2023.04.28
キャンピングカー暮らしのリアルとは?生活歴5年のベテランが告白
最終更新日: 2023.04.28
最近のキャンピングカーって内装も設備も豪華で、もう家みたい!もしかして、これだけで生活できたりするのかな?って感じている方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。それもそのはず、キャンピングカーは寝るスペースが整えられているだけでなく、キッチンやトイレ・シャワー室、立派なダイニングも備えられており、居住性の高いキャンピングカーがとても多いのです。
今回は、実際に家を持たずキャンピングカーで生活をしている『やまがた夫婦』に、キャンピングカー暮らしのリアルを伺いました!キャンピングカーで生活をするのに憧れている方、リアルな実態が気になっている方、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
キャンピングカーで生活をしようと思ったキッカケ
2018年から中古キャンピングカーに住んで日本一周している、やまがた夫婦です!私たちがキャンピングカーで生活しようと思ったキッカケは「終わりなき旅生活」をしたかったからです。
というのも、私の持病の併発で、定年後の夢だった「日本一周」を前倒しですることに決めたので、その拠点にキャンピングカーを選びました。
キャンピングカー生活のメリットとデメリット
メリット
時間を気にしなくていい!
公共交通機関の時間に合わせず自分の都合で移動できるのが、車旅の最大のメリットです。
私たちは旅がお仕事なので、朝一から取材がある際には、前夜から現地近くで前泊をすることが多いです。お宿のチェックイン時間などを気にしないでいいのも、ストレス軽減につながっています。
荷物の心配をしなくていい!
我が家は大容量の収納が可能なキャブコンです。家を断捨離して日本一周するため、1年分の荷物を搭載していることもあり、旅先で「あれがないからできない」、「これ持ってくればよかった」という残念な思いをしたことはありません。いまここに洋服や装備があるので、思い立ったらすぐに体験をできるのは、かなりおおきいです。
滞在先でもゆったり過ごすことができる
雨の日や雪の日は無理に外に出ず、車内ですべての生活を完結できます。もちろん、週末や祝日の人混みは車内で悠々自適に過ごします。
車内で過ごす日は、リモートワークの一環として、取材先の素材をまとめたり原稿を書いたり、動画を作成したりしています。
興味なかったことに興味が湧いた
今までまったく興味がなかったアウトドアやアクティビティに興味をもつようになりました。たとえば焚き火、シーカヤック、パラセーリング、シーウォークなどです。ずっと自分を「できない」という言葉で縛ってきましたが、一般的な「当たり前」という型を破った生活をすることで、視野が広がり、経験値も上がりました。
知らなかった世界を見られる
この生活を始める前は、まったく道の世界でした。当然、今たずさわらせていただいているリモートワークも、知らない世界でした。
キャンピングカーに住みキャンピングカーをこよなく愛することで、お仕事の幅も増えました。
デメリット
完全自立は不可能
我が家は車両自体が「完全自立型」のキャンピングカーですが、給油も給水も、そして排水やゴミ処理も、結局のところ、どこかしらで誰かしらの手を借りないと生活はできません。
海外でバンライフを経験してきた人曰く「日本は車旅に対してまだまだ整備が不十分」とのことです。私たちも実際に感じているのが、施設の数は多くても、サービス内容が施設によって幅がある点です。
特に「この整備が整っていたら、もっとストレスが少ない」と感じるのが、排水設備です。
自炊や洗顔で使った水が溜まるグレータンク、そしてトイレのブラックタンク。どちらも施設によっては声をかけると処理させてくれることもありますが、きちんと「使っていい設備」が整っていると嬉しいです。
また、施設使用料がもう少し安価で、ゴミの受け入れ、給水OKなど、本当の意味で海外のような車旅のための施設が確立されれば、マナー違反なども起こりにくくなると思うポイントです。
逆に、これらを考えながらのキャンピングカー生活なので、ゴミを捨てる場所に頭を悩ますのはデメリットといえます。
キャンピングカーの維持費はそこそこ掛かる
維持費は日々の給油代、オイル交換、フィルター交換のほか、自動車保険、タイヤ交換、故障箇所の修理費用が発生します。
コロナ禍以降燃料費の高騰に伴い、家に住んでいた頃の家賃・光熱費とトントンといったところです。
居住性を上げるための努力は大切
キャンピングカー購入時に100台以上の現物の車両を見てきたので、居住性も理想の車両に住んでいます。ただし、どこかしら妥協しなければいけない場合でも「車内で直立で立てる」ことは、かなり重要だと感じます。
女性も男性も防犯対策が必要
女性でも男性でも、今の時代、防犯対策は必要と言えるでしょう。特に人目につかない場所に停泊することで、逆に人目がないことで犯罪に巻き込まれる可能性が高まります。
管理人さんがいたり、防犯カメラで抑止力の努力をしている施設を選ぶのがベターだと思います。あとは、危険なことには自ら近づかないことですね。
キャンピングカーで生活すると住所や税金はどうなる?
