルダーも各社が軽量化を進めているので、同じ装備であれば、重量差が少ないと考えられます。結局のところ、アクセルワークや旅行の荷物の多さなどが、最も燃費に影響するのは、オーナーの使い方次第ということになるでしょう。

渡辺圭史

1971年生まれ。アウトドアメーカー、クルマ系出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。その後、フリーランスとなり、アウトドア、クルマ系の媒体で執筆。日々のカーライフを@keishi1971で発信中。