2026.09.03
あおり運転をされたときにとるべき対策は?状況別の最善策を徹底解説
最終更新日: 2026.09.07
後方から車間距離を詰められる、前方に割り込まれて急ブレーキをかけられるなど、あおり運転の被害は突然おとずれます。あおり運転を受けたときは、相手を刺激しないことがポイント。そのうえで、安全を最優先にした行動と適切な通報をすることが重要です。
この記事では、あおり運転の状況に応じた対処法や事前にできる対策について詳しく解説します。
あおり運転を受けたときの4つの対処法と連絡先

あおり運転への適切な対処は、相手の位置や行動によって異なります。ここでは、後方からの接近、前方への割り込み、幅寄せ、停車強要の4場面に分けて、安全を確保する方法を確認します。あわせて、緊急性に応じた通報先も紹介します。
後ろから車間距離を詰められた場合
後続車が車間距離を詰めてきたら、急ブレーキはかけず、前方の車との距離を十分に取ります。急な加減速や車線変更を避け、周囲の状況を確認しながら運転を続けてください。
相手を先に行かせる場合も、焦って路側帯へ寄ると別の事故につながるおそれがあります。一般道では人目があり、安全に停車できる駐車場、高速道路ではSA・PAなどを退避先に選びましょう。相手の危険な行動が続く場合は、後述する連絡先へ通報します。
車間距離に関する安全対策としてこちらの記事もおすすめです
前方へ割り込まれ、急ブレーキをかけられた場合
前方へ割り込まれて急ブレーキをかけられた場合は、周囲を確認しながら速度を落とし、相手の車との距離を広げます。相手を追いかける、クラクションを鳴らし続ける、急加速して張り合うなどの行動は危険です。
ドライブレコーダーがある場合でも、映像確認に気を取られ前方や周囲への注意がおろそかにならないようにしましょう。同乗者がいれば通報を頼み、1人で運転している場合はスマートフォンを操作せず、安全な場所へ退避してから連絡します。
幅寄せや進路妨害を受けた場合
幅寄せや進路妨害を受けても、幅寄せで対抗したり、急加速して追い越そうとしたりしないでください。走行位置と周囲の車両を確認し、急な回避操作を避けながら、可能な範囲で相手の車との距離を取ります。
相手が追従してくるときは、自宅や人目の少ない場所へ向かわず、人目があり、安全に停車できる駐車場などへ退避します。安全な場所に停車できたら窓とドアを閉めて施錠し、車内から通報しましょう。
停車を強要され、相手が車から降りてきた場合
安全な駐車場やSA・PAなどへ退避できた場合は、窓とドアを閉めて施錠します。停車を強要され、相手が車から降りて近づいてくるときは、車外へ出ずに110番してください。相手を撮影するために窓を開けたり、直接話し合おうとしたりせず、警察官が到着するまで施錠した車内で待機します。
万が一、道路上での事故や故障で車内に残ることが危険な場合は、周囲の道路状況などに十分注意したうえで安全な場所へ移動しましょう。
参考:危険!「あおり運転」はやめましょう(警察庁)
あおり運転を受けたときの連絡先|110番と#9110の使い分け
あおり運転を受けた場合の連絡先は2つあります。
一つは「110番」です。あおり運転の最中や、相手が車を降りて自車に迫ってきているなど、緊急性の高い場合に利用します。一方で、あおり運転の危険が去ったあとや、情報の提供をしたい場合は、最寄りの警察署か警察相談専用電話「#9110」へ電話をかけます。
何事もなく終わった場合でも、ナンバーや状況などの情報提供をおこなうようにしましょう。
動画サイトなどでは、あおり運転を受けている中で通報したり、携帯で録画をする場面をよく見かけます。相手のナンバーや特徴、映像記録は捜査でも貴重な情報になりますが、一人で運転している場合は、携帯を手に取った行動は控えてください。
参考:ご意見、各種相談・情報提供等(警察庁)
あおり運転の定義は?妨害運転罪に当たる行為と罰則

