2026.11.06
フロントガラスに飛び石で傷が!応急処置と修理・交換の判断基準を徹底解説
最終更新日: 2026.11.06
監修:渡辺圭史(編集者・アウトドアライター)
走行中、フロントガラスに突然「バチッ」と飛び石が当たり、傷やヒビができることがあります。小さな傷でも、走行時の振動や温度変化によってヒビが広がる可能性があるため、放置は禁物です。
飛び石による傷ができたら、まず安全な場所へ移動して状態を確認し、必要に応じて傷口を保護します。ここでは応急処置から、リペアと交換の判断基準、費用、車両保険、損害賠償、予防策まで順に解説します。
飛び石で傷ができたら、まず安全な場所で確認する

走行中に飛び石が当たっても、慌ててその場で確認するのは危険です。高速道路では可能であれば最寄りのパーキングエリアやサービスエリアまで慎重に走行し、一般道でも他車の通行を妨げない場所に停車します。
停車したら、傷の大きさや深さ、ヒビの広がりを目視で確認しましょう。傷口を直接触ると油分や汚れが入り、修理に影響する可能性があります。スマートフォンで撮影しておけば、修理業者や保険会社へ相談する際にも役立ちます。
飛び石による傷にはホコリや雨水が入り込むことがあります。傷口が乾いていることを確認し、透明な保護シールやセロハンテープなどで覆っておきましょう。不純物が入ると、リペアに使う修復剤が浸透しにくくなる場合があります。
| 項目 | 推奨される行動 | 避けるべきNG行動 |
| 傷の確認 | 安全な場所で目視・撮影 | 走行中の確認、傷を触る |
| 傷の保護 | 透明な保護シール・テープ | 不透明なテープ |
| 補修 | 専門業者へ相談 | 瞬間接着剤などで自己補修 |
| 温度管理 | 急激な温度変化を避ける | 熱湯・冷水をかける |
瞬間接着剤などを使った自己流の補修や、傷周辺への撥水剤・ガラスクリーナーの使用も避けます。また、冬の凍結したガラスに熱湯をかけたり、夏の熱いガラスを急激に冷やしたりすると、傷を起点にヒビが広がる恐れがあります。
小さな飛び石の傷でも放置しない

飛び石の傷は、走行中の振動や段差の衝撃、車体のねじれなどによって広がる可能性があります。夏の炎天下で熱くなったガラスをエアコンで急激に冷やす、冬の冷えたガラスへ暖房の風を当てるといった温度変化にも注意が必要です。
傷やヒビは視界にも影響します。特に夜間や雨天では、対向車のヘッドライトや街灯が傷に反射し、歩行者や自転車などを発見しにくくなることがあります。運転に支障を感じるほどの損傷がある場合は、無理に走行せず専門業者などへ相談しましょう。
フロントガラスには運転者の視野を妨げないことなどの保安基準があり、傷の大きさや位置、状態によっては車検で問題になる可能性もあります。運転席の視界に入る傷や、大きく広がったヒビは特に注意が必要です。
リペアできる傷とガラス交換が必要な傷の違い

ガラスリペアは、傷の内部へ透明な樹脂を注入して硬化させ、ヒビの進行を抑える方法です。
一般的に補修できる目安は、直径1.5〜2cm程度まで、と言われています。500円玉で隠れるほどの傷ならリペアできる可能性があります。ただし、判断材料は大きさだけではありません。
| 判断の要素 | リペアできる可能性があるケース | 交換が必要になりやすいケース |
| 大きさ | 直径1.5〜2cm程度以内 | 大きな傷・長いヒビ |
| 深さ | 表面にとどまる傷 | 内側まで達する深い傷 |
| 位置 | 視界を妨げにくい場所 | ガラス端・運転席正面 |
| 形状 | 単純な円形など | 放射状・複合的なヒビ |
ガラスの端付近は車体からの力が加わりやすく、小さな傷でも交換を推奨される場合があります。運転席の真正面も、リペア跡による光の屈折などが視界へ影響する可能性がある場所です。
傷の形も判断材料になります。丸く割れる「ブルズアイ」に対し、星のようにヒビが伸びる「スターブレイク」など、放射状・複合的な傷は修復の難易度が高くなります。傷の深さも含め、最終的な判断は専門業者に任せましょう。
フロントガラスのリペア・交換費用と作業時間