住所や郵便物
住所は実家に籍を置いています。郵便物や宅急便は、局留めなどの手配をするので、日本のどこでも受け取ることができます。
税金
籍を置いている地元に納めています。旅をしている友人の中には、ふるさと納税のスタイルを選んでいる人もいます。
生活費
生活スタイルによって全然違うと思うので参考にならないと思いますが、我が家は自炊スタイルです。生活が変わった訳ではないので、家にいた頃と変わりません。
旅先の地物の野菜や魚など、積極的に楽しみ、外食も、取材がてらしているし、リモートワークのおやつタイムもあります。アルコールは、友人と会ったときのたまにのご褒美にしています。
大人2人分、1日3食(たまにおやつ付き)+外食のほかに大きく加わったのが、コインランドリー代です。月の出費で考えると、家にいた頃とトントンです。
駐車場
車庫証明という意味では、実家で登録しています。友人は歩いて20分の場所、中には県をまたいで駐車場を借りているキャンピングカーオーナーもいます。
キャンピングカーで生活するための準備すること
手続き関係
駐車場の確保
キャンピングカー購入前、いの一番にやることは駐車場の確保です。中には、納車待ちの数ヶ月の間、車両がない状態で駐車場代を支払っているユーザーもいます。
特に賃貸や月極の駐車場の場合は車両サイズによって契約を断られたり、2台分の駐車料を求められる場合もあるそうなので、事前に確認・相談が必要でしょう。
現住所の確保
日本で生きるうえで必要なのが、住民票です。
最近では旅人向けのサービスで、住所登録できるシェアハウスなどもあります。家を引き払う場合など、事前に確認して登録しておきましょう。
キャンピングカー生活に慣れる
キャンピングカーと必要な装備の選定
我が家の場合、中古でキャンピングカーを購入しましたが、FFヒーターもサブバッテリーもありませんでした。はっきりあるのは、予算。スタート時は「あれもこれも欲しい」と思うと思いますが、必要な装備を随時追加していけばいいと思います。
そのためには、家があるうちに駐車場などで、理想とするキャンピングカー生活の練習をしておくのがベストです。すると必然と、本当に必要な装備がわかります。
追加装備は工賃も都度かかるので、予算に余裕がある場合は購入時に興味のあるオプションをすべて搭載するのも手です。
維持費と生活費の想定
駐車場でキャンピングカー生活を練習し、休日には車旅に出かけましょう。すると必然とキャンピングカー生活に必要な費用が見えてきます。また、維持費は毎年必要な固定費、毎月必要な費用、週ごとの費用と分けて考えると、出費見込み額が分かります。
キャンピングカーで生活する上での気になる問題
トイレやお風呂
我が家の場合、車内にシャワーとトイレを完備したマルチルームがあるので、日常的に活用しています。むしろ、このマルチルームがあるからこそ、この車両を選びました。夫は温泉好きなので、温泉が有名な地域では温泉が嗜好品です。私は逆に温泉が嫌いなので、車内のシャワー頼りです。
また体調を整えるためや、車中泊施設として泊まる場所の確保に「湯YOUパーク」を利用することも多いです。湯YOUパークは「くるま旅クラブ」の会員特典として利用できる施設で、割引きなどの特典もあるのでおすすめです。
電気の確保の仕方
たとえばサブバッテリーやポータブル電源を持っていても、使用すれば残量は減ります。ここで「いかに増やすか」と「いかに減らさないか」の両面で考えるのがコツとなります。「いかに増やすか」は、ソーラーパネルや走行充電、そして外部からの充電で増やします。
