2024.03.09
ジャパンキャンピングカーショー2024|キャブコンやデュカトベースのおすすめ紹介
最終更新日: 2024.03.29
国内キャンピングカーのラインアップも多岐に渡り、たくさんの種類のなかからクルマを選ぶことができるようになりました。日本特有の軽自動車をベースにしたキャンピングカーから、大きな輸入車のキャンピングカーまで、そのカテゴリーも細分化されてきています。
前回はジャパンキャンピングカーショー2024の会場で見つけた、軽キャンパーからバンコンをピックアップしましたが、今回はキャブコンから輸入車までのキャンピングカーをピックアップして、国内キャンピングカーのラインアップの充実を感じてみましょう。
国産車両がベースとなった大型キャンピングカーたち
スタイリッシュなトラキャンのニュースタイル
M.Y.Sミスティック デシエルト De02:POP-UP
近年、ハイラックスの国内販売などで人気が出ているピックアップトラックの荷台に、居住スペースとなるキャビンを搭載するトラックキャンパー。このトラキャンを長年扱ってきたのが、国内唯一ともいえる専門メーカーのM.Y.Sミスティックです。独自開発されたキャビンの数々は、安全性、快適性、機能性を高い次元で達成して、トラキャン本来の楽しさを提案し続けてきました。
.今回、そのM.Y.Sミスティックが発表したのは、輸入モデルのデシエルト De-02。トラキャンながらポップアップ構造を取り入れて、走行時はキャビンを畳んで、風の抵抗を軽減して、キャンプなどの滞在時にはポップアップを上げて、室内を広く利用できるようになっています。リチウムイオンバッテリーやクーラーなど、充実装備のリミテッドモデルなども用意されていました。
コンパクトなキャラバンベースのキャブコンモデル
ファーストカスタム ASTRARE CC1
多数のキャブコンを取り揃えるバンテックが販売しているキャラバンベースのキャブコンです。運転席上部、バンク部分の高さを抑えたロープロファイルスタイルを採用しています。空気抵抗も少なく、走行安定性の高さが特徴です。サイドエントランスドアにスライドドアが採用されていて、狭い場所での乗り降りも楽に行えるようになりました。
乗車定員6名で就寝人数が3+1名。全長4.9㎜ながらマルチルームを設置して、リアに2段ベッドをレイアウトしています。限られたスペースを有効に活用したモデルです。インテリアは落ち着いた雰囲気で、クーラーが家具に埋め込まれていたり、デザイン性を追求した仕上がりになっています。
AIを搭載したニュースタイルキャンピングカー
キャンピングカー ロビンソンAI
ジャパンキャンピングカーレンタルセンターを運営しているキャンピングカー株式会社のオリジナルモデルがロビンソンAIです。ハイエースをベースにしたキャブコンで、走りの高さに定評があります。レンタルキャンピングカーでの利用も考えて設計されていて、誰でも使いやすい工夫が満載。大きなリアゲートからは、スーツケースなども余裕で積み込むことができます。
車名にも掲げられているAIがこのクルマの最大の特徴です。インターネット環境を整えることで、車内の操作を声で行うことができるのです。ライトのオンオフ、エアコンの温度設定など、声で手軽に操作できるのは便利。夜、寝ている時など、リモコンやスイッチを探すことなく、声だけで操作するのが、新しいキャンピングカーのスタイルになるかもしれません。
進化し続けるアネックスが新しい技術を投入したキャブコン
アネックス リバティ520DBi
キャブコンのスタンダードレイアウトを作ったとも言われている老舗メーカーのアネックス。既存モデルに満足することなく、常に新しい技術をキャンピングカー作りに投入してきました。今回は人気ロングセラーモデルのリバティにも進化系のラインアップを追加。ホワイトボディが多かったキャブコンのなかで、耐熱処理を組み合わせて、自由なカラーリング選択の可能性を見せたのが、このリバティ520DBiでした。オプション選択のグレーのボディは、太陽光の熱がこもらない仕様になっています。
インテリアは既存モデル同様、ホテルライクな高級スタイルを継承しています。人気の床暖房設備などはそのままで、快適性の追求にこだわっています。新たにバンク部分の形状が変更され、雨水の流れを調整していますが、室内はそのまま広々とした空間をキープしています。
スライドアウトするキャンピングカーの可能性を提案
A to Z ACE-G
アメリカの大きなキャンピングカーやキャンピングトレーラーでよく見かけるスライドアウトタイプのキャンピングカーが、ジャパンキャンピングカーショー2024の会場で数台発表されていました。そのなかの1つがA to ZのACE-Gです。カムロードベースの国産キャンピングカーらしいスタイリングですが、左側のボディが外側に伸びる構造になっています。
スライドアウトすることでリビングスペースの空間が広がり、ダイニングテーブル周辺に余裕が生まれました。キャンプ場やRVパークであれば、スライドアウトで快適な空間を手に入れられます。上の写真ではリアエントランス正面のマルチルーム横部分が外側に広がっているのが確認できると思います。室内の動線もしっかりと確保され、スペースにもゆとりが生まれ、最高のリラックスタイムを提供してくれます。
大型キャンピングトレーラーにニューフェース登場
両備ホールディングス グローバー
国産キャンピングトレーラーはコンパクトなモデルが多いなか、このグローバーは迫力あるスタイリングの大型国産キャンピングトレーラーです。アルミの特徴的なボディは、国内航空技術を投入して生まれたスタイル。設計や製造など、航空機製造関連企業が協力して作り上げたそうです。
