CAMPINGCAR LIFE

2024.08.06

ホンダN-VANベースの軽キャンピングカーを東京キャンピングカーショー2024の会場でチェック

最終更新日: 2024.08.06

乗りやすさや維持費の安さなど、数々のメリットがある軽自動車ベースのキャンピングカー「軽キャンパー」はキャンピングカーショーでも人気のモデルです。

市販されている軽キャンの多くは、ベース車両にスズキエブリイやダイハツハイゼットを使用していて、バンタイプ、ワゴンタイプ、それぞれのタイプが採用されています。

その他にも少数派ですが、ホンダのN-VANを使うビルダーもあり、ベース車両でクルマのキャラクターも大きく変わってくるといっていいでしょう。特にN-VANは純正のシートアレンジが多彩で、何もしなくてもキャンピングカーのようなスペースを確保できるのが特徴です。

しかし、ベース車両がキャンピングカー仕様に近いほど、キャンピングカーへの架装が難しくなってきます。すでにフルフラットのフロアがあり、効果的な収納スペースが確保されていると、キャンピングカーとしてのアレンジが難しくなってくるのです。

そんななか、N-VAN、N-BOX(ワゴン)をベース車両にして、キャンピングカーを作っているメーカーがあります。今回は東京キャンピングカーショー2024の会場で見つけた、ホンダN シリーズの軽キャンをピックアップして、各社の特徴をお伝えします。

バンショップミカミ

ドッチバン

274.9万円〜

遊びにも仕事にも、どちらでも使える「ドッチバン」は、軽キャンピングカーのキャブコンで有名な「テントむし」を作るバンショップミカミの軽キャンです。運転席が後ろ向きに回転し、リビングレイアウトの時、フロント側のソファとしても利用できるようになっています。

リアのラゲッジスペースにボックスが設置されていて、ベッドやソファとして使えるようになっていました。リビングのシートには、それぞれ足元にスペースがあるので、座り心地もよく、ゆとりある広さを感じます。

N-VANはフロア部分が深くえぐられていて、座面の高さを十分に確保できるので、他の軽自動車にはないスペースが広がっています。ベッドは最長で2280㎜も取れるので、大柄な人でも余裕。軽自動車らしからぬ開放感があります。

電源システムにはポータブルバッテリーを使っていて、走行充電、外部AC充電もできるようになっています。サブバッテリーを搭載していないキャンパーも増えてきましたが、ポータブルバッテリーに外部充電できるシステムは珍しい存在です。

ルートシックス

シーク

286.44万円〜

デザイン性の高いオリジナル軽キャンパーを作っているルートシックスのブースにも、ホンダN-VANをベースにした車両「シーク」が展示されていました。こちらもN-VANの室内高を最大限に生かしたモデルで、車内が広々としています。

リビングのレイアウトは運転席が回転して、テーブルが設置できる仕様。足元にゆとりがあり、自然な姿勢で座ることができます。やはり、ホンダN-VANらしい作りといえるでしょう。秀逸なのは運転席側のベッドレイアウト。運転席を後ろに向けた状態でベットをセットできるようになっていて、180㎝のスペースを確保しているのです。

リアの両サイドには最小限のキャビネットが取り付けられていて、広さを優先した作りになっています。リア部分にはテーブルを設置することができるので、フルフラット状態で寝ていても、荷物置き場としても重宝しそう。こちらのモデルもポータブルバッテリー仕様になっていて、リアのシート下へ設置できるようになっていました。

アウトサイドモードではリアキャビネットの間に設置していたテーブルを外に持ち出して、リアゲート下にアウトサイドリビングを作ることができます。キャンプサイトなどで、すぐにフィールドセッティングできるのはありがたいです。

ホワイトハウス

N-VANコンポスタイル・ツー エコ

246.73万円〜

以前からホンダの車両をキャンピングカーのベースに採用していたホワイトハウス。もちろんNシリーズのモデルもラインアップされています。このN-VANコンポはレイアウト違いで、スタイル・ワン、スタイル・ツー、キャビンの3種類があって、写真のモデルがスタイル・ツーになります。

N-VANはサイドのBピラーレスが最大の特徴。荷物の出し入れ、人の乗り入れが楽な他、左サイドにオーニングやカーサイドタープを設置することで、大開口部から外へ繋がる、ボーダーレスな快適空間を手に入れられます。

設備も充実していて、リアの多段シェルフはスタイル・ツーの専用設計。右側のキャビネット上部には電子レンジまで埋め込まれていました。その下には収納庫と水道が設置されています。

リアのゲートを開けて、折りたたみ式のシンクをセッティングすればキッチンの完成です。シンクと合わせて3段の棚、そして、長い作業テーブルが使えるので、料理などもしやすいレイアウト。両サイドにも収納バッグが取り付けられていて、収納力も高い設計になっています。

ホワイトハウス

N-BOXキャンパーネオ

234.74万円〜

N-VANはバンになりますが、ワゴンのN-BOXを使ったモデルもあります。それが、ホワイトハウスのN-BOXキャンパーネオです。

ワゴンモデルは人を載せることを目的としているので、乗用車ライクなインテリアが特徴です。その内装トリムがしっかり施工された天井にぽっかりと穴が空いていて、ポップアップルーフ仕様になっていました。

ポップアップを使えば、4人就寝できるので、その効果は絶大。ワゴン軽自動車にポップアップを搭載できるのも珍しい存在かもしれません。

シートもしっかりとしたタイプが採用されているので、快適なドライビングが楽しめるのですが、車中泊となると、かえってシートが不便に感じることがあります。

フルフラットにしようとしても、厚みのあるクッションのおかげで、凹凸が出てしまうのです。そこでホワイトハウスはエアマットをオプション設定して、フルフラットのベッドを提案していました。

しっかりとした厚みと、マット自体の剛性が高く、室内で折れ曲がったりすることもありません。乗用車ライクなワゴンに乗りたいけど、車中泊もしっかりと楽しみたい! そんなぜいたくな悩みに答えてくれる1台でした。


ホンダの軽自動車にフォーカスしてみましたが、同じベース車両でも、ビルダーによってその雰囲気はまったく違っていました。ただ、N-VANの室内空間の広さは魅力的で、各モデルがその特徴を活かしたレイアウトを採用していることが分りました。

軽自動車のキャンピングカーを探す時、いろいろなベース車両をみて検討してみてはいかがでしょうか。

軽キャンピングカーをまとめた記事は他にも掲載していますので是非チェックしてみてください。

渡辺圭史

1971年生まれ。アウトドアメーカー、クルマ系出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。その後、フリーランスとなり、アウトドア、クルマ系の媒体で執筆。日々のカーライフを@keishi1971で発信中。

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