外部からの充電の場合は、外部充電設備のある車旅施設を選び、寝ている間に満充電状態に戻すのが我が家流です。「いかに減らさないか」は、我が家のように旅しながらリモートワークをする場合、パソコンや撮影機材などで充電が必要なアイテムは充電効率の高いものを選びます。
具体的すぎではありますが、ノートパソコンだとWindowsよりもMacの方が低燃費で長時間使えます。毎日使うものなので、Mac製に変更しました。
毎日の食事
外食が多いか自炊メインかによって、出費が大きく変わるところです。私たちは自炊メインで、取材のお仕事で外食をするスタイルが多いですが、予算や旅の目的に合わせて、あなたのベストを見つけていくといいと思います。
予算を抑える目的の自炊だと、地物グルメや郷土料理との出会いが遠のきがちです。せっかくの旅なので、メリハリをつけて外食を楽しむのも選択肢です。
自炊が多い場合のデメリット
生ゴミや包装ゴミが出るので、ゴミがかさばりやすくなりがちなので、慣れてゴミを減らすコツが必要です。たとえば毎日ちまちまと調理するよりも、一気に下処理しておくのが断然おすすめです。
洗い物がでるので、排水問題や洗い物を減らす知恵やコツも必要です。
買い食いが多い場合のデメリット
プラスティック容器など、かなりかさばる系のゴミとなります。容器をゴミとして考えるなら、一番避けたいところです。洗って、購入した店舗でリサイクルボックスに分類するのも選択です。
洗濯
たまに道の駅やキャンプ場、公園駐車場で車外に洗濯物を干している人を見かけますが、個人的にはいかがなものかと思います。
車旅や車中泊を楽しむ人が旅先で借りる場所は、どこも地元の人がいて成り立っているものですよね。生活の一部である公園駐車場や、買い物をする道の駅駐車場でパンツを干している光景……。あなたは、家の前の公園で、パンツを見たいですか?お子さんに見せたいですか?(パンツじゃなければよいという話ではありません。)という考えの我が家は、出費になっても、もっぱらコインランドリー頼みです。
キャンピングカーを停める場所
私たちのようにお仕事でキャンピングカーを使っている人も多いことでしょう。しかしいくらお仕事といえど、キャンピングカーユーザー以外から見たらただの嗜好品のキャンピングカー。駐車場では他の車両の邪魔にならないように、駐車場の端の方や、周りに車が少ない枠に駐車するようにしています。
必要があれば、第二駐車場、第三駐車場を選ぶこともあります。施設を利用するには面倒ですが、隣の車両とのトラブルを避ける意図もあります。なぜなら、受けたドアパンチは旅の数ほどあるからです。中にはキャンピングカーを恨むようにガツンとパンチをお見舞いされることもあります。未然にトラブルを避けるのも、長く旅を続ける秘訣です。
仕事やインターネット環境
今やネット環境は生活必需品となっている人も多いはずです。我が家は画像データの共有や動画編集が多いので、ネット環境は必需品で、大容量確保しておきたいところ。また、旅先でもWi-Fiを持って歩きたいので、ポケットWi-Fiとスマホでテザリングするタイプの2台を持っています。
観光先などにWi-Fiを持ち出さなくていい場合、数年前から注目されている「車載用WiFiルーター」は、シガーソケットがあれば簡単に取り付け可能でLTEデータ通信量無制限最大のサービスもあるので、選択肢のひとつになると思います。
キャンピングカーで生活するコツ
キャンピングカー生活を最大限楽しむためのコツは、妥協しない車両・装備選びに始まり、日々のマナーやモラルを守って、安全&安心に楽しむことです。
そして、無理して最初からなんでもかんでも揃えず、必要に応じて追加して、自分のいいあんばいを見つけるのも、長期でキャンピングカーそのものを楽しむ秘訣です。