スムーズなボディ形状など、そのスタイリングは芸術品のような機能美を感じます。インテリアもエクステリア同様、異次元の世界が広がっていました。内装は専用スタッフが製作にあたり、木材をふんだんに使いながら、高級感のある空間を生み出しています。そのデザイン性の高さから、ホテルや別荘などの定置利用にも適したキャンピングトレーラーです。
2024年に注目されるベース車両フィアットデュカトのキャンピングカーも続々と登場
クルマ本来の広さを生かしたボックスシリーズ
岡モータース グランボックスVL
ジャパンキャンピングカーショー2024ではたくさんのフィアットデュカトベースキャンピングカーが展示されていました。2022年スタートのフィアットデュカト正規輸入から2年。ようやく各社のモデルも出揃ってきました。国産モデルらしいアイデア溢れるクルマも多数デビューしています。この岡モータースのグランボックスVLもその1つです。
クルマ本来のスペースをそのまま活用して、シンプルながら使いやすさを追求したレイアウトになっています。リアに折りたたみ式のベッドが設置されていて、ラゲッジスペースが必要な時はベッドを収納したり、移動することで、スペースを確保することができます。しっかりとしたキャンピングカー設備も整っていながら、トランスポーターとしての機能性を最大限に引き出すレイアウトになっています。
フィアットデュカトをオフィスカーとして利用する
アールブイランド デュカトラウンジ
フィアットデュカトは国内5社が正規輸入代理店となりました。その1つであるアールブイランドではこれまでにフィアットデュカトをベースにキャンピングカーを作ってきましたが、今回、オフィスカーモデルを展示していました。サイドスライドドアより後ろ部分にオフィススペースが設けられています。
中央に大きな作業テーブルが設置され、リア側に打ち合わせなどにも利用できるソファがレイアウトされています。作業テーブルは折りたたみ式で広げることも可能で、キャンピングカーのようなギミックも隠されていました。リアゲート側のアウトサイドにテーブルをセットできるようになっていて、キャンプ利用もできるポテンシャルを秘めています。
キャブコン製造で培った経験と技術を投入
ナッツRV ゼニア
フィアットデュカトベースの国産キャンピングカーはバンコン仕様がほとんどです。しかし、ハイエースなどのバンコンと比べると、室内も広く、国産キャブコンクラスと同じスペースを確保できる優位性があります。そんな広々としたスペースをキャブコン製造の大手が手掛けたら、どのような車が完成するのか気になります。その形を見せてくれたのがナッツRVです。
ナッツRVではこれまでにフィアットデュカトL2H2をベースにしたモデルを展開していましたが、ロングホイールベースのL3H2をベース車両にしたラインアップも揃いました。車内スペースが広がったことで、特徴的なレイアウトも誕生しています。それが、ツインベット仕様やラウンジスタイルのベンチソファなど、魅力的なレイアウトが誕生しました。
ポップアップルーフでさらに広さを手に入れたデュカト
ホワイトハウスキャンパー フィアットデュカトL3H2トリノ
フィアットデュカト正規輸入販売店のホワイトハウスでは、デュカトを使ったさまざまなクルマを展開しています。心地よい乗り心地とトランスポーターとしての機能性を融合したモデル、別荘のようなデッキを展開できるニュースタイルのキャンピングカーなど、そのバリエーションは多岐にわたります。そして、今回はポップアップルーフのモデルをデビューさせたのです。
ポップアップルーフは大きくなるにつれて、重量も増え、展開作業も困難になってきます。そこで登場するのが電動ポップアップシステム。ホワイトハウスではハイエースベースのキャンピングカーでも電動ポップアップを展開していて、ユーザーの使いやすさを追求した仕様を提供してきました。そして、フィアットデュカトにも電動ポップアップシステムを投入したのです。スマホからの操作も可能で、より使いやすく、快適な空間を手に入れることができました。
世界レベルの最高級キャンピングカーが日本に上陸
トイファクトリー ライカクレオスL5009
トイファクトリーではユーロトイのブランドで、本格的な輸入車の販売がスタートします。キャンピングトレーラーのフェントなどを輸入販売していましたが、新たにエトルスコ、ウェンズバーグ、ライカなどのブランドが加わりました。なかでも注目はこのライカ。ヨーロッパの最上級ラグジュアリークラスをカバーするラインアップで、国内モデルとは一線を画す高級感にあふれています。
その特徴はラグジュアリーなインテリアに他なりません。イタリアンデザインを採用していて、美しさとエレガントさが、調度品1つ1つから感じ取ることができます。フェラーリなどのデザインを手がけたカーデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインしていることもあり、極上のヨーロピアンキャンピングカーとしての気品を感じるモデルです。
国内のキャンピングカーマーケットでは軽キャンパーからバンコン、キャブコン、輸入車まで、さまざまなモデルが展開されています。大型キャンピングカーといえば、機能性と大きさを全面に押し出したモデルが多かったのですが、2024年の傾向として、質を求めた大型キャンピングカーが多かったように感じました。コンパクトな空間であっても、ミニマムなインテリアを採用して、上質な空間を作り出す。量より質が重要視され、よりエレガントなキャンピングカーが求められてきているのかもしれません。