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2025.07.18

車の原価は8割って本当?価格の仕組みと損しない買い方

最終更新日: 2025.07.18

販売している車を見たときに「この車の原価ってどれぐらいなんだろう」と感じたことはありませんか?価格が高いものだからこそ、材料費や人件費、利益がどの程度かかっているのか興味がわくところです。

この記事では、原価と価格の仕組みをわかりやすく解説しつつ、車を選ぶときに損をしないためのポイントもお届けします。知っておくだけでも役立つ情報をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

※原価は販売メーカーなどによって異なります。

車の「原価」と「価格」のちがい|知っておくべき基本構造

コスト

車の価格は、製造コストだけで決まっているわけではありません。

ここでは、車の原価と販売価格にはどんなものが含まれているのか、詳しく解説していきます。

車の原価率は60〜80%?その内訳とは

車の原価率とは、販売価格に対する「製造コスト=原価」の割合です。

原価には、製造に必要な部品代はもちろんのこと、作る際の人件費、工場の維持費や輸送費などが含まれます。

一般的に、新車の原価率は60〜80%前後。車種や装備、メーカーによって差がありますが、例えば200万円の車で原価率が70%なら、実際のコストは約140万円という計算になります。

発売当初は原価が高いものの、時間が経つにつれて部品の調達コストが下がったり、作業の効率化が進んだりすることで、少しずつコスト自体が低くなっていくのが特徴です。

車の販売価格に含まれる“見えないコスト”とは?

車の販売価格は「原価+利益」という単純なものではありません。実際には、以下のような要素が販売価格に含まれています

  • 材料費・製造費用(原価)
     車の部品や組み立てにかかるコスト
  • 研究・開発費
     新型車や安全技術の設計・テストなどにかかる費用
  • 広告宣伝費
     テレビCM、雑誌広告、インターネット広告などのマーケティング費用
  • 物流・輸送コスト
     工場からディーラーまで車を運ぶための費用
  • ディーラーの運営費
     店舗の賃料、光熱費、スタッフの人件費
  • ディーラーやメーカーの利益
     企業として成り立つために必要な利益部分

これらのコストが複合的に積み重なり、私たちが支払う車の販売価格が決まっています。

どんどん高くなっていく車の価格も「安全性追求による研究・開発費の増加」「ガソリン代高騰」「人件費上昇」…といった社会背景を考えていくと理解できるでしょう。この構造を知っておけば、車を買う際の判断や価格交渉にも役立つかもしれません。

原価を知ればお得に車が買える?購入時の3つのポイント

車原価

車の価格構造を理解することは、自分が購入する場合にも役立ちます。

ここでは、原価や車の価格の仕組みをベースに、お得に買うためのポイントを3つ解説します。

新車購入時の値引きはどこまでできる?|ねらい目の車種を見つける

新車を購入するとき「どれぐらい値引きしてもらえるかな?」というのは、多くの人が気になるポイントでしょう。

まず、車の販売価格には必ず一定の利益幅があります。そのため、交渉をしないというのは非常にもったいない選択です。特に、以下の場合は大きく値引きできるチャンスがあります。

  • ロングセラー商品
     原価が下がって、値引き幅が大きい可能性があり
  • 生産終了した車種
     終了後も長く残っている車種はチャンス
  • モデルチェンジ直前・直後の旧モデル
     不良在庫になる前に販売したい傾向あり

もし、本体価格の値引きが難しい場合は、オプション類や付帯サービスの交渉をするのも一つの手です。とくに原価率の高い新モデルなどの場合は「マットやコーティングのサービス」「諸費用のカット」などが現実的な落としどころになるでしょう。

また、無理な値下げ交渉よりも、「競合車と迷っている」といった柔らかいアプローチが効果的になる場面もあります。

「決算期」を狙うと原価に近づいていく

車をお得に買うなら、時期選びも重要です。

なかでもメーカーやディーラーの決算期(3月・9月等)は、販売台数のノルマ達成が重視されるため、値引き幅が大きくなりやすいと言われています。

また、中古車販売業者においても、決算期は特価で売り出す傾向のため掘り出し物を見つけるチャンスです。ただし、各社の決算月は異なりますので、気になる会社は事前にチェックしてみることをオススメします。

中古車はなぜ割安?新車との価格構造の違い

車の価値は基本的に年数の経過と共に下がっていきますが、中古車が安い理由はそれだけではありません。

広告費や研究開発費など、新車の価格に含まれるコストが、中古車には含まれません。整備費や販売店の利益等は価格に反映されるものの、新車と比べると相対的に安くなるのです。

ただし中古車は一台ごとに状態が異なるため、購入時は走行距離や修復歴、保証内容をしっかり確認するようにしましょう。信頼できる販売店を選べば、コストパフォーマンスの高い買い物になる可能性があります。

事業で車を使うなら必見!減価償却や経費処理のポイント

事業で車を使う機会がある方は、税金や会計上のルールも知っておくと安心です。

事業として車を購入する場合「減価償却」といった経理計上の仕組みを使うことができます。これによって費用を複数年に分けて経費化でき、車の価値は年数に応じて下がる形で処理されます。ただし、高級車や一定の年数を経過した車、価格などによっては適応できない場合もありますので十分確認の上、購入してください。

また、仕事とプライベートを兼用する場合には「家事按分」という考え方があり、使用割合に応じて経費にできる範囲を決めることもできます。

事業者によっては節税目的で車を買うケースもありますが、不要な車を買ってしまうと資金繰りを圧迫するリスクもあるため、必要性を慎重に見極めることが大切です。

まとめ|車の原価を知れば、買い方も変わる

価格の仕組みを知っておくことは、ただの知識だけにとどまらず、車を購入する場面でも役に立ちます。材料費や組立費といった原価だけでなく、広告費や販売経費などの「見えないコスト」が上乗せされていることを理解すれば、車の価格に対する見方が変わるはずです。

これを知っているだけで、値引き交渉やオプション選びの際に冷静な対応をすることでき、お得な買い物に近づくでしょう。

もし、周りで知らない方がいたらこの記事を参考に教えてあげてくださいね。

CAM-CAR | キャンカー編集部