CAMPINGCAR LIFE

2023.08.27

ダイレクトカーズが乗り心地の良いハイエースワゴンでライトなキャンパーMIYABI QUINTを作る

最終更新日: 2023.08.27

ダイレクトカーズのMIYABIシリーズに新たなモデルが追加されました。QUINTと名付けられたニューモデルは、シンプルな装備と使いやすい内装で、ライトなキャンピングカーを探している人にちょうどいいモデルです。

キャンピングカーのベース車両がハイエースワゴンGLで快適ドライブを実現

ベースとなるのはハイエースのワゴンタイプGLグレードです。ハイエースにはバンとワゴンがあって、乗用車向けに開発されたのがワゴン、荷物を運ぶ事に適しているのがバンとなります。足回りのセッティングが違っていて、ワゴンの方がややソフトな乗り心地に仕上げられています。

ハイエースのキャンピングカーでは、バンをベース車両として使うことが多く、バンモデルをキャンパー架装して、8ナンバー(キャンピングカー登録)取得するパターンが一般的です。ワゴンベースのクルマは少数派といえるかもしれません。

でも、このMIYABIシリーズは乗り心地の良いワゴンをベースにしているのが特徴なのです。あくまで、キャンパー仕様なので、ナンバーはベース車両のままの3ナンバーとなります。本来であれば、ここで問題が……

ワゴンGLの場合、乗車定員が10名になってしまうのです。たくさん乗れてラッキー、とはならず、キャンパー仕様にするためには、シートが多すぎる、という問題が出てきます。

そんなウィークポイントを解決したのが、MIYABIを開発したダイレクトカーズでした。独自の手法で、シートを5名乗車にしながら、3ナンバーをそのまま使えるようにしたのです。

この5名で楽しむ特別なクルマであることが、車名の「QUINT」という名前に込められていたのです。

10名乗車から5名乗車に変更できたおかげで、ベッドを設置できたり、大きなラゲッジルームを確保することができました。シンプルなレイアウトなので、室内空間が広く感じられます。

レイアウトはセカンドシートが前向き、後ろ向きの両方に対応していて、リビングエリアを展開できるようになっています。テーブルを挟んで後方にはベンチとして使えるマットがセットできます。

広々としたバンコンレイアウトに2段ベッドが標準装備

セカンドシートは1400i-seat REVOシートというタイプを採用していて、簡単にシートやベッドに展開できるようになっています。セカンドシートを倒して、リアにマットを敷き詰めれば、広々としたフルフラットベッドにすることが可能です。

リアのキャビネット部分にマットを渡して、2段ベッドとして使うこともできます。ファミリーで使うなら、子供たちが2段ベッドの上、大人が下という使い方もいいのではないでしょうか。

うれしいことに、この2段ベッドマットは標準装備。2段ベッドとして使わなくても、下で就寝して、上の段に荷物を置いたり、ちょっとしたテーブルとして利用するのもいいかもしれません。

ベッド下はラゲッジスペースとして使えるようになっています。ハイエースワゴンGLの乗車定員10名分のシートがあったら、このスペースは使えませんでした。ダイレクトカーズのノウハウによって乗車定員を変更できたおかげで、この広々とした空間が活用されることになったのです。

使いやすいシンプルな設備と拡張性のあるオプション設定

MIYABI QUINTはシンプルな設備で構成されています。標準装備されるのは

  • フローリング加工
  • 1400i-seat REVOシート
  • 家具一式
  • センターテーブル
  • ベッドマット・2段ベッドマット
  • リアスピーカー移設
  • 天井照明

です。キャンピングカー登録に必要なシンクや調理器具が設置されていませんが、ちょっとした旅であれば、照明とベッド、テーブルがあるので、十分な設備といえます。

天井に照明があるのは大きなポイントになるでしょう。車内で過ごす時、照明があることで快適性が高まります。また、ドリンクなどを置いておけるテーブルは、一般的なクルマにはない、便利な設備として活躍してくれます。

シンプルな設備は、クルマ旅初心者の人にとっても、使いやすいといえるでしょう。もし、もっと機能性をバージョンアップさせたければ、オプション設定で、サブバッテリーやクルマ用のFFヒーターなどを追加することもできます。

バッテリーがあれば、車内でスマホの充電をしたり、照明なども気兼ねなく使えるようになるでしょう。また、ヒーターを取り付けることで、寒い季節を気にすることなく行動できるようになります。

サブバッテリーシステムは、サイドキャビネットの内部へ、きれいに設置され、インテリアの見た目はほとんど変わりません。本来は収納スペースとしても利用できる作りで、メンテナンス性も高いといえます。

FFヒーターもキャビネット内部へ設置されるようです。ヒーターで温められた空気は、ダクトを通して、キャビネット内部を移動。そして、車内のフロア部分から排出されるようになっています。

このFFヒーターは小さく感じるかもしれませんが、しっかりと車内を温めてくれます。広い空間のハイエースを温めるにも、十分なパワーがあるので安心です。本格的なキャンピングカーと同じFFヒーターのおかげで、寒い時期でも行動しやすくなり、さらにクルマを使う機会が増えそうです。

あえて、シンプルな設備にして、ライトな感覚で普段使いできるMIYABI QUINT。いつものドライブを、特別な時間へと変化させることのできる1台となるのではないでしょうか。

MIYABI QUINT

ベース車両 ハイエースワゴン GL

ナンバー 3ナンバー

乗車定員 5名

価格 2WD 465万円(税込)

   4WD 495万円(税込)

渡辺圭史

1971年生まれ。アウトドアメーカー、クルマ系出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。その後、フリーランスとなり、アウトドア、クルマ系の媒体で執筆。日々のカーライフを@keishi1971で発信中。