CAMPINGCAR LIFE

2023.02.28

【フィアットデュカト日本仕様】バンライフを牽引する職人が作ったキャンピングカー「Room」がジャパンキャンピングカーショーでデビュー!

最終更新日: 2023.02.27

2023年2月3〜6日に幕張メッセで開催されたジャパンキャンピングカーショー。会場で目立っていたのは、フィアットデュカトという輸入車でした。

フィアットデュカトは2022年に国内への正規輸入が始まったモデル。そのクルマをベースに日本仕様のキャンピングカーがたくさん作られたのです。

そのなかでも、注目されていたのが、キャンピングカーメーカー「RVランド」が展示していた「Room」。ちょっと中をのぞいてみましょう!

バンライファーのためにクルマを作ってきた経験が生んだ新しいキャンピングカー

「Room」と名付けられたキャンピングカーはまさに家でした。もしRoomのベッドで朝を迎えたら、クルマの中にいることを忘れてしまいそうです。

このクルマはRVランドで販売されるモデル。バンライフのクルマをたくさん作ってきた鈴木大地さんが手がけました。

鈴木さんは元大工さんで、こだわりのデザインと仕上がりが、オーナーの心をグッとつかむ、人気のバンライフビルダーです。

ベースとなったクルマはフィアットデュカトL3H2。国内販売されるモデルはL2H2、L 3H2、L3H3の3タイプがあって、中間の大きさになります。

フィアットデュカトはヨーロッパではメジャーなクルマ。宅配業者など、荷物を運ぶ働くクルマとして街中でよく見かけます。

また、キャンピングカーのベースとしても使われます。これまで輸入車キャンピングカーとして国内にたくさん入ってきたクルマです。

その広々とした空間を、バンライフというアプローチでアレンジしたRoomは、今までのキャンピングカーになかった、新しい感覚を運んできてくれました。

おしゃれなインテリアのフィアットデュカトキャンピングカー

レイアウトはエントランスドアから入って正面にキッチン。リアを振り向くとベンチシートが対面で設置されたリビングスペースがあり、その奥にはダブルベッドという配置。

フィアットデュカトベースの輸入車キャンピングカーは乗車定員4名というモデルがほとんど。でも、このRoomは乗車定員6名を確保しています。まさに国内仕様モデルです。

キッチンはシンプルなシンクと無垢材のカウンタートップ、そしてホワイトのテクスチャーが美しい壁で構成されています。

上部には電子レンジを収納。ちょっとした温めに使ったり、冷凍食品などの調理にも使えるので便利です。最近ではキャンピングカーの設備として電子レンジを使うモデルも増えてきました。

後部のベッドは、進行方向に対して横に寝るスタイルのダブルベッドです。ベッドに上がった時、ヘッドクリアランスを最大限に確保するため、ベッドの高さが絶妙な高さに調整されています。

窓部分は出窓の様に壁がくり抜かれ、広々とした就寝スペースがあります。窓にはアクリル2重ウインドーを採用して、断熱効果も抜群。だから、窓の近さも気になりません。

広くて使いやすいバンライフ仕様キャンピングカーのインテリアを作る工夫

多くの時間を過ごすことになるリビングスペースはクルマの中心にあります。対面でベンチが設置されて、ホワイトの壁がルーフまで立ち上がる、広さを感じるデザインです。

壁に取り付けられた吊り下げ式のライトなど、ちょっとした小物がおしゃれにまとめられています。

リアベッドは常設になります。リビングでくつろぐ人、ベッドで横になる人、誰もが自由に好きな場所で過ごせる空間が確保されました。

ベッドの下には可愛らしいトビラ。ここからベッド下の収納スペースへアプローチできるようになっているのです。

小さなトビラの上にあるのが引き出し式のテーブル。その両サイドのパネルにはUSB出力なども設置されています。両サイドにあるのでどこでもスマホの充電ができるのも便利です。

引き出し式のテーブルはこんな感じで出てきます。サイドにレールがついていて、引き出しもスムーズ。使いたいサイズで利用できるので、スペースも有効に使えます。

ちなみに両サイドのベンチも座面のシート部分が内側に伸びて、ベッドに展開できる様になっています。

リアのベッドと合わせて就寝定員4名を確保しています。ファミリーで使うのにもちょうどいいかもしれません。

リチウムイオンバッテリーEco Flow DELTA Proでキャンピングカーのシステムをカバー

リアゲートは両側に開く観音トビラスタイル。ベッド下にラゲッジルームがあるのがよく分かります。奥に見えるのが、室内と繋がっている小さなトビラです。

これだけのスペースがあれば、アウトドアギアや遊び道具がたくさん積めそうです。長い物もトビラを開けて、室内へちょっとお邪魔すれば、簡単に積み込めます。

そして、左側には何か黒い物体が……

これはバッテリーメーカーで有名なEco FlowのDELTA Proでした。なんとその電池容量は3,600Wh。とてつもなく大容量ですが、オプションでさらに容量を増やすこともできるそうです。

壁から出ているケーブルを差し込めば、キャンピングカー全体のシステムをこの1台でカバーしてくれます。

走行充電、ソーラーパネルにも対応。普通のキャンピングカーのシステムとして十分以上の性能かもしれません。

いざという時は自宅のバックアップ電源として持ち出せるというのもポイントです。

ベッドの上の天井に埋め込まれていたのはオプションのクーラー。このクーラーもDELTA PROで動かすことができるので、夏の夜も快適に寝られそうです。

デザイン、システム、すべてに新しさを感じるRoom。バンライフ車両を作ってきたクラフトマンシップが新しいキャンピングカーの世界を切り開いていく様子がチラリと見えてきました。

車両データ

価格:10,450,000円(税込み)〜
ベース車両:フィアットデュカト
車両サイズ:L5995×W2050×H2525㎜
エンジン:2200ccガソリン
ミッション:9AT
駆動方式:2WD FF
乗車定員:6名
就寝定員:4人

お問い合わせ:RVランド https://www.rvland.co.jp/

渡辺圭史

1971年生まれ。アウトドアメーカー、クルマ系出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。その後、フリーランスとなり、アウトドア、クルマ系の媒体で執筆。日々のカーライフを@keishi1971で発信中。