専門業者によるガラスリペアは1カ所あたり1万5,000〜2万円程度、作業時間は40分〜1時間程度が目安とされています。ディーラー、自動車ガラス専門店、カー用品店などで依頼できますが、料金や対応できる傷は店舗によって異なります。
リペアできずフロントガラス全体を交換する場合、一般的な乗用車では5万〜15万円程度が目安です。作業時間は半日〜1日程度とされています。
近年は衝突被害軽減ブレーキなどのカメラやセンサーをフロントガラス周辺に搭載した車も多く、交換後の調整作業によって費用が高くなる場合があります。
交換するガラスは、純正品のほか社外品や輸入ガラスなどを選べることがあります。純正品は価格が高くなる傾向があり、社外品や輸入ガラスでは費用を抑えられる場合があります。ただし、カメラやセンサーを搭載した車両では対応状況を確認し、車種との適合や機能を含めて選ぶ必要があります。
飛び石による修理に車両保険を使う場合
飛び石によるフロントガラスの損傷は、契約内容によって車両保険の補償対象になる場合があります。
車両保険を使用すると翌年のノンフリート等級が1等級ダウンし、事故有係数が1年間適用されるとしています。実際の補償範囲や免責金額などは契約によって異なるため、保険証券や約款、保険会社への確認が必要です。
保険が使える場合でも、必ず利用したほうが得とは限りません。リペアで済むなら自費のほうが総額を抑えられる可能性があり、ガラス交換で修理費が高額になる場合は保険利用のメリットが大きくなることがあります。
判断するときは「修理費用」「免責金額」「保険使用後の保険料」を比較します。
前走車に飛び石の修理費を請求できる?
前走車が跳ね上げた石によってフロントガラスが傷ついたとしても、修理費の請求は一般的に容易ではありません。
路面の小石をタイヤが偶然跳ね上げたケースでは、前走車の運転者に過失があったことを証明するのが難しいためです。
ドライブレコーダーに石が飛んでくる様子が映っていても、飛来元の特定と相手の過失の証明は別の問題です。一方、トラックの荷台から適切に固定されていない石などが落下した場合には、映像が重要な証拠になる可能性があります。飛び石が発生した際は、念のため映像を保存しておきましょう。
飛び石被害を減らすためにできること
飛び石を完全に防ぐことはできませんが、大型トラックやダンプカーなどの直後を長時間走り続けないことでリスクを下げられます。大型車はタイヤが大きく、路面の小石を巻き上げる可能性があるためです。
前走車との車間距離にも余裕を持ちましょう。距離が近いほど、跳ね上げられた石が勢いを保ったままフロントガラスへ当たる可能性が高くなります。高速道路や砂利の多い道路、工事区間では特に注意が必要です。
フロントガラスに飛び石の傷ができたときのポイント
飛び石で傷ができたら、安全な場所へ移動して状態を確認し、傷口が乾いていれば透明なテープなどで一時的に保護します。小さな傷でも放置せず、リペア可能なうちに専門業者へ相談することがポイントです。
キャンピングカーで長距離を走る場合は、高速道路を利用する機会も多くなります。「小さい傷だから旅が終わってから」と放置すると、走行中の振動や標高・気温の変化、エアコンの使用などによってヒビが拡大する可能性があります。
車旅に出る前には車両保険の補償内容やロードサービスを確認し、透明な保護テープなど応急処置に使えるアイテムを車内に用意しておくと、突然の飛び石にも対応しやすくなります。
この記事の監修者
渡辺圭史(わたなべ・けいし)|編集者・アウトドアライター
キャンピングカー専門誌の編集長を経て、現在はキャンピングカー、車中泊、クルマ旅を中心に、専門誌やウェブメディアの記事制作に携わる。取材・執筆に加え、企画立案、構成、編集、校正、コンテンツ監修まで幅広く手がけている。自身も車中泊仕様の軽バンで各地を巡り、現場で得た経験と編集者としての視点を生かして情報を発信。本記事では、専門分野の知見に基づいて内容と表現を確認している。