あおり運転は、行為の目的や方法によって妨害運転罪として処罰されることがあります。ここでは、妨害運転罪が設けられた背景や対象となる行為、罰則について解説します。
あおり運転は妨害運転罪として処罰されることがある
2017年6月、東名高速道路で、通行を妨害された車が停止したところへ大型貨物自動車が追突し、6人が死傷する事故が発生しました。その後も同様の悪質・危険な運転行為が相次いで報告され、あおり運転は社会問題となりました。当時の道路交通法には、あおり運転そのものを取り締まる規定がなかったことから、2020年6月30日に妨害運転罪が創設されました。
妨害運転罪では、ほかの車両などの通行を妨害する目的で、交通の危険を生じさせるおそれのある方法により、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持など一定の違反をした場合が処罰の対象となります。法律上の要件を満たした場合は、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処され、運転免許取消しの対象となります。
なお、「拘禁刑」は、懲役と禁錮が廃止された2025年6月1日から使われている刑の名称です。また、2026年4月1日には、自動車などが自転車などの右側を通過する際の通行方法違反も、妨害運転の対象となる違反類型へ追加されました。
参考:危険!「あおり運転」はやめましょう(警察庁)
参考:「あおり運転」は犯罪です!一発で免許取消し!(政府広報オンライン)
参考:拘禁刑下の矯正処遇等について(法務省)
著しい危険を生じさせた場合は罰則が重くなる

妨害運転によって著しい交通の危険を生じさせた場合は、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処され、運転免許取消しの対象となります。通常の妨害運転より重い罰則が設けられており、あおり運転は単なるマナーの問題ではないのです。
ただし、どの行為がこの区分に該当するかは、個別の状況に基づいて判断されます。特定の行為だけを取り上げて「必ず該当する」と決めつけないことが重要です。
あおり運転の事前対策|対策アイテム2選とBluetooth設定
あおり運転は、どれだけ注意していても被害にあう可能性があります。ここでは、被害を受けた場合の録画アイテムや抑止につながるアイテム、事前に準備しておきたい車の設定について見ていきます。
ドライブレコーダーで被害状況を記録する

出典:amazon
ドライブレコーダーは、走行中の状況を映像として残せます。警察庁も、妨害運転などの悪質・危険な運転行為の抑止に有効だと案内しています。
商品の種類や機能はさまざまですが、最低限あるとよいスペックと理想的なスペックを表にまとめました。
| 項目 | 最低限あるとよいスペック | 理想的なスペック |
|---|---|---|
| カメラ構成 | 前後2カメラ | 前後+左右・車内を撮影できる3カメラ |
| 解像度 | 前後ともフルHD・200万画素以上 | 前方WQHD以上、後方フルHD以上 |
| 夜間撮影 | リアカメラが夜間撮影に対応 | 前後ともSTARVIS 2などの高感度センサーを搭載 |
| HDR・WDR | 前後ともHDRまたはWDRを搭載 | 夜間や逆光でもナンバーを確認しやすい高性能HDR |
| 撮影画角 | 水平120度以上 | 水平130~140度程度 |
| 記録・映像保護 | 常時録画、衝撃録画、手動録画 | GPS・音声録音・緊急時の上書き防止にも対応 |
| SDカード | 高耐久32GB以上 | 高耐久64~128GB、エラー通知・フォーマット不要 |
性能がよいものほど、価格も高くなる傾向があります。表を目安に、運転する時間帯や場所も踏まえて検討するとよいでしょう。
ミラータイプのドラレコの選び方はこちらを参考にしてください
参考:ドライブレコーダーの活用について(警視庁)
録画中ステッカーも+αの対策として取り入れる

出典:amazon
録画中ステッカーは、ドライブレコーダーで記録していることを周囲に示すアイテムです。
あおり運転をしようとする相手を思いとどまらせる狙いがあります。
2025年に公表された原著論文では、ステッカーがない場合と比べ、後続車との距離や運転中の安心感に対する一定の効果が示唆されました。写真評価実験の参加者は大学生30人、実車利用実験は大学生10人と限られた対象者ですが、一定の効果が示された事例として確認できます。
参考:ドライブレコーダー録画中ステッカー利用によるあおり運転被害抑止効果(日本感性工学会論文誌)
一人でも通報できる環境を作る|車とスマートフォンのBluetooth接続
あおり運転を受けた際には、警察へ早期の連絡が望まれます。同乗者がいれば連絡を任せられますが、一人だと簡単ではありません。
車のオーディオやカーナビにBluetoothがついていれば、事前にスマートフォンと接続しておくと安心です。運転中の操作は推奨できませんが、スマートフォンがカバンの中にある場合でもカーナビ操作で発信できるため、スムーズに通報できます。
なお、運転を継続しながらのスマートフォン操作は絶対に避けてください。運転が危険になることはもちろん、「ながらスマホ」として別の違反に問われる可能性がでてきます。
参考:やめよう!運転中の「ながらスマホ」違反すると一発免停も!(政府広報オンライン)
あおり運転被害を避けるために意識したい3つの運転ポイント

あおり運転は、被害者の運転がきっかけになってしまうケースもあります。無用なトラブルを避けるために意識したいのが、早めの合図、周囲の確認、安全な進路選択の3つです。いずれも日頃の安全運転として実践しましょう。
急な操作を避け、ウインカーは早めに出す
信号や交通の流れを先読みし、急な加速や減速、進路変更を避けます。急な操作は周囲を驚かせ、後続車が対応できる時間も短くします。
車線変更や右左折では、余裕を持ってウインカーを出し、次の動きを周囲へ伝えましょう。こうした運転であおり運転を必ず防げるわけではありませんが、周囲が自車の動きを予測しやすくなります。
ミラーで周囲の車の動きをこまめに確認する
ルームミラーやドアミラーを使い、周囲の車の速度や距離、動きをこまめに確認します。後続車の接近や交通の流れに早めに気付けば、急な操作を避けながら次の行動を選びやすくなります。
ただし、ミラーを見続けると前方不注意につながります。前方確認を基本に、通常の安全確認の一環として短時間の確認を繰り返してください。
追越車線を走り続けず、安全なタイミングで道を譲る
高速道路では追越車線を走り続けず、追い越しを終えたら走行車線へ戻ります。左側車線と周囲の状況を確認し、安全に移れるタイミングを選びましょう。
追い越しを終えた後も追越車線を走り続けると、急ぐドライバーを刺激するだけでなく、車両通行帯違反になる可能性もあります。
キャンピングカーを利用する方はこちらの記事も参考になります
出典:高速隊からのお知らせ(神奈川県警)
あおり運転をする側にならないために意識したいこと

「あおり運転なんかするわけがない」——そう思っていても、焦りやいら立ちから前車との距離を詰めたり、無意識のうちに相手を急かす運転になることがあります。
まず、大切なのは余裕を持った準備を心がけることです。特に、時間的な余裕は心の余裕にもつながります。仕事も旅も余裕を持った計画を作るとよいでしょう。
もし、自分の気持ちが焦っていたり、怒りの感情があると感じたら、事故を起こした場合の被害や家族への影響などを考えて深呼吸をしてください。数秒の間ガマンできれば、意外と気持ちは落ち着きます。
なお、大型車やキャンピングカーに乗る場合、より一層の気配りが必要だと筆者は考えます。軽自動車やコンパクトカーから見ると、大きな車はそれだけで威圧感があります。何気ない加速や車線変更も、相手にとっては危険を感じるきっかけになるのです。
大きな車に乗ると気持ちも大きくなりがちです。だからこそ、いつも以上に早めのウインカーや無理のない速度での運転を心がけていきましょう。
まとめ:あおり運転には落ち着いて対応しよう

あおり運転は、予期せず巻き込まれることがほとんどです。
被害を受けた際には、相手を刺激せず安全確保を最優先に行動します。ナンバーや相手の特徴などの情報を残し、状況に応じて110番または#9110へ連絡しましょう 。
ドライブレコーダーやステッカーなどのアイテムがあれば、抑止効果も一定期待できます。
車を運転する際には、ルールとマナーを守り、トラブルにも落ち着いて対応できる知識を持っておくと安心です。


